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窓の取り方の極意(内観編)

窓は外観・内観を支配する大きな要素ですが、暮らしやすさ・快適さも大きい要素なんです。そのところを押さえなアカンです。まず1つ目ですが、それは何かと言いますと、窓は何と言っても日当たりのいいところに付けましょうってことです。

パッシブ設計について松尾先生から一番最初に教えていただいた時に、僕が一番聞いたのは、真冬に南にある大きな窓は暖房器具になりますという話だったんです。2mぐらいの高さで1600〜1700mmぐらいの一間ぐらいの窓を晴天の冬の寒い日だったら、それだけで600W以上の熱が取れます。こたつ1個分ぐらいの熱があるから、それがたくさん南面にあったらこたつを何個も置いてるのと同じになる。だから無暖房で暖かい家になるんですよということがあるので、日当たりのいいところにあるというのは超重要なんです。

その反面、この時期に日当たりがいいのはやめてって感じです。もう暑くて暑くて、今日もダラダラ汗をかいてます。そうすると、日当たりのいいところに付けるんですけど、同時に「日射遮蔽」と言って日当たりのいい窓が弱点にならないようにスクリーン・日差しとかそういうものの塩梅をしてバランスを取るということも重要です。これは当たり前すぎる話ですけど、美しさの前に家は住み心地がよくないと残念なことになってしまうので、頭に置いておいて欲しいです。

それから快適な家の大きな要素って言いましたけど、窓は断熱の面でも大きいんです。というのは断熱にとって窓は弱点です。最大の弱点が窓。トリプルガラスとか壁みたいに断熱に強いことはないです。なのでこの弱点である窓は切り方が非常に重要で、南の大きな開口以外は小さな開口にするというような原則と併せて窓自体の性能も一定以上のものにした方がいいです。アルミのサッシ・アルミ樹脂の複合が日本ではまだまだ多いですけど、樹脂・木製とかみたいに窓枠が結露しにくくてガラスもダブル・トリプルで直接熱が入って来ないようにするものを選ぶ必要があると思います。ちょっと長くなりましたけど、これがポイントの1番です。

2番目が、窓は景色のいいところに付けましょうということです。すごく建て込んだお家でもどこかに1ヶ所ぐらいは景色がいいと思えるようなものがあると思うんです。ちょっと緑が見えるとか、公園が先に見えるみたいなところです。景色のいいところに窓を作ると僕の絵で伝わりますかね?例えば自分の庭でもいいです。景色のいい庭が見えたらすごく豊かな気持ちになるし、家の中に入った時にインテリアがすごく凝ってあるよりも素晴らしい窓が1つある。これが本当に気持ちがいいです

僕は窓と言ったら、昔話で恐縮なんですけど、窓って「借景」せなアカンねんなと、景色を借りると書きます。島根県にある足立美術館というすごく大きい美術館に行ったことがあって、足立美術館は日本庭園が有名で、見事なものがあるんですが、向こう側に近くの山々がバックにあって、日本庭園がある。ただ日本庭園があるというのではなくて、後ろの山・空とかをみんな取り込んで1つの景色を作ってるんです。僕が大学生の頃ですけど、初めて「これが借景や」と先生に言われて、こういうのを借景と言うんやと(知って)景色を取り込む・借りるということが人間の感動・美しさに繋がるねんなという経験があって、窓はまさに建物の中で借景できる大きな要素なので、ぜひこれは頭に置いておいてください。そしてですね、日当たり・景色のことを言ってきましたけど、それはつまり、開かずの窓を作らないってことなんです。

