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Q&A:普通のガルバ屋根はダメなのか?屋根を長持ちさせる一番大切なこと

今日も私たちの動画を視聴していただいている方からご質問をいただきましたので、そのことを肴に少し家づくりについて解説していきたいと思います。今日の質問は、「普通のガルバ屋根はダメなんでしょうか」というものです。最近、私の師匠の松尾先生が通気ガルバ材の大切さや良さを解説された動画も出ていましたので、それを受けて「やっぱり普通のガルバ屋根はダメなんですかね」という素朴な疑問を持たれたんやと思います。もちろん、ほとんどの回答は松尾先生がしてくださっているんですけど、僕なりの視点も含めて、屋根を長持ちさせるために一番大事なことを解説したいと思います。まず、普通のガルバ屋根がダメなのかというと、ガルバ屋根そのものが悪いわけではないと僕は思うんです。それより大事なのは、屋根材を支える下地材、建築用語でいう「野地板」です。この野地板をどうやって乾かし、長持ちさせるかということが、実は屋根の良し悪しを判断する大きなポイントじゃないかなと思っています。

松尾先生も、普通のガルバ屋根の納まりでは野地板の耐久性に課題が出やすいとおっしゃっています。それを見て「ガルバ屋根は良くないのか」と思われた方もいるかもしれませんけど、瓦屋根でもコロニアル、スレート瓦でも、問題の本質は一緒やと思うんです。屋根材そのものの耐久性の優劣以上に、その下地である木材をどう乾いた状態に維持するかが重要です。そもそも屋根は、どんな納まりを考えても雨水の一部や湿気を受け続ける場所です。例えば瓦屋根でも、瓦の下にはアスファルトルーフィングという非常に防水性の高い材料があります。ただ、防水性が高いだけに水蒸気も通しません。物が乾く時は水分が水蒸気になりますから、水蒸気を通さないということは、逆に湿気が溜まりやすいということでもあります。釘やビスを打った部分も、アスファルトが熱で馴染んでパッキンのようになり水を止める仕組みですが、それでも水が入る可能性を完全にゼロにはできません。

だから屋根には、雨水を素早く切るための勾配が必要なんです。駐車場で考えると分かりやすくて、ほぼ水平なコンクリートは雨の後、低いところに水が溜まってなかなか乾きません。でも片側を10cm、20cmと上げて勾配をつければ、多少の不陸があっても水がザーッと流れて、すぐカラッと乾きます。屋根も同じで、勾配があることで雨が入りにくく、入ったとしても素早く流れ、野地板にも染み込みにくくなるわけです。最近のキューブ状の建物や緩勾配の屋根は、この点では難しさがあります。特に集中豪雨では短時間にものすごい量の水が来て、言ってみれば水に浸かっているような状態になります。急勾配でも水は来ますけど、緩勾配よりはまだ逃がしやすい。ですから、どんな屋根材でもダメージを受ける場所であることは知っておいてほしいんです。

一般的なガルバ屋根は、野地板の上にルーフィング、その上にガルバ材という構成で、実際にはそれぞれがペタッと接しています。そのため、何らかの理由で雨が入ったり、ルーフィングの裏側で結露したりすると、水分を排出しにくいんです。軒先やケラバでは、毛細管現象で水が隙間を上がってくることもあります。こうして野地板が長期間水分にさらされる可能性があるので、松尾先生は「考えた方がいいよ」と言われているわけです。普通のガルバがダメというより、普通はこういう納まりになっているから注意が必要だということなんです。今回の通気ガルバは、まずルーフィングとガルバの間に通気層があります。ガルバの断面がうねった形になっていて、高いところには隙間が生まれ、そこを風が通る。つまり、ガルバ自体の断面形状で通気層を確保して、溜まった雨水や水分をどんどん乾かすわけです。

もう一つは透湿ルーフィングです。水は通しにくいけど、水蒸気は通す材料ですね。雨ガッパを着ると雨には濡れなくても汗でベチャベチャになることがありますけど、ゴアテックスのスキーウェアなら外からの水を防ぎながら、汗の水蒸気は外へ逃がしてくれるじゃないですか。ああいう機能を持った建材です。冬場に万が一ルーフィングの裏側に水分が発生しても、透湿ルーフィングを通して通気層へ逃がし、乾燥させられるわけです。同じ機能は、普通のガルバとルーフィングの間に網状体、フライパンを磨く緑の固いスポンジみたいな材料を入れて空気を通すことでもつくれます。この場合は普通のガルバでもいいんです。ただ網状体には一定のお金がかかりますし、太陽光発電を載せる場合、荷重でへしゃげて固定に影響し、保証上問題になることもあります。ただ、金物の真下に木材のパッキンを入れてバックアップするなど、きちんと納めれば対応できるメーカーもあります。ですから、通気層さえきちんと確保できていれば、普通のガルバ屋根でも全然いいんです。

