小屋裏エアコンは後付けできるのか?
小屋裏エアコンの後付けは条件次第です。屋根断熱、小屋裏の作業空間、1階へ冷気を送る経路、日射遮蔽が判断のポイントです。全館冷房が目的なら、2階ホールや収納上部を利用する方法も含めて検討しましょう。
この動画の要点
- 小屋裏空間を冷房に使うには、屋根断熱と、窓から入る日差しを遮る工夫が前提です。
- 機器やダクトを設置・手入れできる空間と、冷気を各室や1階へ届ける経路を確認します。
- 全館冷房の方法は小屋裏だけではありません。2階ホールや収納上部を使う選択肢もあります。
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後付けを考えるときの4つの確認点
| 確認するところ | 動画で挙げている条件 |
|---|---|
| 屋根断熱 | 天井断熱ではなく屋根断熱であることが前提です。屋根からの熱に備え、断熱をしっかり確保する必要があります。 |
| 小屋裏の空間 | 機器・ダクトを設置するスペースと、作業や掃除・メンテナンスを行える場所を確認します。床があると作業しやすく、梁の追加が必要な場合もあります。 |
| 1階への冷気の経路 | 1階も冷やすには、吹き抜けや、冷気を下ろす垂直ダクトを取り付けられるスペースが必要です。 |
| 日射遮蔽 | 南だけでなく一部の東西の窓も含め、庇・シェード・葦簀・簾などで夏の日差しを遮れることが前提です。 |
動画の詳しい内容
後付けできるかは、家の条件次第
今回は、小屋裏エアコンは後付けできるのか?というテーマで解説します。今年の夏も暑いですね。そういう暑い夏の中で、私たちは小屋裏エアコンという方法を扱っています。「小屋裏エアコンはなかなかいいですね」「涼しくて、やってよかった」などと思っていただけるお話も聞く中で「小屋裏エアコンをやっておけばよかった」「これってうちの家じゃ無理なんですか?」「後付けできないんですか」などと詰められる時もあります。できるかできないかでいうと、「条件次第です」という答えになります。ではその条件とは何かというのを、お話したいと思います。小屋裏エアコンは難しい部分もあって、私たちも苦労しながらやっています。特に、今はものすごく暑くなっていて、何年か前にやらせていただいたお客さんの家で、建てた当時は良かったけど、想定以上に気温が高くなって効きにくくなったということもあります。でも一方で、シンプルに考えればできる要素もある、というのが今日の答えです。そのために、まずは小屋裏エアコンが成立する前提を確認しておきます。
前提1:屋根断熱をしっかり確保する
小屋裏エアコンの前提は、何と言っても屋根断熱であることです。屋根断熱でないと、小屋裏エアコンは機能しません。小屋裏・天井裏というものは、天井断熱でも屋根断熱でもあるのですが、その小屋裏空間を利用して空調していくものなので、屋根断熱である必要があるのです。さらに、昨今これだけ暑いと、屋根の表面温度は60〜70℃になることもザラにありますから、屋根断熱もしっかりする必要があります。16Kグラスウールやセルロースファイバーの換算で、最低でも200mmは必要です。これはいわゆる熱伝導率で0.04ぐらいです。フェノール系のネオマフォームだったら10cmでもいいかもしれませんが、私はもう少し厚くてもいいんじゃないかと思います。
前提2:設置と手入れができる小屋裏空間
2つ目が、一定の小屋裏スペース空間があることです。例えば、勾配がめちゃくちゃ緩くてスペースがなかったら、機械も入られないしダクトも敷設できません。さらに、エアコンを後から設置する際には潜って作業することになりますから、ある程度人が乗れる床がないといけません。絶対にできないという訳ではないですが、職人さんはできても、その後の掃除やメンテナンスはお客さん自身でやらなくてはいけませんから、床はあった方がいいです。場合によっては、一部梁の追加などが必要になることもあります。さらに言うと、エアコンをつけた小屋裏の床の真下に個室群(子ども部屋や寝室)があると、ダクトを最低限にできます。場合によっては、エアパスファンを使えばダクトなしにもできます。そういうことがうまくできると、小屋裏エアコンは非常にやりやすいと思います。
