【パッシブ設計】プロが教える「日射取得」と「日射遮蔽」
今回は私たちの新しいモデルハウスのご案内になりますが、今日は私たちがこだわっているパッシブ設計について、どういうことを取り入れているのかというお話をしたいと思います。
▼ご紹介するモデルハウス
https://www.m-athome.co.jp/modelhouse02/higashiimajyuku/
ここのモデルハウスは北側が道路で、こちらが南なんです。ご存じの方も多くいらっしゃると思いますが、三方を家に囲まれている土地なんですよね。だからなかなか日を入れるのが難しい敷地になります。日を入れるために、ひとつは前からも言いましたが、家を小さく建てることです。小さくすることによって、こういう敷地の空間をつくってあげる。大きくすると敷地いっぱいに建物を利用することになるので、こういう空間ができにくいんです。あえて庭をつくってあげる。これもちゃんと計算して庭の場所を決めています。
あとは建物の配置です。今回のモデルハウスは道路に対して斜めに建てています。それには意味があって、なるべくこの面を南に向けるためです。そのためにあえて少し振っています。振ることによって、こういう空間をつくり出す。空間ができるということは、お隣さんとの距離も離せるということです。両隣も二階建てですが、その隙間を見つけて、そこに窓を設けています。今日は少し曇っているので光が弱いですが、しっかり入っているでしょう。午前中はこの窓から日が入ってきます。冬でも入ってきます。ここに座るとすごくあたたかい。居心地のいい場所になるので、ここにリビングを持ってきました。
ただ、この空間は限られているので、昼を過ぎると太陽は向こう側へ移っていきます。そうすると、今度はこちらの連結窓が役に立ちます。昼からはこちら側から日差しが入ってきます。日差しが入ると、キッチンや玄関、水まわりのほうまで光が届きます。日中は電気をつけなくても大丈夫です。広く暮らす、広く感じてもらう要因として、光はすごく重要です。なるべく太陽の光で家中を明るくしてあげる。日が入るということは、ガラス面があたたまり、熱も吸収できます。床下エアコンの稼働時間も少なくできます。本来は南側に大きな窓をつけて日が入ればいいのですが、周りに囲まれている場所では日の入る場所が限られます。そういうところでは、日が入る位置に窓を向けてあげる。それがパッシブ設計の基本です。
冬は日射取得を考えて配置しますが、夏場も大事です。冬に向けていれば、夏は暑くなります。日射遮蔽も考えないといけません。庇をつける。私たちはアウターシェードといって、外付けのシェードをつけて、夏は日を遮ります。太陽をコントロールするということです。いつも教えてもらっている松尾先生が「太陽に素直な設計をしなさい」と言われますが、それを忠実にするだけで、家は快適になります。
最近は高性能が重要で、小さいほうがいいという流れもあります。性能は大事ですが、数値の競争になっている面もあります。数値を良くしようと思えば、窓を小さくする、なくすことで数値は上がります。性能がいいと言えるかもしれませんが、太陽の光を無視した設計になります。私たちがやりたい設計ではありません。
必要なところには大きな窓を取る。その代わり、場所によっては窓を小さくする。トリプルガラスにする。窓を使い分けることで、UA値も高めながら、窓が小さいだけでは味わえないあたたかさや快適さを得られます。このバランスを大事にしたいと思っています。設計はとても重要です。電気代もこれから上がります。少しでも安いほうがいいですよね。
パッシブ設計かどうかを見分ける方法としては、南面を見てください。大きな窓が三つから四つ付いているかどうか。残りの三面はなるべく小さい窓になっているかどうか。南側と他の面とのバランスを見ることで、意識しているかどうかが分かります。
もうひとつ大事なのは、夏の日射遮蔽をどこまで考えているかです。南の大きな窓に庇があるかどうか。10対3くらいの割合で庇が出ているかどうか。私たちは庇をあまり付けないこともありますが、その代わり外にアウターシェードを付けています。そういうものがきちんと付いているかどうか。そこを見ると、パッシブ設計をしているかどうかの見極めになります。
そういうところを見ながら家を見ると面白いと思います。これから家を建てる方も、勉強してもらえればと思います。