なんだか不用意に窓を作ってるお家がとても多いです。特に、言ったら怒られますけど、分譲住宅でバーンと建ってるようなお家は、当たり前のようにバンバン1つの部屋に大きい窓が付いてたり、2つ以上付いてたり、それから南の方には判で押したように大きな掃き出し窓が付いてたりするんですけど、でも窓って家だけで機能するんじゃなくて、隣家・周りのものってあるじゃないですか。そうすると例えば、ガラッと窓を開けたら隣家と目が合う。うちの家なんかもそうでして、しょうがないんですけど、あとから建った家がうちの子どもたちの部屋の目の前に、その家の子どもの部屋があって、お互いに気詰まりしてしまっていつもカーテン閉めてるみたいな、開けたら隣家と目が合うのってよくないですよね。あとから向こうがやって来られたら断れないし、しょうがないんですけど、もう建ってる時は気にした方がいいですよね。

それからもっと極端なのが、周囲から覗かれる問題というやつです。これは絵で書いてますけど、みんな南側道路の家が欲しいんですよ。南側道路の家の前に南に大きい掃き出し窓を付けたら道路を通る人・車からリビングが丸見えで、奥さんが恥ずかしいからずっとレースのカーテン閉めたりとか、下手したら雨戸を閉めたりしてる時もありますよね。こういう周囲から覗かれるような窓も作るべきじゃないです。

さっきも借景の話で言いましたけど、目の前に公園があるとか、ちょっと東側に川が流れてるとか、遠くに綺麗な山があって山桜が見えるとか、そういう開かれたパブリックスペースみたいなのが家の周辺の360度のどこかにあったら、そこに窓が入って開かれて景色が見えるとその窓はピクチャーウインドウ、要は絵のような窓、まさに絵になる窓です。そういう風になるということがあるので、付けたらいいんだけど、そういうところを気にせず付けたら閉めっぱなしの窓になるってことなんです。それから都市部だったら、南側に家が建て込んでいることもあるので、その時にはこの絵みたいに陰で隠れてるところに窓をいくつ付けても1階が全部暗いということになるので、ここも良くない。だから日当たりの良さ・景色もあるけど、開かずの窓を作らないということも中から見た美しさの大きなポイントです。

その上で今度は各論で、窓はですね、南に大きい窓を取ったら北側に窓を取ったらアカンのですか?と聞かれるんですけど、北側にも窓はあったほうがいいです。それは風通しの面もそうだし、窓って弱点ではあるんですけど、空間としての抜けというか内側から外に開いていくという機能もあるんです。そうするとそういうのがあるとそこに目線が止まらずにスッと流れていくような寸止まりみたいなやつです。よく2階のホールに囲んで居室を作ってそのホールに全然窓がないような設計をされていることがありますけど、あれはちょっと辛いです。ああいうのを僕たちは地獄と言うんですけど、地獄を作るなってよく言うんですけど、そういうような感じで窓は多方面に作るという要素も頭に置いておいてください。

そしてもう1つが、これは1つのコツなんですけど、一般的に平面図で書くとこの四角の部屋があったら窓って真ん中の四面を取る方法もできるじゃないですか。でもこれをですね、こう取らずに端に寄せるとどうなるか。どうですか?風車みたいな形になりますけど、こうすると不思議なことにこの部屋の中にはどこにも暗いところができないんです。この四隅があるとなんとなく暗いですよね。こういうようにちょっとこれはパース(立体的)っぽく書いてますけど、建物の普通だったらこんなところに窓ってできるじゃないですか。でもこうじゃなくて寄せるとか天井に寄せる角に寄せる窓は際に寄せていくとカッコよく見える中から見てね。

そして際に載せる人の応用版みたいな話で言うと、隣家が迫って影になるところはNGということに関しては高窓を作ると南面に家ができて暗いなという時もここから取り込むと光はこういう風に取れますからね。結構、建て込んでても明るいというのができるんです。そうすると部屋内に入ったら建て込んでるから真っ暗な家になるわと思ったら意外や意外、めっちゃ明るいということに繋がったりします。なのでですね、中から見て綺麗な窓はそういう風なことを意識していただくとできるんだとぜひ頭に置いておいてください。

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