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家づくりで起こりがちな失敗(パートナー選び編)

今日は家づくりで起こりがちな失敗をテーマに、家づくりのパートナー選びについて解説していきたいと思います。

以前、家づくりを始める方に向けて資金面で1つポイントを解説しました。

▼家づくりで起こりがちな失敗(住宅ローン選び編)
https://www.m-athome.co.jp/movie/ie_shippai_loan

資金についてクリアになってくると、今度は「どこで家を建ててもらおうかな?」というパートナーを誰にするかという問題がやって来ると思います。このときに知っておいていただいた方がいいなと思うことを解説していきます。

僕のスケッチを見てください。
「どんな家を建てよう?」となったら、まず好みの確認をする必要があります。例えば純和風とか、和風でもモダンタイプなのか、デザイナーズ住宅か、高性能住宅、自然素材を使った家とか、ローコスト住宅もジャンルになります。それから北欧系(ヨーロッパ風)とかシンプルモダンなどがあります。引っかかりのあるキーワードの中で、より詳しく掘り下げていくことも重要です。

家づくりの基本的な状況の確認も必要です。例えば建て替えと言って、古いお家があって、それを壊して建て替えるケースもあれば、住むところがないので土地から探すケースもあります。そういうことによっても、パートナーの選び方は変わってきます。

見た目や性能は好みによって変わりますが、家を支える工法によってもパートナー選びは変わります。モリシタで手掛けているのは在来木造ですが、同じ木造でもツーバイフォーとかツーバイシックス、鉄骨だったら重量鉄骨・軽量鉄骨なのかなどがあります。
市街地で込み入ったところ、建て込んでるところだと防火性能が高い家じゃないといけないとか、鉄筋コンクリートがいいとか、RCの鉄筋コンクリートの上に木造住宅を建てるという複合構造するようなパターンもあります。

今の話を聞いて「構造は何でもいいんだけど好みだけは実現したいな」ということを思いながら選ぶと、大体4つぐらいのパートナーの形態があります。

順番に説明していきますと1番目が大手ハウスメーカーさんです。2番目が地元でたくさんの棟数を手がけているパワービルダーさん。3番目が僕たちのような町家の工務店、4番目が設計事務所さんと我々のような工務店が連携するような形です。こういう4種類が多いんじゃないかなと思います。分譲住宅、いわゆる建て売りというのはパワービルダーさんの枠組みと考えていただくのがいいです。

大手ハウスメーカーさん・パワービルダーさんの入口は住宅総合展示場(モデルハウス)になります。パワービルダーさんの場合は大きな分譲地を何区画も持っていて、そこに建てているモデルハウスが入口になるかもしれません。
僕たち工務店とか設計事務所さんは、実際に建てさせていただいたお客様のお家を借りた見学会や、どこかの小さな区画を買って何年かだけ展示して、何年後かにはお安く譲るみたいな「移動展示場」「移動モデルハウス」と言われてるところがきっかけになることが多いです。
僕の師匠の松尾先生みたいに有名な力のある建築家の先生だとWebサイトとかSNSの評判から来ることもあると思います。
こんな流れで入口もそれぞれで違うということがわかると思います。

これはよく言われていることですが、大手ハウスメーカーさん・パワービルダーさんは大量に仕入れるので材料のコストは安いです。知らない方もいらっしゃると思うのでおさらいしておきます。

ちなみに、大手ハウスメーカーさん・パワービルダーさんは施工がシステム化されたりしてるので、施工費も他2つと比べて若干抑えられています。大手ハウスメーカーさんだとバックヤードにはそれを作る工場もあります。設計工事・営業経費という形になってます。

工務店とか設計事務所だと材料に関しては、そんなに多くの棟数を手がけるわけではないので、一定の仕入れになります。ただ単に高いというよりかは、大手さんが使わない特殊な建材とか銘木を仕入れたりするという理由もあって、材料費が上がることもあります。また、そういう材料を使う職人さんは手間賃が高かったり、こだわりが強い人が多いので施工費も少し高くなります。一方、その上に設計・施工というのが乗ってくるんですが、設計事務所さんの場合は、設計と工事管理に分離されます。

