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トップページ / 動画 / 初心者の方におすすめ / 金利上昇時代に私たちはどう住まいを手に入れるのか?

金利上昇時代に私たちはどう住まいを手に入れるのか?

世の中の流れは目まぐるしいですよね。住宅業界で言えば、住宅ローン金利の上昇や、デフレが終わって本格的なインフレ時代に入ったことなど、大きな変化が起きています。そんな中で住まいをどう考え、どう手に入れていくのかは、本当に悩ましい時代になりました。今日は、金利上昇時代の住まいの考え方について、6つの視点でお話ししたいと思います。

まず一つ目は、「注文住宅」という考え方です。ハウスメーカーや工務店では当たり前のように使われる言葉ですが、僕はこれ自体が一つの思い込み、ある意味では信仰になっているんじゃないかと思っています。「新築が一番」「自由設計が理想」「注文住宅こそ正解」という価値観ですね。でも昔は注文住宅は一般的なものではありませんでした。多くの人は借家に住み、結婚したら新婚向けの家、子どもが増えたら広い借家、子どもが独立したら夫婦向けの住まいへと暮らしに合わせて住み替えるのが普通でした。注文住宅は経済的に成功した人が建てる特別な家だったんです。それがいつの間にか誰もが目指すものになりました。でも、お墓が「立派な墓石を建てるもの」という価値観から墓じまいへと変わってきたように、注文住宅も本当に絶対の正解なのか、一度立ち止まって考えてみてもいいんじゃないかなと思います。

二つ目は、変わったのは金利だけではなく、住宅を取得する環境そのものだということです。土地も建築費も上がり、金利も上がりました。つまり取得コスト全体が大きく上昇しています。その結果、注文住宅は再び「高嶺の花」に近い存在になりつつあると感じます。

三つ目は、インフレ時代の借金の考え方です。借金は悪いものと考えがちですが、固定金利で借りることはリスクヘッジでもあります。これから金利が上がっても返済額は固定されますし、太陽光発電も同じように将来の電気代を先に固定しているようなものです。インフレではお金の価値は相対的に下がります。今借りた1000万円も、将来は価値が目減りしていきます。だから大切なのは、借金を何に使うかです。現金をそのまま持つより、価値のあるものへ変えておくことが結果として資産を守ることにもなります。住宅ローンは悪い借金ではなく、使い方が問われる借金なんです。

四つ目は、「家づくり」ではなく「住まいの確保」という発想です。結婚した時、子育て中、シニアになった時、一人暮らしになった時、それぞれに合った住まいをどう確保するかという視点へ変わっていく時代だと思います。「どんな家を建てるか」ではなく、「どう住まいを確保するか」という問いに変えることが大切です。問いが変われば、答えも変わります。

そう考えると選択肢は注文住宅だけではありません。もちろん、思いを形にしたい方や、家が何より好きでそこにお金をかけたい方は注文住宅でもいいと思います。でも、企画住宅という選択肢もあります。フルオーダーではなくセミオーダーの服のように、基本の形に自分らしさを加える方法です。また、大きな空間だけ用意して、暮らしに合わせてDIYなどで変えていく考え方もあります。そして、これから特に注目したいのが中古住宅です。2000年の建築基準法改正以降の住宅は耐震性能も一定水準にあり、これから市場に増えてきます。少し手を入れるだけで十分に住み継げる家も多いでしょう。古民家再生も魅力ですが、思い入れや立地がなければ新築以上に費用がかかることもあります。その点、2000年以降の住宅は現実的な選択肢になり得ます。

そして、これは工務店としての反省も込めて言いますが、新築住宅は仕事としては手離れがいいんです。一方、リフォームやリノベーションは現場で予想外のことも起きますし、お客様との丁寧な打ち合わせも必要になります。でも、これから本当に求められる会社は、新築だけではなく、その人に合った住まいを提案し、中古住宅やリノベーションまで含めて供給できる会社だと思います。大手ハウスメーカーは高価格帯へ進んでいますが、それだけでは多くの人の住まいを支えられません。だからこそ、地域の工務店が役割を果たしていく必要があると感じています。

最後にまとめます。新築、自由設計、注文住宅という価値観が本当に自分に必要なのか、一度問い直してみてください。今は「所有」より「使用」という考え方へ変わりつつあります。家を持つこと自体ではなく、どう豊かに暮らせるかが大切なんです。家を設計するだけでなく、住まいの手に入れ方そのものを設計する時代になってきました。家づくりの自由は少し減るかもしれませんが、住まいの選び方の自由はこれまで以上に広がっています。

これからの工務店の仕事は、家を建てることだけではなく、そのご家族にとって一番幸せな住まいの形を一緒に考え、提案することだと思っています。今日のお話は、自分自身への覚悟でもあり、スタッフへのメッセージでもあります。そして、お客様にももっと広い視点で住まいを考えていただけたらうれしいです。それが大きく変わる時代を前向きに生き、幸せに暮らしていくことにつながるんじゃないかなと思っています。

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