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衣替えしやすい収納を考える

今日は衣替えしやすい収納について解説していきます。

長い夏も終わって秋に入ってきました。衣替えの季節になってきましたね。先日お客様とのお打ち合わせの中で、「衣替えが楽になる収納ってどんな感じですか?」という質問を受けましたので、これについて解説していきたいと思います。

衣替え問題に関しては、まずどういった分類をしたいかを決めていただく必要があります。よく言われるのが春夏物と秋冬物です。Tシャツやデニムみたいにオールシーズン使うものもあると思います。私はその3つの分類でいいかなと思うんですけど、オシャレな方は春・夏・秋・冬とそれぞれ装いがあるのではないでしょうか。3分類で済む方もいれば、5分類みたいな方もいらっしゃるので、そこはまず考えていただかないといけないところです。

その上で、衣類を収納するための基本的なルールをきちんと決めておいていただいた方がいいと思います。私たちが最近よくオススメしているのが、畳まずにハンガーに全部かけてもらう収納方法です。それをする時は、ハンガーを統一してもらうと綺麗に並んで収納量も増えます。もちろんカッチリしたスーツは型崩れしたら困るから、肩にボリュームがあるやつを用意してください。全部は無理かもしれませんが、そういったルールを決めておくのが大切です。

畳んで収納する時の保管ルールもあります。片付け上手な奥様にお話を聞くと、1つのボックスに畳んだ服を立てて入れるそうです。私は上から重ねて入れていますが、ガサツに下から抜いてしまうため「グチャグチャになっている」といつも妻に怒られたりします。それを避けるために、立てて畳むという入れ方をすると良いようです。このような基本ルールを作るとうまくいくところもあるので、そこも含めた好みの方法をまず決めた方がいいと思います。

その上で衣替えしやすいとは何かということを考えた時に、方針立てが必要だと思いました。方針立てはそんなに難しくなくて、大きく言うと2つあります。1つは衣替えの際に、ユニットの交換をしやすくすること。3分類なら3ユニット、5分類なら5ユニットの入れ替えをいかに簡単にするかという方針です。もう1つは、交換すること自体をしないという選択です。大きくこの2つの方針を比べて、「どちらがお好みですか?」というところです。

交換しやすくすることについては、あまりやり方の種類がないように感じますが、小型のチェストは1つのカギになります。下側に衣類を分類して入れる衣装ケース・引き出しみたいなものがあって、その上にハンガーを掛ける部分があり、さらに上には鞄のあまり使わない小物類を置くようなスペースを作るのが、典型的な作り方かなと思います。こういう仕組みを考えた時、衣装ケースと言われる物の寸法の基準になるものを、どう決めるかがポイントです。例えば引き出しタイプとかボックスタイプがありますが、引き出しタイプが普段使いには一番ラクです。欲しい時にグッと開けたら終わりなので。しかしボックスタイプはパッと開けて見たり探したりという感じになるので、保管期間はやや長めになると思います。

収納用の引き出し(ボックス)については、どういうものを好みとするかは個人差が大きいのではないでしょうか。よく打ち合わせの中で出てくるのは、無印良品さん・ニトリさん・IKEAさん・アイリスオーヤマさん・サンコープラスチックさん・天馬さん・サンカさん、そういったメーカーです。それぞれが工夫して収納家具を出していますが、色調とか柄にも好みがありますよね。また、取っ手付きがいいのか、あるいはコロコロ動かせるキャスター付きがいいのか、みなさんそれぞれにお好みがあると思います。

いわゆる私たちのような設計者とか工務店の人と打ち合わせする場合、自分が交換しやすい1ユニットをどれで作りたいかということを、決めておいていただいた方がいいと思います。例えばベスの家と言って山小屋みたいな感じでがらんとしていて、アウトドアの物を綺麗にディスプレイする暮らし方が好きなご夫婦もいらっしゃるじゃないですか。そういう方だったら、アウトドアメーカーのギアみたいなものがいいのかなと思うのです。そういう物の方が家にも合うし、好みにも合うと思います。そういう物って市販で出ているものではなく、マニアの人だけがわかるものみたいな側面がありますよね。そういった好みも含めて、自分で「こんなのを使いたい」というのを決めてもらうといいです。

使うものを決めたら、その寸法を基準にして立面図を組むことができます。一番簡単なのは、例えば上下で春夏物と秋冬物を入れ替えられるユニットを組むことです。いつも使うものは、どこか1ヵ所に固めたらいいと思います。ゴールデンゾーンと言いますが、最も出し入れがしやすかったり見やすかったりする高さは、身長や年齢でも変わりますよね。小さなお子さんだったら下にあった方がいいと思いますが、成人だったら一番下よりちょっと上の方がラクです。このゴールデンゾーンに今シーズンのものを入れて、衣替えの時期になったら下のユニットと入れ替える。基本的にこういうシステムが、衣替えがしやすい収納かなと思います。

冒頭に、そもそも衣替えしない方針もあるとお話ししました。何かと言うと、8畳ぐらいの大きさのクローゼットを作るのです。壁中にずらっとハンガーを掛けて、真ん中にセンターチェストを置いたりして、1ヵ所に収納をまとめる方法になります。アメリカとかでよく見るファミリークローゼットみたいなものです。こういう所にグッと集めれば、全部そこにあるのでどんな季節でも関係ありません。衣替えとか入れ替えはしないという風にやってもらうのもすごくいいと思いますので、頭に置いていただけたらと思います。

今日は暮らしの知恵みたいな感じの話でした。衣替えしやすい収納を作る時には、自分が交換しやすいユニットを最小単位で作り、ある程度の好みの傾向を出しておきましょう。それを元に、設計者に収納の区分を依頼するという手順でやってもらえたら、うまくいくと思います。ぜひ参考にしてみてください。

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