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建て替えのときに注意してほしいポイント

今日は、建て替えの時に気にしておいていただきたいポイントについて解説をします。

Uターンやご実家を利用した2世帯住宅もありますが、最近、おじいちゃん・おばあちゃんがお孫さんに家を譲って建て替えるというご相談を受けることが続きました。建て替えは、実は工事が始まる着工までが大きなポイントです。着工までの流れを確認していきましょう。

まずは、関わる全ての家族の合意が重要です。おじいちゃん・おばあちゃんが譲ってくれる場合、お子さんが複数いらっしゃれば、その家に思いを持っている方がその分いらっしゃいます。もちろんお子さんの1人である、お父さんあるいはお母さんのお気持ちもあります。

ご夫婦で家づくりされる方が多いと思います。そうなるとお施主さんご自身、そして配偶者である奥様の気持ち、相互間の家族の関係性ということでの合意形成は重要です。特に旦那さんのご実家筋に絡む建て替えだと、奥様は口を挟みにくかったりします。そうした意見を上手に汲めなかったりすると、建て替えはギクシャクしてうまくいかないことがあります。

今日はここを一番強くお話ししたいのですが、家族の足並みを揃えることは重要です。旦那さんがお仕事でお忙しくて、主に奥様が住宅会社探しなどで動かれるケースがあります。シニアのご夫婦は、奥様とお子さんが一緒に動くこともあると思います。そして良い候補が見つかった時、お父さんが業者と全く接点がないのに具体的な話に入るケースがままあるのです。

そういう時はうまくいかない時があります。変な意味ではなく、お父さんが置いてけぼりをされているような雰囲気になるのです。業者の方も、お話を重ねてきたお母さんや子どもさんの方が話しやすいから、お父さんには「どうですか?」と合意だけ求めることになりがちです。

そうした時にちょっとした食い違いがあって、「この話は白紙にする!」と言われて家族が気まずくなることがあります。業者は反省するだけで済みますが、ご家族がそれでギクシャクするのはすごく嫌です。最初の一歩ですが、ここはかなり意識していただきたいです。

2番目が住宅業者探しです。繰り返しになりますが、業者探しは家族間の合意形成ができてからにしましょう。住宅業者が定まると、住宅のプランの検討に入ります。ここで大事なことは4つです。

まずは法規です。前の家が建っていた時代から法律や用途地域が変わっていて、最悪のケースで建築不可の場合もあります。多くの場合は接道の問題です。宅地は必ず道路に2m以上接していないといけないという決まりがあるため、それが不足していると建築不可になることもあります。

また、セットバックと言って、例えば第1種・第2種の低層の住居専用地域は境界線から1m・1.5mぐらい距離を置きなさいという決まりもあります。この辺は素人考えではなく、プロにチェックしてもらいましょう。

次がライフラインです。新しい家の規定になると、水道の引き込みの管の径がもう少し大きいものでないといけない・メーターも大きくしないといけないみたいなことがあったりします。

古い町では、隣の敷地を越境して電線が引き込まれていることがあります。昔、おじいちゃん同士が友だちで「うちの家を通して大丈夫!」と言ったのでしょう。いざ引き直しが必要になった時、近隣の同意が必要となると、所有者の変更によってうまくいかないケースもあります。稀ですが、水道管が隣地を通って入っている時も引き替えが必要です。何百万円も必要になることがあるため、ここも検討要因だと思います。

次が方位の確認です。住んでいると自分の家の方位で「なんとなくこっちが南」とわかると思います。しかし正確にはわかっていなかったというケースがあり、次の家で困ることがあるので注意です。

方位を確認したら、次は駐車場の場所を決めます。駐車場の場所を後で決めるとすごくいびつなプランになってしまうことが多いので、そこも注意です。最後に、どういう面積でやるか・庭はどうするのかというところを決めます。建て替えでは、この辺りを気にしておいていただければいいと思います。

プラン検討の際、これまで慣れ親しんだ間取りに縛られている人をよく見ます。今の常識で考えると「なんでここなの?」という間取りもあったりするのです。意外に若い方でも縛られているし、特にシニアの方からは反対意見が出ることもあります。以前の間取りへの囚われを解消するには、住宅業者さんとタッグを組んで作戦を練りましょう。

ここで一番最初の家族の合意に戻るのですが、特に親の意見は強烈です。親の意見への返答の仕方を間違えると角が立って、家族関係がギクシャクする元になるため、そこも気にしてほしいと思います。

ここまで来るといよいよ4番目は解体業者探しです。そして5番目が仮住まい探しで、6番目が仮住まいへの引っ越しです。引っ越しをしたら解体が始まります。解体したら次が解体した後の地盤調査。何らかの問題があれば、地盤改良とか杭打ち工事をします。そしていよいよ新築の着工になります。これらが、まったくの更地に新築することに比べた時、建て替えに必要なことです。