もう一つ、昔ながらの「バラ板打ち」という方法もあります。今は板状の構造合板を一気に張ることが多いですけど、昔は幅9cmとか11cm、長さ1800mmくらいの細い無垢板を並べて野地板にしていました。上に乗るとふわふわして、若い頃は垂木を狙って踏まないとバキッと折れそうで、下地検査が怖かった印象があります。でもバラ板は真っすぐな板を完全に密着させるわけではなく、多少の不陸や隙間ができるので、そこに空気の融通があります。構造合板は接着剤で積層されていますから、屋根が夏場に80℃、場合によっては100℃近くなり、さらに水分にもさらされるという過酷な環境では、層が剥離することがあります。一方、バラ板は薄くても無垢の木ですから、ちゃんと乾かしてさえいれば、濡れて乾いてを繰り返しても案外丈夫なんです。僕が屋根替えの現場で見た50年くらい前のバラ板も、一部に傷みはあっても全体としては健全でした。

昔の瓦屋根が高耐久だったのも、この下地の仕組みが大きいと思います。アスファルトルーフィング以前には「トントン葺き」といって、薄い木の皮のようなものを並べ、水が切れていくようにしていました。厳密には雨が入ることがあっても、水が切れて、その下をバラ板で受けるからすぐ乾く。後にアスファルトルーフィングへ変わり、当時のナショナル、松下電工の商品にも「ハイトントン」という、トントン葺きに代わることを意識した名前があったぐらいです。つまり瓦が50年持つなら、その下地も50年くらい持つような、単純だけど質が長く変わりにくい構成だったんです。今でも僕は、場合によってはバラ板でやったらいいかなとおすすめすることがあります。

そして通気層をつくるなら、出口も大切です。冬の晴天の朝は放射冷却で屋根面が冷え、建物内部の暖かく湿った空気の影響を受ける部分では結露しやすくなります。でも晴天なら、その後は太陽が当たって屋根の温度が上がり、空気がものすごい勢いで上へ動きます。ファンもないのにヒューッと風が上がっていくんです。昔の瓦屋根は棟が塞がっているので、湿気を小屋裏側へ逃がして小屋裏換気で乾かしていました。一方、ガルバ屋根では棟換気を設けて、上がってきた空気を棟からバーッと抜くことができます。松尾先生や僕の友人の小暮さんもよく「棟換気が重要なんだ」と言いますけど、まさにそういうことです。ガルバ屋根がアカンのではなく、ガルバ屋根をどういう納まりで使うかが大事なポイントなんです。

さらに昨今、野地板は単なる屋根下地ではなく、構造として頼りにする部分にもなっています。2階の床などでは24mmくらいの構造合板をベタ張りして水平構面を強くしますが、屋根面も同じように構造要素として評価する考え方があります。耐震等級3を狙う家では特に大切ですから、野地板が傷めば構造的に弱くなる可能性もあります。だから野地板を長持ちさせることは、屋根だけでなく建物の強さを維持する意味でも超大切やで、ということを松尾先生は伝えたかったんやと思います。ただ実際には、毛細管現象などで傷みやすいのは軒先や端部ですから、軒が極端にない家でなければ、柱の内側まで急に大きなダメージを受けるわけではないと思います。でも50年、60年と家を使うなら差が出てくる。その時に補強へお金をかけるより、最初に少しかけておいた方が合理的じゃないですか、という話なんです。

そして通気層は、屋根下地を乾燥させる装置であると同時に、夏場の冷却装置にもなります。風が通ることで熱を逃がし、屋根からの焼け込みを抑えられます。真っ黒な屋根は非常に熱を持ちますから、白っぽい色やシルバー系など熱を吸収しにくい色を選び、さらに熱を素早く排気できれば、断熱性や快適性にも効いてきます。特に今の日本は夏が長く、6月から10月まで、ほぼ年の半分が暑いような状態です。そう考えると、ガルバをきっかけに屋根の通気や耐久性を考えることは、家づくりの質の本当にコアな部分につながります。屋根は雨を防ぐだけでなく、湿気まで制御することが大切なんです。

松尾先生は24mmの分厚い野地板を長く標準にされています。確かにいい方法なんですけど、厚い板を現場で釘止めするには受ける材も大きく必要で、小さい垂木では納めにくいため、登り梁の上に載せるなど構造材の材積も増えます。単純な屋根で比較すると、一般的な垂木で野地板を受ける井桁の方が安いです。二重垂木にして通気層を確保する方法もありますが、野地板が二重になっても、一番上の厳しい環境に置かれる板の耐久性という問題は残ります。だから僕は、そこをバラ板にしてみたり、通気ガルバや網状体を使ったり、12mm、15mm、18mm程度の野地板を組み合わせたりして、トータルで質と耐久性を安定させることも考えます。コストも極端に何十万円と違う話ではなく、僕の印象ではせいぜい10万円前後で変わってくることが多いので、全体のバランスで考えたらいいと思います。

今日の話は松尾先生のお話の補足みたいになりましたけど、ぜひ「ガルバの屋根はアカン」とすぐ極論で考えないでください。そういうことを言う営業の人ほど、単なるポジショントークになっている場合もあります。「うちは高性能でG3です」と言いながら、屋根は通気や湿気のことを全然考えていない普通のガルバということなら、お金をかけるところが違うんじゃないかなと僕は思います。寒い地域はまた別として、西日本や本州の多くの地域なら、G3にするよりG2にして、こういうところをきちっとやる方が、同じお金でもトータルでバランスの取れた家になることもあると思います。通気ガルバを使う、網状体を使う、あるいは昔に戻ってバラ板を使う。そういう選択にも十分価値があります。そんな広い視点で考えていただくと、屋根もなかなか面白いものになっていくかなと思います

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