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無垢材を長く楽しむためのお手入れ方法

今日のテーマは無垢床のお手入れ方法です。
無垢の床を張った方から「お手入れ方法ってどうしたらいいですか?」「やっぱりオイルを塗った方がいいんですか?」と質問をもらう機会がよくあるので解説していきます。

僕のスケッチを見てください。
無垢の床を張った人から、よく「水拭きはしないでくださいって言われました」とか「水拭きはできないですよね?」と聞かれることがあります。
“無垢材を水拭きしてはいけない”というのは、僕からすると少し過剰かなと思っています。

ベチャベチャの雑巾で拭くのはオススメしませんが、固く絞った雑巾でなら、むしろ水拭きした方がいいと考えています。

毎日じゃなくても、1週間でも2週間に1回でもいいと思うので水拭きしていただいたほうがいいです。水拭きしないと床表面の汚れって取れないですからね。掃いたぐらいじゃ全然取れない汚れもあります。

基本は乾拭きがいいですが、水拭きもして全然大丈夫です。繰り返しになりますがベチャベチャに濡らすのだけはしないでくださいね。これを守っていただければ大丈夫です。

水拭きとは違いますが、コップの水を床にバシャッとこぼしたりしたときは、すぐ拭いてください。表面にウレタンの塗膜を付けてるものと無垢材の床は違います。水を吸い込んでしまいますから、すぐに拭いてください。

また、そういう風にこぼした水というのは水シミになりますよね。なので軽く濡らしたスポンジみたいな物で叩き拭きしていただくといいです。スポンジではなく雑巾でも大丈夫です。スポンジあるいは雑巾で水とか汚れを散らしていく、薄めていくようなイメージできれいにしてください。

また、家で人が生活していれば黒ジミのような汚れもできます。人の手とかには脂がありますから、さわったりしたら、その脂が付いて汚れになります。これはお酢を薄めたもので拭くのがいいと言われています。中性洗剤を薄めたやつを固く絞った雑巾で拭くのもいいと思います。あまり洗剤を使いたくない方は、お酢でお手入れしてください。

生活していれば油ジミができることもあります。例えば夜ご飯でハンバーグを食べていたら、子どもが床にソースをこぼしてしまったりとか、そういうことありますよね。
ソースとかの汚れはアルカリ系の石鹸を使わないとキレイに取れないです。

できたら泡を汚れに付けるのがいいです。たとえば泡タイプのハンドソープがありますよね。あれで泡を出して汚れに付けてふやかしてから、トントン叩き拭きしていただくのがいいです。
床表面の汚れは今挙げた方法で対処してください。

キズや凹みの場合は、自力である程度戻すことができます。よく僕は「水まくらをしたらいい」と言ってます。
ただ、この前に現場で若いスタッフに「ここ凹んでるから水まくらしておいて」と言ったら
「水枕って何ですか?」と聞かれてしまいました。

この動画を観られてる人も「水枕って何?」となっているかもしれないので、お伝えしておきますね。
ティッシュとか脱脂綿みたいなものを水に濡らして、凹んだところの上に置いておくことを水枕と言います。(僕が若い頃、先輩とか師匠が使っていたので業界用語かもしれません。)

一晩ぐらい置いておくと

たくさん並べたストローをイメージしていただけますか?無垢の木というのは、ああいう風に繊維がキュッとまとまっています。凹みができた部分は、ギュッと押しつぶされたような状態になっています。ここに水分が入ると元に戻ろうとするんですね。多少のキズ・凹みだったら修復できますので、無垢の木というのは優秀だなと思います。

水まくらで戻らない時とか、修復を急ぎたい時はスチームアイロンを使ってください。といっても、スチームアイロンを直にジュッと押し付けるのは絶対にNGです。それだと床の表面が焼けてしまいます。
固く絞った布を置いて、その上でスチームを掛けてください。

さっきの水枕だと数時間掛けて戻るのが、強力なスチームによって早い時間で戻せる、みたいなイメージです。

これをしていただくと、何かを落として明らかにボコンと凹んだような跡も、見た目がかなりマシになると思います。
ものを落として凹ませてしまったときって悲しいですよね。でも場合によっては「どこに落としたか分からない!」というぐらい上手に直せることもあるので、ぜひ役立てていただければと思います。

