家づくりの過程で「上棟」というものがあります。
基礎ができて、土台が敷かれた後に、大工さんが複数来られて
柱を立てていきます。
最近ではレッカーを使用してするケースも多く、
身近なところで見られたことがある人も多いのではないでしょうか?
そして、上棟のときに風習として、「餅まき」をすることがあります。
姫路ではそう多くありませんが、私の両親の故郷である宍粟市では今でも風習として多く有ります。
「餅まき」とは
上棟の日の夕方に、ご近所の人に集まってもらい
上棟した家から「お餅」や「お菓子」「5円玉などのお金」などを振る舞います。
近所の人やご友人のみなさんがそれらをもらって
家で食べてもらったりするといった行事です。
つい昨日まで私は「餅まき」を
「幸せのおすそわけ」といったニュアンスで思っていました。
「家づくり」をすることは、とても「幸せなこと」です。
その「幸せ」をみなさんにも分けることで、
建主さんもご近隣の方もみんなハッピーになるといった意味と思っていました。
でも、実際は違った意味合いもあることを
昨日、ネットを見ていて美輪明宏さんの話で知りました。
そんなお話をご紹介したいと思います。
そもそも人間にはバイオリズムがあり、
この世は、正と負、プラスとマイナス、吉と凶といったような全く違う2つももので出来ています。
それなのにみんないい方だけを望んでしまいます。
いいときもあれば、悪いときもある。
なのでバランスが大事。
とても調子の良い時でも最高潮に良い物を手に入れない方が良い
といった考え方が大事なんですよと言われてました。
海外ではハリウッドスターがアカデミー賞をいくつももらうと、
ろくな死に方をしないと向こうでは言われているようです。
良すぎることがあると、病気や怪我を負ったり、亡くなったりすることもある。
なので、よすぎないように気をつけるといった考え方。
実は「餅まき」もこの意味合いが強いのだそうです。
昔の人はそれを「負の先払い」と言いました。
上棟式の時に、紅白のお餅を撒いたり、近所の人にお酒を振る舞ったり、
五円玉を撒いたりするのは、その「負の先払い」をしているということです。
こうして人生のバランスをとっているのだそうです。
目からウロコ
「へぇ~。」と、うなってしまいました。
昔の人の考えは思慮深く、すごいですね。
と言っても、「餅まき」もされない方がほとんどなわけで
絶対しないといけないものでもないでしょうが、
これに限らず、日々の生活の中では、バランスをとるというという考え方は大事かもしれませんね。
道端でゴミを拾ったり、草引きをする。
知らない人にでも挨拶をする。
困っている人がいたら声をかけて助けてあげる。
その瞬間の「損得勘定」だけで算盤をはじいたら
「なんでこんなことしないといけないの?」と思いがちなことも
自分さえ良かったらいいといった考えの人ですら、
実は自分のためになったりするわけなので、なかなか奥の深い解釈と思います。
改めて思いますが、
こんな「負の先払い」をしないといけないくらい「家づくり」とは幸せなことなわけです。
そんな家づくりのお手伝いができる私たちの仕事は幸せな仕事ですね。
そんなこと思った昨日の夜でした。