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Q&A:2階リビング+インナーテラスを作って植栽を眺めたい時に気をつけることは?

今日も私の動画を見ていただいた方からの質問をお題に、少し解説をしていきたいと思います。その質問はこんな感じです。「2階リビングにプラスして、インナーテラスを作って植栽を眺めたいんです。それを楽しみたいんですね。そういうことを考えているんですけど、気をつけることはありますか?」。なんちゅう面白い質問をしてくるんやと思いましたので、そのことを今日は解説していきたいと思います。

いつものように僕の板書を、今回は嬉しそうに絵も描いてますので見てもらえたらと思うんですけど、まずインナーテラスという言葉がよくわかっている人もいれば、「それは何ですか」という人もいると思うので、そのことを解説しておくと、インナーテラスというのは建物の内部から外に向かって設けられる半屋外空間です。僕の好きな言葉で言うと中間領域ですね。中でも外でもない感じで、外なんですけど屋根とか壁で囲まれたテラス空間。これを一般的にはインナーテラスと言うと思います。

こういう空間を作りたい気持ちはわかります。僕も欲しいです。でもその時に、今回は2階リビングからと言っていることもあって、よくある失敗がまずパッと浮かんだので、それを言っておくと、この2階のリビング先のテラスというのは意外と厳しいんです。風があまり通らないとか、熱がめっちゃこもるとか、それから寒々しいみたいなことが起こりがちです。そのために目指していく方向として、気をつけることで言うと、いかに外部の視線をコントロールするかです。僕は視線をカットするとか切るという言い方をしますけど、大自然が広がっていて景色が良かったら別に遮らなくていいんです。でも大体こういうインナーテラスを考える人というのは、都市部の中で我が家の2階に憩いの場所を作りたいと思う人が多いので、隣近所の視線があるんですよね。これを上手にカットしながらやらないと居心地の悪い空間になります。

夏の日射は舐めたらアカンです。和らげる工夫をせなアカンし、リビングも含めて風通しも良くないと不快です。何といってもリビング空間から外を、リビングにもいるんだけど半外にも出たり、外にも出たりみたいな、中・半外・外という空間の抜けを作り上げられるとめっちゃいいんです。

ということで、今回はこのインナーテラスの基本構成イメージを描いてみました。大体この腰壁と格子と植栽だなとパッと浮かんだので、ペペッと描いてみたんですけど、こんな感じで2階リビングがあって、そこに広いベランダというかテラスがあります。それで腰壁みたいな感じで足元があった方が怖くないというか、安心感があるんちゃうかと。その上には格子のようなもので視線を上手にカットする。その代わり風は入るように、壁じゃなくて格子なんです。格子をいっぱい作ったら景色もどうかなと言う人もいますけど、都市部の中だったら青い空だけが見えて、そのインナーテラスに植栽の緑が美しいというのが僕はいいのかなと思います。そういう感じで植栽を植えて、床はウッドデッキみたいな感じにしてテラスを作ってやった方がいいと思って、絵を描かせていただきました。

だからできたらこんなイメージで森下は言うてんねんなと思いながら、ここからさらに細かい話を聞いてもらえたらと思います。

一番僕が思うのは、まず皆さんに確認していただきたいのが、この2階のインナーテラスは植栽を育てるのにふさわしい場所なのかということなんです。言います。インナーテラスは見た目より過酷です。特に植物にとっては、2階は風が強い時もあるし、夏の照り返しもめちゃくちゃあるし、冬は乾燥する。だから鉢が乾くんですよ。普通の地面に鉢を並べた感覚でやると失敗するんです。だからプランターが持っている限界も知らなアカンし、ましてや建物の躯体の上の床に置くわけですから、土は重たいので軽量土を使ったりせなアカンです。

そして何より一番のおすすめは、自動灌水設備をつけた方がいいということです。自動灌水設備というのは、人間が水をまかなくても時間が来たら勝手にチューブから各植木鉢に水をまいてくれる装置です。公園に行ったらありますよね。それから商業空間に行ってもあります。個人の家には少ないです。なんで少ないかというと、そもそも考えていないか、鉢のそばに水源がない、つまり蛇口がないからなんです。蛇口は絶対につくっとかなアカンですよ。インナーテラスのそばに。植栽を置きたいんだったら絶対あった方が便利なのでつけてください。だから蛇口をつけて、自動灌水装置を前提にインナーテラスは考えてください。でないと質問者の方が思う、美しい植栽を眺める空間はなかなか難しいかなと思います。