そうするとポイントは「営業経費」ということをよく言われます。
いろんなサイトに説明があると思うんですが、大手は大きい展示場をたくさん持っていたり、駅前の一等地に支店があったり、たくさんの従業員を抱えてたりするので、営業費はやっぱり必要になりますよね。必要だからこそ社会的信用とかがあるという面もあります。
パワービルダーさんも結構たくさんの営業マンを抱えているし、広告もたくさんかける傾向にあるので経費は掛かります。

工務店だと営業経費は最低限というところが多いと思います。僕自身も営業兼社長みたいな感じです。
設計事務所さんも営業経費を使うことはあると思いますが、広告より口コミで紹介とかの方が多いと思うので、スケッチに書いたような形になると思います。

これでよく言われるのは「こういう経費が乗ってるから大手は高くて、他は安い」という内容です。パワービルダーさんは大手ハウスメーカーさんと比較すると安いと思いますが、お客様の要求によって金額は変わります。例えば込み入った設計をして付加価値の高いものを依頼するとか、良い材料も使えば大手ハウスメーカーさんと変わらない、もしくは大手さんより高くなることもありえます。一方で必要なものだけに絞ればグッと安くなるということもあります。なので「こういう構造だから優劣がある」という風には思わないで欲しいです。これはあくまで特徴なので、「どっちが正しい・間違っている」という話ではありません。
それぞれに特徴があって、どれが自分にフィットするかを判断するための基準にしてください。

例えば大手ハウスメーカーさんは、社会的信用があるブランドというのが長所になります。アフターメンテナンスも手厚いということをよく聞きます。
パワービルダーさんならコスパがいい。スピードも速いです。土地の開発をしてすぐに売り切って、上物をバンバン建てていくみたいな感じです。家が欲しくなったらすぐに「住みたい」と思ってスピードが速い会社さんを望む人もいらっしゃいますよね。「子どもの入学式が○年○月」と決まっていたら、それに合わせて速く建てられる、住めるところに頼んだ方がいいですよね。そこが価値になると思いますので。土地絡みに関しても強い印象があります。そういうことを言うとややパワービルダーさんにやや軍配が上がります。

工務店に関しては小さい会社なので、社長さんの顔がすぐ見えますよね。「この人が社長なんだ」とか「最終的にはこの人に相談したらいい」「この人に文句を言ったらいいんだな」みたいなことがあります。地元でしかやってないところもありますよね。社長のこだわりで、好き嫌いが分かれることもありますが、家に型があるということもあります。設計事務所さんだと、なんと言っても提案力とか自由度、これが高いのが長所になります。付加価値の多い建物を望むとか、自由自在でこだわりの実現を優先されるなら、ここが一番いいんじゃないかなと思います。

こういうところを頭に置いていただいてパートナー選びをしてください、というところなんですが、僕の話を聞いて「そうかそうか。ということは、僕はこっちかな?」とか、あるいは「これとこれのどっちかかな?」みたいな感じになることもあれば「やっぱりわからへん。決められへん」となる方もいらっしゃるはずです。そういったとき選択肢に1つ挙がるのが「○○カウンター」のような住宅の相談所みたいなところです。今は超大手からFP(ファイナンシャルプランナー)の人がやってるようなところもあれば、不動産屋さんがやっているところなど、いろいろなカウンターさんがありますよね。

そういうところに行って、うまくいった、満足したという方もいらっしゃるとは思いますけど、僕の経験でいくと少し注意が必要だと考えています。

僕も長年家づくりの仕事をしているので、○○カウンターさん系のところは何社か取り引きさせていただいたことがあります。今も完全にゼロではないですが、すごく少なくなりました。というのは、カウンターさんからお客様を紹介してもらう時に、気になることがあったからなんですね。

