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Q&A:FITがあと5年、蓄電池を導入するタイミングがわかりません

今日も、私の動画を見ていただいた方からいただいた質問コメントにお答えしていきたいと思います。今日のご質問は、「今現在、FITがあと5年ほど残っているんですけど、蓄電池を導入するタイミングがいまいちわからない」という内容です。もう少し詳しく言うと、「蓄電池の導入を考えていますが、FITが5年残っています。夏の停電時にエアコンが使えないことを考えると、補助金などを利用して蓄電池を導入した方が良さそうですが、タイミングがわかりません」というご質問でした。では、いつものように僕の板書を見てもらいながら、この話に付き合ってもらえたらと思います。

まず、この方の前提を整理しておくと、太陽光発電はすでに載せておられる。ただ、何キロ載っているかまではわからないんです。そこがわかると、より具体的に見えてくるんですけど、5年ほど前の導入だとすると、4キロとか5キロぐらいが載っているのかなと想像します。そしてFITがあと5年残っている。FITというのは、太陽光発電を導入してから10年間、決まった金額で発電した電力を買い取ってもらえる仕組みです。今この動画を撮っている2026年5月から見ても、当時の買取単価は高かったはずなので、そこが悩みどころなんやと思います。さらに、この方は災害時、特に夏の停電が不安なんですよね。暑くて生活できないんちゃうか、寝苦しいんちゃうか、だからエアコンだけは動かしたい。そのために補助金も含めて、今導入すべきか悩んでおられるということです。

ざっくり言うと、FITがあと5年残っているなら、経済的には売電した方が有利になるケースが多いと思います。2019年前後の導入なら、売電価格は1キロワット時あたり24円ぐらいの時代だったと思います。今は16円ぐらいですから高かったわけです。一方で、電気を買うと35円から45円ぐらいかかる地域もある。そう考えると、売れる電気は売って、夜だけ最適に電気を買う方が得やん、となりますよね。ただ、蓄電池の判断は「元が取れるか」だけではなかなか割り切れません。考える視点は3つあって、1つ目は経済的合理性。2つ目は停電時の安心感、つまり防災性。3つ目は、FITが終わった後の将来戦略です。この方の場合は、特に防災性をどこまで重視するかで判断が分かれると思います。災害時に嫌な思いをしたくない、小さなお子さんや高齢のご家族を守りたい。そういう気持ちは、経済合理性だけでは測れない大事なものなんです。

では、蓄電池を入れるとしたらどれぐらいか。今の実勢価格で言うと、5キロワット時ぐらいの蓄電池で90万〜140万円ぐらい、10キロワット時だと200万円近く、補助金を使っても150万円ぐらいはかかるかもしれません。15キロワット時ぐらいになると300万円前後になってくる。なかなか大きなお金です。実用的には10キロワット時ぐらいかなと思いますが、10キロといっても実際に使えるのは8割ぐらいで、8キロワット時程度です。夏に6畳用エアコンを冷房で使うと、だいたい300〜800ワットぐらい。ざっくり1時間0.5キロワット時とすると、8キロワット時で16時間ぐらいは回せる計算です。つまり2晩ぐらいは我慢しながら過ごせるかもしれない。ただし、これはエアコンだけの話です。冷蔵庫、照明、Wi-Fi、給湯器の待機電源、換気なども考えると、家全体では1晩も持たないかもしれません。冬の暖房はさらにエネルギーを使うので、蓄電池だけでは頼りなく、灯油ファンヒーターなどの別の備えも必要かなと思います。

だから、防災性を本気で高めたいなら容量は大きくしたくなる。でも300万円ぐらいかけるとなると、今慌てて決めるより、もう少し勉強して、今後の暮らし方もイメージした上で買う方がいいと思います。ただ、「夏にエアコンが効かないのはどうしても嫌や」ということなら、ポータブル電源という選択肢があります。今はエコフローみたいな、そこそこ容量のあるものも出ています。何十万円かで買えるものもありますから、とりあえず寝室に避難して、家族全員で川の字になって、一晩二晩をやり過ごすという備えはできます。いつ来るかわからない災害だけのためではなく、キャンプやバーベキュー、外で電気鍋を使うような場面にも使えるので、まずは小型の蓄電池として試してみるのもいいんじゃないかなと思います。

そして一番考えてほしいのは、FITが5年後に終わった後です。これからは電気を売る時代というより、自分の家で作った電気を自家消費する時代にさらに進んでいくと思います。売るより使った方が得になる時代です。しかも5年後、電気代は今より上がっている可能性が高い。石油価格が大きく下がって電気代が安くなるとか、原発がどんどん動いて電気が安く手に入るというのは、なかなか想像しにくいです。送電コストも上がるでしょうし、再エネ賦課金も増えるかもしれない。AIのデータセンターも大量に電気を使います。世界中の処理を24時間やるわけですから、夜こそ電気が高くなる時代が来てもおかしくない。そうなると、これまでの「深夜電力でエコキュートを沸かしてお得」という考え方も変わってくるかもしれません。

4〜5キロの太陽光を載せていて、共働きで昼間は家にいないご家庭なら、卒FIT後は蓄電池がかなり重要になってくると思います。ただ、家庭用蓄電池だけで考えるのではなく、EV、つまり電気自動車を蓄電池代わりに使う考え方もあります。車の蓄電池は容量に対してかなり割安です。その電気を家で使うにはV2H、ビークル・トゥ・ホームという仕組みが必要になります。太陽光で作った電気を車に貯めたり、車に貯めた電気を家で使ったりするわけです。単に充電するだけなら不要ですが、EVの電気を家庭でも有効に使うならV2Hがいります。都市部で車がいらない人には向きませんが、地方ではまだまだ車が必要ですから、EVも含めた家全体のエネルギー設計が現実的になってくると思います。

まとめると、今、停電時が不安なら、まずはポータブル電源のような最小構成で備えるのが1つ目の提案です。2つ目は、卒FIT直前までにHEMSやエコキュートの精密な制御、時間帯ごとの最適化ができる準備をしておくこと。3つ目は、2030年以降を見据えて、我が家をマイクログリッド化することです。いわゆるオフグリッド、自給自足に近づける考え方ですね。ただし、その前提には高気密・高断熱の高性能な家があります。いくら発電しても、家が電気をたくさん使ってしまうと効果が薄くなります。EV、V2H、HEMSを絡めながら、窓の二重化なども含めて、電気をより使わない家にしていく。その視点で考えていくと、ご質問者にとっていいタイミングが見えてくるんじゃないかなと思います。

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