【最小限住宅】最高に使いやすい洗面脱衣室の作り方
今日は私たちのモデルハウスである10坪の家の洗面脱衣をご紹介させていただきたいと思います。10坪の家ということで、すべてのスペースをコンパクトにしていかないといけないんですけど、その中でも一番頭が痛いというか悩ましいのが、この洗面脱衣の設計なんです。まず簡単にレイアウトからお話しすると、今回は造作の洗面にしていて、その横に洗濯機、上には収納を設けています。そのまままっすぐ進むと突き当たりにトイレ、そして僕の背中側がお風呂になります。このレイアウトを考えるのにかなり時間がかかりました。
参考にしたのは、以前ご紹介した9坪の家、スミレアオイハウスのレイアウトです。実際に見に行かせていただいてすごく使いやすかったんですけど、今回少しこだわったのがお風呂の大きさなんです。9坪の家のお風呂は、入っても足が伸ばせないサイズだったんですね。やっぱり家に帰ってきて疲れを取る場所としては、足を伸ばして浴槽に浸かりたいなと思ったので、ここはどうしても譲れませんでした。なので限られたスペースの中でお風呂を優先すると、この幅は必然的に決まってきます。そこで何も考えずに洗面や洗濯機、上に棚を配置してしまうと、どうしても使い勝手が悪くなってしまうので、このバランスにはかなり気を使いました。
ここでひとつポイントになるのが、この空間の明るさです。照明は2つなんですが、奥のパネルに反射して3つあるように見えるんですね。このパネルがすごく重要で、空間を広く見せる効果がありますし、私たちが取り入れているパッシブ設計の観点からも大切なんです。ここは窓に面していないので、壁で閉じてしまうと昼間でも暗くなってしまいます。でもこの部分をパネルにすることで、奥のトイレにある窓から入る柔らかい光をこちらに取り込むことができるんです。こういう工夫は、窓がない部屋や廊下などにも有効で、クリアパネルでも型ガラスでも対応できます。光をうまく回すことで、狭さを感じにくくしているんです。
次に使い勝手の工夫ですが、今回の洗濯機はミーレの電気式洗濯乾燥機を採用しています。衣類を入れて設定すれば乾燥までしてくれるので、とても便利なんですね。よくカンタくんを採用されるケースもありますが、今回は収納スペースを優先するためにビルトイン型にしました。これによって上部や周囲のスペースを有効に使えるようになります。もちろん機種の制限はありますが、それ以上に空間の有効活用というメリットが大きいと考えました。メンテナンス用の水栓や排水も確保していて、水漏れ時にもすぐ対応できるようにしています。このあたりは最初から設計に組み込んでおくことが大事ですね。
収納についてもかなり考えています。タオルや下着、パジャマなど、家族分をしっかり置けるようにしていて、無印良品のボックスを使うことで整理しやすくしています。誰のものかを決めておくことで、自然と片付く仕組みになるんです。カウンターは作業台としても使えるようにしていて、洗濯物をここで畳むこともできますし、洗剤もすぐ手の届く位置に置けるように計画しています。こういう細かい配置が日々の使いやすさに直結します。
洗面台については造作風に見えますが、リクシルの商品をベースにしています。立ち上がりがしっかりしていて水はねしにくく、奥行きもあるので使いやすいんです。幅も自由に調整できるので、コストを抑えつつ造作のような仕上がりにできます。また、お化粧をどこでするかによって収納の考え方も変わりますよね。リビングでされる方もいれば、洗面でされる方もいるので、その使い方に合わせてスペースを確保しています。今回はここでお化粧もする想定なので、シンク横にあえてスペースを設けて、化粧品やティッシュを置けるようにしています。
さらに三面鏡の中には歯ブラシや髭剃りなどの小物を収納できるようにしていて、細かいものもすっきり収まります。下部にはタオル収納とゴミ箱スペースも確保していて、コットンやティッシュを使った後のゴミもすぐ捨てられるようにしています。本当に細かい部分まで考えているんですが、こういう積み重ねが使いやすさにつながるんですよね。
コンパクトな空間だからこそ、こういった工夫をしないとすぐに散らかってしまいますし、逆にしっかり計画すれば広く快適に使うことができます。抜け感をつくることで広く感じさせるのも大事なポイントですし、設計士としっかり打ち合わせをしていくことがとても重要だと思います。私たちもお客様の暮らし方をお聞きしながら、一緒に最適な形を探していきますので、そのご家族に合った洗面脱衣をつくることができるんじゃないかなと思います。


