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大量の本・DVDの収納を考えてみました

今日のテーマは、本やDVDの収納についてです。私も本や漫画をたくさん持っているので、収める場所に苦労しています。こういうものって、家族共用のスペースに置くと煙たがられますよね。それに自分が読みたい本とかは、やっぱり自分のプライベートルームにあるほうがいいです。そういう点も含めて、まずは僕のスケッチを見ていただけたらと思います。

本を置くとき、一番省スペースなのは間仕切り壁を活用することです。壁や柱は105角とか120角と言って、10cm〜12cmの奥行きがあります。ここの空間はがらんどうになっていることが多いです。一方、外周に関しては配線や断熱材が入っているので、ここを利用するのはなかなか難しいんです。間仕切りの壁はスペースの捻出がしやすいので、使えるのなら上手く活用したい空間になります。

一番最初に思いつくのは階段まわりです。階段というのは結構、間仕切り壁で囲まれています。外壁側とくっついた階段は話が変わりますが、家の真ん中にある階段は間仕切り壁で囲まれています。ということは、使える空間が多いと言うことです。ただ、耐力壁などの問題もあるので、ケースバイケースにはなります。また、手すりは構造とあまり関係ないものなので、活用できると思います。

スケッチを見てください。こんな感じで、柱は最小寸法が105角ぐらいになります。この105角の空間を一部利用しようとすると、手すりの笠木みたいなものが約20cm程あれば一定の本やDVDはきれいに収まります。例えば2階の腰壁の手すり。L型とかI型が多いです。あの空間は一部を本棚用のスペースに利用できます。ここは共用スペースになるので、家族のそれぞれの本を入れることができます。ここに本棚を作ると、本がしまいっぱなしにならないのがメリットになります。階段を登り降りするときに、本が目に入るから「あ、読みたかった本だ」とか「久しぶりに読もう」となるのでおすすめです。

ちなみに僕が一番の憧れる使い方もご紹介したいと思います。とある大学の先生が提案されていた計画で階段を上手に使うプランです。階段の壁面をある程度の高さの本棚に活用します。安藤忠雄先生のオフィスは、ものすごい階高で上の方まで本があって、かなりインパクトがあります。ああいう感じで階段まわりに、20cmぐらいの奥行きを作って、本用の収納スペースに活用するものです。これが実現すると、階段というものに、新しい価値がプラスされるので、すごく面白い空間になります。

また、みなさんが意外に思われる空間でいくと、他にもおすすめの場所がいくつかあります。1つ目がダイニング周辺になります。過去に担当したお客さんで、ダイニングに掘りごたつみたいなものを作って、居酒屋気分でのんびりしたい、というリクエストをいただきました。その際に、ちょっと行儀悪いけど、横になったり、本も読めたら、という希望もいただきました。そのときにご提案したのが、ダイニングのベンチを活用するプランです。ベンチの下にある空間を本の収納スペースにしました。

これ、実は絵本を収納するのにおすすめです。絵本は意外と重量があるので、なるべく床と近いところに置くのがいいです。百科事典のような分厚くて重たい本もいいですね。今はネットの時代なので、百科事典があるお家は少ないかもしれません。でも記念に置いておきたい本とかを持っていらっしゃる方は意外と多いので、そういった方にもおすすめです。

僕は大好きな作家さんに安部公房先生がいて、ふと、読みたいなと思うときがあります。なかなか難しい本なので、どこにでも置いておくものでもないですが、こうしたベンチ下とかにあると、読みたいなと思った時、すぐに読めたりするので、いいプランだなと思っています。

2つ目がリビング収納です。さっきダイニングを挙げましたが、リビングもいいです。これは特に小さなお子様がいるご家族におすすめです。というのも、お子さんが小さいときって、お家には必ずおもちゃがありますよね。1つ箱を作って、下側はおもちゃ箱に、上側は絵本を入れるというアイデアがあります。

この時、絵本は子どもの手の届く高さに収めます。おもちゃや絵本はゴチャゴチャになりやすいので、僕らは、よく片引きの建具を収納の扉に利用します。そうすると扉を閉めたら、中が見えなくなりますから、家にお客さんが遊びに来たときも便利です。この建具はL型の木の受けやスチールのバーを付けるとマガジンラックに変身します。雑誌はちょこちょこ読むのが好きな方もいますよね。でも、雑誌は一度本棚に入れてしまうと、背表紙が狭いので、他の本に紛れてしまったりして、しばらくそのままになることが多いです。なので雑誌はマガジンラックに入れるのをおすすめします。

