ごちゃごちゃの押し入れをスッキリさせる法則
家には押し入れとかありますよね?でも、その押し入れがごちゃごちゃして片付かない、なんとかならないかな…そんなふうに思ったこと、ありませんか?実は最近、それをスッキリさせる法則を学びまして。まあ、受け売りなんですけど(笑)、でもこれは知っていたら役に立つかなと思ったので、今日はそのお話をしたいと思います。
住まいのアドバイザーで、近藤典子さんという有名な女性がいらっしゃいますよね。しっかりした方なんですが、その近藤さんが、LIXILさんという住設機器の大手メーカーとコラボして、押し入れ問題について語っているカタログがあるんです。何年も前からあるものなんですけど、あんまり気にしてなかったんですよ。でも最近、じっくりと見てみる機会がありまして、これ、すごくいいことが書いてあるなぁと。「これは知らなかった!」と思ったので、受け売りではあるんですけど、ちょっと皆さんにも知っておいてもらえたらと思って、今日は解説していきます。
近藤さんがおっしゃるには、「押し入れがなぜごちゃごちゃしてしまうのか」というのは、そもそもの押し入れの作り方が使いにくいようにできているからなんですって。えーっ?と思いますよね。昔から押し入れを作ってきたおじさんの立場からすると、「何を言ってるのかな?」ってなるんですけど、実際に見てみると、たしかに…と納得する部分があるんです。
一般的な押し入れって、だいたい一間の幅があって、奥行きが中間〜半間くらいで、幅は1800〜1900mmくらい、高さは天井まで。結構なボリューム感なんです。でも、実際に中に物を入れる寸法を考えると、実質1690mmくらいしかなかったりします。そして、奥行きは780mm以下が多いです。
よくあるのが、引き違いの押し入れ。わかりますかね?日本の押し入れって、だいたい中段と枕棚があって、昔は布団を収納する場所として使われていたんですね。枕棚って名前の通り、枕を置く棚なんですけど、最近は若い人に「枕棚って何ですか?」って聞かれるくらい、常識じゃなくなってきてるんですよ。そんな一般的な押し入れのスタイルを、近藤さんは「これが問題なんですよ」とおっしゃってるんです。
その問題点は大きく3つ。
まず1つ目は、「中段と枕棚が固定されていること」。これ、当たり前やと思ってたんですけど、固定されてると融通が利かないんです。ちょっと高さのある物が入らないし、小さい物を入れるとスペースが余ってしまう。だから、うまく収納できず、つい突っ込むだけになってしまうんですね。
2つ目の問題は、「奥行きが深すぎること」。押し入れって、もともと布団をしまうために作られてるから、奥行きが78cmくらいあって、かなり深い。でも、最近はクローゼットとして使いたいというニーズもある。そうなると、60cmくらいの奥行きがちょうどよくて、それ以上あると持て余してしまう。これも、うまく使いにくくなる原因のひとつなんですね。
3つ目が、「引き違い戸であること」。多くの押し入れは中心に引き違いの建具があって、片方ずつしか開かない。だから、大きな物を出し入れしづらい。お布団なんかも、まっすぐ入れるんじゃなくて、くの字に曲げて、ふにゃっと広げて押し込むようにしてたんです。これ、力のある人ならまだしも、腕力の弱い女性や年配の方には大変なんですよ。
じゃあどうすればいいのか?近藤さんがおっしゃる対策も3つあります。
1つ目は、「中段と枕棚を固定せず、高さを自由に変えられるようにすること」。怖っ!って思いましたけど、確かにそれなら柔軟に使えますよね。
2つ目は、「収納する物に合わせて、奥行きを使い分けられるように工夫すること」。これも、すごい発想やなと思いました。
そして3つ目は、「入れる物から逆算して、建具の開き方を工夫すること」。つまり、引き違い戸じゃなくて観音開きにすれば、広く開いて簡単に物が出せるんです。でも、昔は襖って軽くて便利だったんですけど、観音開きは強度の問題で、長く使うと歪んで畳を擦るようになる。だから、大工さんたちはあえて避けてたんですね。そういう背景もあって、引き違い戸が定番になってたけど、今の時代には合わない面もあるというわけです。
そんな流れで出てくるのが、「近藤さんの350mmの法則」。これ、何かと言うと、床から350mmごとに棚板を設置できるようにすることで、収納が格段にしやすくなるという法則なんです。350mmって、ちょうど小さい収納箱や衣装ケースが収まる高さなんですね。2倍の700mmになれば、スーツケースなどもスッと入る。僕なんか、細かいところが気になる性格なので「700mmって机の高さやけど、キツキツちゃうん?」って思ったんです。でも、そこはちゃんと棚板の厚みも考慮されていて、有効寸法でしっかりスペースが確保されている。図面を見ると、「なるほど〜」と納得です。
この350mmピッチでスペースを区切っていくと、扇風機が立てたまま入る場所、スティック型掃除機がスッと入る場所、コートやワンピースがきれいに掛けられる場所など、いろんなパターンがうまくはまってくるんです。上手に棚板の高さを設定すれば、デッドスペースができにくくなって、押し入れの中がスッキリ見える。これ、ほんまによく考えられてます。
さらに、1690mmという押し入れの高さについては、「スパンが飛ぶから、棚板を支えるためには縦の仕切りが必要」ともおっしゃってます。850mmのスペースに縦仕切りを入れると、布団を入れないときでも収納としてすごく使いやすくなる。1100mmのスパンがあれば、お布団も収納できる。その中で、自分にとってちょうどいい高さ、つまり“黄金ゾーン”を見つけることが大事。身長や用途によって、その高さは変わるんですね。
奥行きについても、780mmではなく、700mm・600mm・400mmなど、使いやすい奥行きで棚を作っておくと便利。棚板も一枚でドンと作るんじゃなくて、前30cm・後ろ40cmといったように分割して、「お風呂の蓋」みたいにパコンと外せるようにすると、長物も出し入れしやすくなる。L型に組めば、デッドスペースもできにくい。後ろに何が入ってるか見えなくなる問題も解消されるんです。
ということで、これから新築される方や、DIYが得意なお父さんなんかにも、ぜひこういう視点で押し入れを見直していただきたいなと思います。面倒に感じる場合は、LIXILさんが近藤先生とコラボして製品化もされてますので、そういうのを活用されてもいいかと思います。ちゃんと細かいところまで考えられていて、オススメです。
押し入れをごちゃごちゃさせたくない。でも布団も収納したい。そんな方にとって、この「350mmの法則」はとても役立つ考え方やと思います。特に今は、昔のようにお布団をギューギューに詰めて押し入れに収納する家も少なくなってきてますし、ベッド派が多いですもんね。逆に季節外れのお布団や来客用の布団くらいしか入れないというご家庭も多いと思うので、そんなときにもこの考え方、すごく便利だと思います。
ということで、今日は受け売りではありますが、僕にとっては本当に目からウロコの内容でしたので、もしご存じなかった方がいらっしゃれば、ぜひ参考にしていただけたらと思います。
近藤さん、ありがとうございました。