いよいよ解体となった時、困るのがアスベスト問題です。30年・40年前の家を解体する時にアスベストが入っていると、費用も工期も変わります。2週間で解体できるお家が1ヵ月・1ヵ月半かかったり、200万円の工事が400万円・500万円掛かることも結構あります。こういう懸念は全体の工期・予算に大きく左右するため、気にしておいてください。

5番目の仮住まい探しは、工期の検討にも関わってきます。どれくらい借りればいいのかは工期にもよるし、いつから借りられるかは着工に影響します。また、たくさん家財道具があるなら、トランクルームを探さなければなりません。

もしペットを飼っていたらその間はどうするのか、悩ましいですよね。私もコタロウという愛犬がいますが、もし建て替えをするなら非常に大きいテーマです。多分うちの女房は私より優先すると思います。

最後に忘れがちなのが、工事用の駐車場の確保です。一昔前は「そんなもの適当な所に停めて」と言う人がいましたし、「そんなものはあなたたちが探すんでしょう」と思われるかもしれません。

私たちがやりたくないという話ではなく、工事用の駐車場はお施主さんが手配していただく方がいいと思っています。当たり前ですが自分の家の近くにないと意味がありません。そこに業者が行くと、時に意地悪をされるのです。「お金を払って」「敷金・権利金を払って」と。払えばいいのかもしれませんが、不思議なもので、お施主さんが行くと円満に済むケースが多くあります。

また、業者の立場の勝手な思いかもしれませんが、こういうものを1つ探すのもなかなか大変だと思っていただくだけで、工事もスムーズにいくと思います。建築工事は、お施主様と業者の共同プロジェクトです。お施主様にも汗をかいてもらうところがあると、建ててからの暮らしも変わってくるのかなと思います。

これは考え過ぎかもしれませんが、近隣の方々は共に何十年も暮らしてきたとはいえ、どこかのお家が綺麗にすると聞くと妬ましくなる気持ちはゼロではないと思います。だからこそ、建て替えの時は隣近所に理解してもらって、いい意味で応援してもらえる風土作り・環境づくりも大事です。

例えば業者だけで進めて工事中に迷惑をかけた時、工事の妨害とは言いませんが、条件を付けられたとなると、正直お施主さんもあまりいい気がしないですよね。私たちは建て終われば1つの仕事で終わりですが、そんなしこりがお客様と近隣の方々に残るのは良くないと思います。

6番目の仮住まいへの引っ越しにも関わってきますが、物の処分・整理と併せてご近隣への挨拶・根回しをぜひやっていただきたいです。解体する時に「これから家を壊す」と言うより、「実は少し先に建て替えを考えている」「しばらく家を離れるから知っておいてね」と世間話をしておくと、お互いに準備ができますよね。

気は心で、「棟上げする時はお酒の1本もお祝いに持って行ってあげようか」みたいな準備もしてくれると思います。ちょっとした挨拶によって、近隣の方とも円満に進められるはずです。

その上で解体が始まった時は、残したいものをどうするか考えておいてください。大きい会社さんの解体工事で何もかも解体しているのを見て、悲しくなったことがあります。住んでいる若い人が、おじいちゃん・おばあちゃんが丹精した物の値打ちを知らないケースもゼロではないと思います。

私はお世話焼きなので「なんという良い枝ぶりの木なんですか」と聞いて、おじいちゃんから「この木は孫が生まれた時に植えた」と教えてもらったりしたら、「残しておこうよ」と言います。そんなこともお施主さんの立場で気にしていただくと、より家づくりが良いものになるはずです。

最後に井戸です。古い家には隠し井戸があります。掘り抜き井戸が今は大きな蓋で隠されていることもよくあります。迷信だと思われるかもしれませんが、井戸にはそのお家の敷地を守ってきた神様がいらっしゃると思っています。

井戸はただ埋めてしまうのではなく、お祓いとか息抜きのパイプを入れてあげるとか、各地方でやり方があると思います。ひょっとしたら、忘れていた井戸を復活させたらいいことがあるかもしれません。風水を気にするなら井戸も気にしてください、というのが私の考えです。

最後にもう1回まとめます。まずは家族の合意形成は慎重に。「おじいちゃんから土地を貰えてラッキー!」ではなく、その感謝を受けて何か心を砕いてください。これが1つです。建てていく中で自分もそうですし、取り巻く家族がこれまでの暮らし方に縛られていることもあると思うので、そこはよく作戦を練ってください。これが2つ目です。

一昔前、田舎では近隣に手伝ってもらって建てるのが普通でした。それぐらい周りの注目を集めるのです。周りを味方にする・応援してもらえる家づくりになるよう、ちょっとした配慮をしていただくと、満足度の高い家づくりになると思います。

おじさんの説教がましい話でしたが、そんなことを頭に置いていただけると嬉しいです。ぜひ参考にしてみてください。

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