ここまで収納スペースを作る場所について話してきましたが、次は本棚の基本寸法を知っていただきたいと思います。家の作り手からすると、本はとにかく重いです。一冊自体は軽くても、どんどん増えていきますので。なので本棚はできるだけ縦を小さく刻んでいくことをおすすめします。ホームセンターで売ってるような本箱に90cmくらいのものがありますが、ああいうのは本が増えてくると板が曲がることがあります。しまうのが雑誌でも、かなりの重さになって曲がることがあります。一方で45cmぐらいのものなら、本を隙間なく入れても、板が曲がることは少ないかなと思います。基本は45cmで、広めがよければ60cm〜80cmくらいがいいと思います。部屋の割り付けの関係もあるので90cmでもいいかな。

ここで気をつけてほしいことがあります。本をいっぱい置きたいということで、天井高までいっぱいの本棚を希望されることがあります。数値で表すと2200mmとか2400mmですね。でもあまりに高く作ると、上の段にあるものは脚立が必要になります。なので僕は1800mmくらいに抑えることをおすすめします。取りにくいのもそうですが、地震があった時に本が上から落ちてきて危険、という問題もあるので注意していただきたいです。(本棚をしっかり固定することで、ある程度危険を回避することもできます。)

もう1つ気をつけていただきたいのが、固定棚です。本棚というのは、本を入れると圧力が掛かって広がろうとします。それを防ぐために、本棚のちょうど中間のところに固定棚があるといいです。下手したらバラバラになる時あるんでね。あとは自在にファスナーでもいいし、ダボでもいいと思いますけど。自分の好みで棚を仕切っていただいたらいいと思います。

よく買われる本の種類によっても、本棚のおすすめの大きさは変わってきます。文庫本なのか新書なのか、最近はA4ファイルくらいの大きさのものとか、タブロイド判のとか、本のサイズもいろいろありますよね。それぞれに適正な高さがあります。僕の好みになりますが文庫本なら21cm、新書なら23cm、A4版は最低でも32cmぐらいの高さがあると出し入れしやすいと思います。奥行きは、文庫なら18cm 新書なら20cmA4版だったら24cmですね。

コンパクトな本棚にしたい方でおすすめなのは20cmです。これだとA4版ははみ出てイヤという意見もありますが、僕は個人的にはみ出てもいいんじゃないかなと思っているので、なるべく場所を取りたくない方は、こちらをおすすめします。

話が戻りますが、さっきの40cm 60cm 80cmの幅でいうと移動式の棚板の厚みは(本棚が)広くなれば(棚板は)厚いのにしてくださいね。棚板を厚くすると棚は曲がりにくくなりますが、縦のスペースが厚い分だけ取られて、本の収納スペースが小さくなるという問題があります。なので目安として大体40cm〜45cmだったら、棚板の厚みは1cm。60cmだったら2.5cmくらいあるといいかなと個人的には思います。80cmくらいあったら3cmくらいあったほうがいいと思いますねそんな感じの寸法感を持っといてください。

いろいろなパターンを紹介しましたが、「それでも収まらへんのや」という人には「引き出し本棚」というアイデアもあるよ、ということをお伝えします。「引き出し本棚」は僕が勝手に命名したものなので、正式名称ではないのですが。

45〜60cmくらいの割と幅のない本棚を横じゃなくて縦使いで並べます。できればこの下にキャスターを、表側には取っ手を付けて、ガラっと引き出せるようにします。上から下まで全部見えますし、閉まったらキレイに片付きます。

そういう形でいくと、本棚も結局は間口勝負になります。この引き出し本棚なら間口が確保できるし、60cmが一番いいかなと思うんですけど45cmはこのぐらいの寸法ですから。これでも結構取っていきますのでね。これを思っていただいたら、かなりの量の本を置きたい問題は解決するんじゃないかなと思います。

ちなみに引き出し本棚は、なるべく1階に作るようにしてください。2階にこれだけの本棚を置くと、かなりの重みになります。本棚というのは、作った当初は中がガラガラでも、暮らしていくうちに、どんどん埋まっていきます。特に本が好きな人は、どんどん増えていきます。気が付いたら何百kgみたいなことがあり得るので、ピアノ補強のように、本棚用の補強が必要になります。本棚を支える床や梁に関して、工務店の担当者の方にきちんと相談をしてください。積載荷重を含めた構造計算なども必要になりますので、頭に入れていただけたらと思います。

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