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床下エアコン+吹き抜け無しパターンの解説

今回は吹き抜けのない家での床下エアコンのポイントについて解説します。

冬はやはり寒いですね。寒い時期になると、暖かい家や効率的な暖房方法について議論されることが増えてきます。その中でも、最近私たちが得意としている「床下エアコン」が注目されており、実際に採用を検討される方が増えています。私のYouTube動画のコメントにも、「床下エアコンを導入したいが、これまで経験のない会社にお願いする予定です。床下エアコンのポイントや注意点を教えてください」といったご相談をいただきます。その中には、「吹き抜けのない家でも床下エアコンは問題なく機能しますか?」という質問もあります。しかし、このようなご質問だけでは具体的なアドバイスが難しいです。確かに、これまで吹き抜けのない家での床下エアコンのポイントについて詳しく解説したことはありませんでした。そこで、今回はこのテーマに焦点を当てて解説したいと思います。

まず、床下エアコンの基本的な考え方について説明します。私たちは通常、吹き抜けをうまく活用することをおすすめしています。具体的には、ベタ基礎で作られた床下空間を利用して、この空間にエアコンの暖気を取り込み、1階の床全体に拡散させます。この方法では、暖かい空気が自然に上昇する特性を活かし、ファンを使わなくても家全体を暖めることが可能です。この仕組みを使った全館暖房法が、床下エアコンの基本形となります。通常、1階はこの方法で十分暖かくなります。そして、1階の暖かい空気は、リビング階段や吹き抜けを通じて2階にも自然に上昇します。このように、床下エアコンと吹き抜けを組み合わせることで効率的な全館暖房が実現します。

しかし、吹き抜けを設けるには床面積が必要であり、敷地が限られている場合や設計上の制約から吹き抜けを作らない選択をされる方もいらっしゃいます。また、都市部などでは1階に十分な採光が得られず、2階にリビングを設ける「2階リビング」のパターンも増えています。このような場合、吹き抜けがない家での床下エアコンの活用方法について検討する必要があります。

吹き抜けがない場合、私たちは「カウンターアローファン」という特殊なファンを活用する方法を提案しています。このファンは直径20cm程度の筒状で、大量の空気を効率的に送ることができます。このファンを床下エアコンの吹き出し口付近に設置し、2階リビング空間に暖気を一気に送り込む方法です。この仕組みを使えば、1階で暖めた空気を2階に効率的に供給することができます。以前、吹き抜けなしで1階の暖気を自然に2階に引き上げようと試みたことがありますが、十分な暖房効果が得られなかった経験があります。その際には2階用のエアコンを補助的に使用しましたが、直接的に床下から暖気を送らないと、やはり2階の暖房は不十分になることが多いと感じました。

特に2階リビングの場合、南側に大きな窓を設けて日射取得を行うことで、日中は太陽の熱で十分暖かくなることもあります。しかし、夜明け前の寒い時間帯には暖房が欠かせません。こうした場合、床下から暖気をダイレクトに送り込む方法が効果的です。また、小屋裏エアコンを併用する場合もありますが、吹き抜けがないと1階への空気循環が難しくなります。そのため、ファンを使って1階のそれぞれの部屋にある程度の風を送り込まないとうまく冷えない問題が出てくると思います。冷房も含めた全館空調として考えることで、真の全館空調が実現します。そのため、このような考え方で取り組むことが重要です。

もう一つの方法として、カウンターアローファンを2つ使用し、さらにチャンバーボックスを組み合わせるというパターンがあります。この方法では、上下2つのカウンターアローファンを設置し、その間に「チャンバーボックス」と呼ばれる空調送風箱のようなものを配置します。この仕組みについて説明します。例えば、1階にLDKがあり、2階には個室群がある場合、このチャンバーボックスを介して、2階の床と1階の天井の間にある「垣間」と呼ばれる空間を活用します。この垣間に暖気を溜めることで、暖気の特性である自然な上昇を利用できます。暖気は軽いため、瞬時に上昇する特性があり、ファンを強く回さなくても、そこに拡散させておけば徐々に家全体を暖めることが可能です。

一方、夏場に吹き抜けがない場合、小屋裏エアコンで冷やした空気が1階までうまく降りてこないことがあります。特にLDKの空間が大きい場合、このような問題が起こりがちです。その際には、上部に設置したカウンターアローファンを利用して、冷気をチャンバーボックスに送り込みます。このチャンバーボックスは天井より少し低い位置に設置されており、その横からLDKや他の空間に空気を分散させることで、冷気を均一に行き渡らせることができます。

もちろん、具体的な設置にあたっては、間取りや制約、階段や梁の高さといった要素を考慮する必要がありますが、概念的にはこのような仕組みが有効です。この方法では、2つのカウンターアローファンを使用することで、暖気を上に送ると同時に、冷気を下に送るといった効率的な空調が実現します。これらはあくまで一つのアイデアですが、この考え方を取り入れることで、設計や工夫の幅が広がると思います。また、床下エアコンを使用する際には、床下の環境をどのように整えるかが非常に重要です。この部分については、また別の機会に詳しく解説したいと思います。ぜひ参考にしてください。

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