オイルを塗るかどうかについても解説します。
最近、無垢床について僕に質問された方は、ヒノキのフローリングだったと思います。ヒノキって白木なので「オイルは塗らない方がいいですよね?」とおっしゃっていました。

「無垢材だからそのままがいい」と言う方もいますが、僕はケースバイケースだと思っています。ちなみに僕はオイルを塗っても良い派です。
無垢材は基本的に植物なので、オイルも植物性のものを塗ればいいと思います。

代表的なオイルを挙げると、オスモ・リボス・グレイボ・ビボス・スバロスといった商品があります。

例えばリボスのクノス白木というタイプであれば、白木に塗れるオイルになっていますから、お手入れで使ってもいいと思います。

僕がオイルを塗っても良い派なのは、やはりオイルは塗っておいた方が過乾燥を防げるし、もし何かをポロッとこぼしても、油の層があると弾いてくれたりするからなんですね。仮に汚れが付いたとしても拭いたら簡単に取れたりすることもあります。なのでオイルを塗るのは、とてもいいことだと思います。

僕は無垢のフロアを採用された方に、よく「最初はオスモを塗ってくださいね」と言います。プロでなくても塗れます。

家が完成して引き渡しを受けたら、家具を入れる前に家族みんなで一緒に、オスモを塗って拭いてということを心を込めてすることはすごくいいイベントだと思います。しかも最初にオイルを塗っておくと、長いこと綺麗な状態が続きます。

オイルを塗る際に、壁際に油が跳ねるということはあると思うので、マスキングテープで予防してから作業したほうがいいです。この作業は少し手間がかかるので、最初からオスモを塗ってる無垢のフロアを張るという手もあります。

ちなみにスバロスはオイルを稀釈したり、オイルを塗るのに使ったハケを洗う溶剤として使われることがあります。なので塗っている途中にオイルが付いて汚れてしまったときには、稀釈して薄め取るのに活躍します。そんな形でオイルも使い分けしていただければと思います。

こういったオイルは、今ネットで、6畳分ぐらいのものが3,000円〜6,000円ぐらいで買えたと思います。ぜひ検索してみてください。

ネットで買うのが一番安いと思いますから、自分たちの家に合うのを買っていただいて、自分たちでやっていただくと楽しいと思います。塗り方については、各メーカーがYouTubeで丁寧な解説動画をアップしています。初めて挑戦する方も全然困らないと思いますので、ぜひ挑戦してみてください。

最後におじさんの昔話を言うと、糠袋も無垢材のお手入れに、すごくいいなと思ってます。
糠袋もこの前、うちの若い子たちに「何ですかそれ?全然知らないです」と言われてちょっと悲しくなってしまいました。

お米を精米すると糠のところが取れますよね。
お米は米油というのがあるぐらいなので、米自体にも若干油があります。どこに油があるかと言ったら胚芽の部分なんです。要は糠になるところにあるので、程良い油がある、ということになります。
コイン精米機がある場所なら、機械のそばに糠を持って帰っていいコーナーみたいなのがあると思います。

この糠を綿の目の詰まった生地でできた袋に入れてもらって、こぼれないように入れ口を閉じたら、それで床を拭いてください。

僕が小学生の頃、木床は糠袋で拭かされました。素足で上がるようなデリケートな箇所は、そうやってお手入れしていましたね。糠袋を使うと結構いい感じになります。しかも糠は食べ物なので、洗剤を使いたくない人とかにも向いています。

塗装剤にもいろんな種類がありますが、糠袋で白木の板を磨くのも素敵です。何とも言えない微妙な照りみたいなのが出ます。(ただ糠袋はきちんと保存しないと腐ることがあるので、保管には気を付けてください。)

糠袋も上質な植物性オイルですので、こういったものも使っていただきながら、無垢床のお手入れを楽しんでいただければと思います。ぜひ参考にしてください。

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