前提3:1階へ冷気を届ける経路
3つ目に、吹き抜けやカウンターローファンをつけるスペースがあることです。小屋裏エアコンで簡単に冷房ができるのは、主に2階の小屋裏で、エアコンの直下の部屋です。でも実際は、リビングは1階にあることもありますから、1階に冷気を下ろしたいですよね。そのために、吹き抜けか、またはカウンターローファンという大量に冷気を送れる垂直ダクトを取り付けられるスペースが必要です。
前提4:窓からの日差しを遮る
そして4つ目に、忘れがちなことですけど、日射遮蔽ができていることです。南はもちろん、一部東西の窓も含めて、夏の強い日差しを遮断できないと、十分に冷えません。例えば建物の南に十分庇が出ているとか、シェード・葦簀・簾などで日よけができることが前提になります。
全館冷房の選択肢:2階ホールを利用する
これらのようなことをやれば、場合によっては小屋裏エアコンがやれる、というのが、回答になると思います。ただ私が思うのは、そういうことを思われる方は、小屋裏エアコンが欲しいのではなくて、1〜2台で運用できる全館冷房がしたいんだということです。その手段としては、小屋裏にこだわらなくてもいいことも頭に置いておいてください。例えば、私の友人で岡山の小林工業の社長さんが得意にされていることでは、2階のホールを利用する方法があります。階段を上がって踊り場みたいなホールがありますが、そこにエアコンを設置して、そのホール空間を十分冷やして、そこから各居室に冷気を送る方法です。あるいは、例えばリビング階段などが一番やりやすいんですけど、階段の形を使って、そこから冷気が行くようにすることもできます。ちなみに、今回当社もほぼ平屋というモデルハウスをやっています。これは小屋裏エアコンならぬ、2階のホールエアコンで全館冷房を実現しています。興味がある方は、どんなことなのかをぜひ見に来てください。
全館冷房の選択肢:収納の上部を利用する
もう1つは、収納の上部を利用する方法です。例えば2階建てのお家では、ウォークインクローゼットや納戸がある家が多いと思います。そのようなお家なら、ダイキンさんが出しているアメニティエアコンというタイプのダクティングエアコンがいいと思います。ルームエアコンほど世の中に多数出回っているわけではないですが、非常に実績のあるエアコンです。これをウォークインクローゼットの上部に取り付け、ダクティングで冷気を送ります。大体クローゼットは寝室や廊下に面しているから、そういう点もうまく使って冷房できます。
家の特性を見て、経験のある人に相談する
後付けリフォームで・後施工で全館空調をやりたい方は、こんな感じで小屋裏エアコンを後付けしたり、2階ホール利用・収納上部利用もあるということを踏まえておいてください。その上でお家の現形の特性を見ていただいて、ある程度小屋裏エアコンをやり慣れていて、いろんなことがわかっている方に相談してやられると、できる可能性は一定パーセントはあると思います。ぜひ参考にしてください。
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天井断熱の家でも、そのまま小屋裏エアコンを使えますか?
天井断熱のままでは、小屋裏エアコンの前提を満たしません。小屋裏空間を利用して空調する方法なので、屋根断熱であることが必要です。屋根からの熱に備えて、断熱をしっかり確保することも大切です。
エアコンを置けるスペースがあれば十分ですか?
機器が入るだけでなく、ダクトを敷設するスペースや、設置作業・掃除・メンテナンスができる場所も必要です。人が乗れる床がある方がよく、場合によっては梁の追加が必要になります。また、1階を冷やしたい場合には、吹き抜けや垂直ダクトなどの冷気を送る経路も確認します。
小屋裏以外を使って全館冷房にする方法もありますか?
2階ホールにエアコンを設置し、冷やした空気を各居室や階段へ送る方法があります。また、ウォークインクローゼットや納戸の上部にダクト式のエアコンを設置して冷気を送る方法もあります。小屋裏だけにこだわらず、家の特性に合う方法を、経験のある設計・施工の担当者に相談しましょう。
この動画の解説者
森下誉樹(取締役会長/一級建築士)