特に植える樹種も、強くてしぶといやつを植えた方がいいと思います。例えばシマトネリコ。成長が早くてどんどん伸びるので、適度な剪定は必要です。それからアオダモ。山に普通に生えているようなしぶとい木ですし、落葉樹なので夏は日射遮蔽になって、冬は葉が落ちて日射取得ができる。樹形も綺麗です。それからオリーブは乾燥に強くてシルバーリーフだからカッコいい。そんな感じでオリーブもいいなと思います。モミジは結構すぐに枯れるので、自動灌水などで上手に管理しないと難しいんですけど、あえておすすめしたいです。葉っぱも樹形も綺麗で、日本人の感性に何か訴える木かなと思います。フェイジョアも常緑樹でよく茂って目隠しになるので、この辺りかなと思います。

植栽のセオリーとしては、窓のすぐ近くに置くんじゃなくて、もっと外側に置いて西日をカットしたりするのに使うのがいいかなと思います。下草もあった方がいいです。木だけポツンと置くんじゃなくて、下草があることで焼け込みを防ぐ効果も期待できます。

それからインナーテラスで多いのはタイル張りやコンクリート、モルタルの土間みたいな仕上げなんですけど、これは意外と蓄熱しやすいです。焼け込むというやつですね。日没して日が陰ったのに床がずっと熱いから、照り返しみたいに植物をいじめ続けるんです。しかもその直下は居室になっていることが多いので、下の部屋も暑くなります。そうなんだったら、せめてタイルなら明るい白っぽいものを貼るとか、もっと言うと僕はウッドデッキみたいなものを敷く方がいいと思います。人工木で低蓄熱タイプのものもありますので、そういうものを利用されるといいんじゃないかなと思います。

何よりデッキをすすめる理由なんですけど、マンションに暮らしている友人がこの前言っていたんです。プランターを並べて植物を育ててもすぐ枯れるので、観葉植物を扱うプロに相談したら、「プランターはテラスの焼けた熱が直撃するから余計乾燥するんです。だからブロックを並べて空気層を作ってあげなさい」と言われたそうです。そうしたらてきめんに枯れなくなったと。やっぱり専門家のアドバイスはいいですよね。それなんですよ。タイルやモルタルの上にプランターを直接置いたら枯れやすいんです。だからウッドデッキなら多少床が上がるので空気層ができます。これが熱の緩衝体になるんです。植物のためにもいいし、人間にとってもしっくりくると思います。さらにタイルやモルタルは重たくなりますが、ウッドデッキは比較的軽いので床構造への負担も少ないんです。

そしてもっと大事なのは防水です。せっかくこれだけ考えてインナーテラスを作って植栽を育てるじゃないですか。でも防水は10年が寿命とよく言いますよね。簡単なFRP防水の上にウッドデッキをした場合、10年後、15年後に修理しようと思ったら植栽をどけてウッドデッキを外してと大変です。だから僕は金属防水みたいな耐久性の高いものがいいと思います。できたら高いですけどステンレスでやるとかなり持ちます。そうすると20年、30年とノーメンテに近い形で防水が持つ可能性がありますし、リペアも比較的簡単です。金属防水は表面が防水層なので、もし穴が開いてもそこだけ補修しやすいんです。

そういう表面材に防水が来る構成にして、その上にすのこ状のデッキを乗せる。メンテナンスのことも焼け込み防止のことも考えると、総合的にすごくいいかなと思います。それから防水のところにはドレンがありますので、掃除しやすいようにウッドデッキの一部をパカッと外せるようにしておくと非常に楽です。全部めくらないとドレンが掃除できないのは困りますからね。

そういうことを気をつけていただくと、結果として春は小さなモミジの新芽を眺め、夏は日よけのグリーンカーテンを作り、秋は紅葉を楽しみ、冬は枝越しの低い日射を楽しむ。「ポカポカするね」という空間になります。夜は足元照明をつけると葉が揺れる影が深い庇に映ったりして、なかなかいいやないのという感じになります。さらに水鉢を置いてメダカや金魚を飼ったりすると、水面がゆらゆら揺れて反射してキラキラする。そうするとカッコよく言うと、1枚の絵のような季節の舞台がインナーテラスとして完成するんです。

多分質問者の意図に近い形が実現できるかなと思いますので、こんなことを意識していただいて、2階リビングプラスインナーテラスを楽しんでもらえたらなと思います。こういう具体的な質問をしてもらうと、燃えていろんなことをおせっかいに言いたくなりますね。

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