カウンターさんからお客様を紹介していただくことを、ビジネス用語で送客と言います。カウンターさんからお客様を送るから、こういった言い方をします。

こういった流れでいらしたお客様と実際に話していくと「この人はうちの会社の家づくりには向いてないじゃないかな?」というケースが続いたんですね。

選択肢がたくさんあって、あなたにはこれが一番いいですよって教えてくれるところが、○○カウンターだと思いますが、僕らからすると、うちにピッタリみたいな人だと思っていたのに、うちの会社が大事にしていることをあまり理解してくれてないなと思うことがありました。「初めて聞く話なんですか!?」ということも続きました。

なぜそんなことが起きるのかと言うと、2つの理由が考えられます。
1つ目は、カウンターの立場からすると、登録してくれた会社さんにはお客様を紹介するのが根本にあるからです。

極端な話、地元に何十社とか会社がある中で、そのまま何十社も紹介したらカウンターがある意味がないですよね。例えば2〜3社に絞って「この会社さんとかがあなたにピッタリですよ」って言えないと相談に行く意味がないです。でも実際は何十社も登録してるわけじゃなくて、地元にある会社さんのうち、気が向いた何社かが登録をしています。登録してる筆頭は大手ハウスメーカーさんとかパワービルダーさんみたいに営業経費がたくさんある会社です。そういうところはカウンターもお客様とつながる入口の1つになっています。お客さんはいくらでも来てくれたらいいから登録しているんですね。
なので、まずは大手ハウスメーカーさんとかパワービルダーさんに送る傾向があります。

一方で住宅会社さんの立場からすると、こう思いますよね。せっかくカウンターさんに登録したのに、集客がうまくいかなければ「最近は全然紹介がないね」と思ってしまいます。
そうするとカウンターさんは文句を言われてしまうので、そうならないように何でも送ろうとします。結果、全然マッチしてないお客様が来てしまうということになります。
例えば、希望の価格帯が全然違うとか、求めるテイストが全く違うなんて人が来る可能性が高くなるわけです。

どことは言いませんが、あるカウンターさんが送ってきた方が、あまりにうちの会社とミスマッチだったので「ひょっとして僕らがこういう会社だって言ってることが届いてないんじゃない?」と思ったことがありました。
お客さんにも、カウンターの人にも無駄なことをさせてるんじゃないかなと思ってしまったんですね。実際に来ていただいて、うちのモデルハウスを見学していただいてお話しした時も「そうだったんですか!勉強になりました!」とおっしゃられるケースが多かったです。
なので僕は「一体何の相談に乗っているんだろう?」という気持ちになってしまいました。

この話は、カウンター商売が出た初期でした。今はいろんな会社がありますので、余計に人材が薄まってる可能性があります。働いている人全員が、家づくりに迷ってる人を的確にエスコートできるだけの力とか、登録されている会社のことを理解してる知識があるのかな、という印象を持っています。

カウンターに行かれる方は、家づくりに迷って困ったから行かれるはずです。でも行ったからといって迷いが解決されるかと言うと、構造的に難しい部分があるのかなと思います。(もちろん、すごく仕事ができる担当者もいると思うので、そういった方に巡り会えて良かったという人もいらっしゃるとは思います。)

最後に、家づくりのパートナー選びのポイントのまとめになります。
例えば大手さん・パワービルダーさんと会いたいのであれば、総合住宅展示場に行かれるのがいいです。僕たちみたいな工務店さんだったら、Webから見学申込みしていただいてもいいですし、見学会に来ていただくのもいいです。
設計事務所さんであれば、ダイレクトにWebとかSNSのメッセンジャーとかを駆使してコンタクトを取る、という感じで進めていただければと思います。

知人から「素晴らしい担当者がいる」と聞いた、あるいは家づくりに成功したという友だちから紹介を受けた時は、そのまま次のステップに進んでいただくのがいいと思います。
そうでない場合は、手間かもしれませんが、自分たちの価値観とか求める付加価値が何かと整理した上で、それぞれに直接アプローチされた方が、僕はいいと考えています。
ぜひ参考にしてみてください。

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