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ウッドショックでも家を建てた方がいい

今日は、ウッドショックの今、家づくりは進めていいのか保留すべきなのかについて考えてみたいと思います。

先日もお客様とお話ししていて「家づくり真剣に考えてきたけど、今ウッドショックだから保留にしたほうがいいですか?先延ばしにしたほうがいいですか?」と相談を受けました。

僕のスケッチを見てください。
多くの人が、今は家づくり保留にしたほうがいいかなと考えていると思います。ほとんどのハウスメーカーさんや工務店が、ウッドショックの加算金とか対策費という形で「少し加算させてください」と言っているはずです。

現実的な話をすると、今の建築業界では、1坪当たり実質5万円強、仕入単価の値上がりが起きています。35坪から40坪くらいの家を建てるとなると、この半年で、ざっと200万円ぐらいは価格が上がっているんですね。

この事態が落ち着くなら、待っていたほうがいいと誰もが思いますよね。

一方で、ケースバイケースではありますが、こんなことも起こるかもしれないと意識してほしいことがあります。それは住宅ローン控除についてです。

コロナやウッドショックのことで忘れている内容かもしれませんので、ちょっとおさらいしておきますね。2019年に消費税が8%から10%に上がるタイミングがあったと思います。そのとき日本は「消費税は上がるけど、それでも家を建ててもらう方が景気のためにいい」ということで、住宅ローン控除が10年だったのを13年に延長するということを実施しました。

今年(2021年)の9月30日までに請負契約を済ませて、来年(2022年)の12月いっぱいまでに完成・お引渡し・入居が終わる物件に関しては住宅ローン控除を13年の対象にします、ということが現在進められています。

家の値段が2,000万円としたら40万円ぐらい、つまり消費税の2%分は戻すという優遇策がある。これはみなさんご存知かと思います。

もう1つあるのが「すまい給付金」です。すまい給付金も住宅ローン控除と同じように、2021年9月末までの契約で来年中に完成・引き渡しが完了する家が対象になっています。

よく聞くのが、年収450万円以上525万円の方で、約40万円のすまい給付金がもらえます、というものです。(もらえる額については、住民税・所得税の還付額で計算するので、40万円というのは1つの例だと思ってください。)

今はコロナとかウッドショックとかいろいろあるけれど、家づくりを進めたら約80万円ぐらいは国が戻してあげますよ、ということを日本は実施しているわけです。

冒頭のご質問に戻ると「80万円戻ってくるのはいいけど、200万円の値上がりが怖いから、今は家づくり保留にしたほうがいいですか?」という話になると思います。これが本当に聞きたかった内容だと僕は考えているんですね。

じゃあ、それを受けてどうしていくか考える際に、1つ大事なことを思い出したので、みなさんにお伝えします。

昨年(2020年) 12月3日ぐらいに、日経新聞に載っていたニュースがあります。
税調と言って来年の税制を決める国の諮問機関みたいなものがありまして、その中で家づくりに関して重大な発表があったんです。それは何かと言うと「住宅ローン控除の1%控除を見直ししますよ」ということでした。

ご存知のように住宅ローン控除は借入残高の1%を上限として、お金返していくことになります。この1%が少なくなるか多くなるかは還付額に影響するから、ものすごい大きなニュースなんですね。

今、世間の住宅ローンの金利は1%を切っています。特に変動金利や3年、10年固定のものは金利が1%切ってるのが多いです。細かく見るといろいろありますが、よくあるのは0.6%前後ぐらいです。

ローンの残高の1%に対して、金利が0.6%なら、還付額の方が銀行に払う金利より多くなりますよね。つまり住宅ローンを借りた人の方が儲かることになります。これすごくないですか?

でもですね、会計検査院という機関が「これは矛盾がある」と言って、是正する話が出ました。それを受けて国が「来年度にローンの1%控除に関して見直しをします」と言ったことが日経新聞で報道されたんですね。

一般の方でしたら、“見直しする”と言ってるくらいなので、そんなに大きい意味はないと捉えられるかもしれませんが、実際のところは全然違います。

税金の世界では、「一般的にまだどうするか分からない。でもそういうことも考えてます」という時は【検討】とか【協議】という言葉で表現します。
一方で今回の【見直し】という表現は「ほぼ確実に何かやるよ」ということになるんですね。これは税務の専門家の人たちみんながそういう風に言っています。

結果的にどうなっていくかというと、たとえば住宅ローン3,000万借りた人がいるとします。土地・建物で金利が仮に10年固定で0.6%だとしたら、現状の計算で予定してる還付額は10年間で256万円ぐらいになります。

ところが来年見直しされて0.8%になったり、0.6%で借りてる人でも支払った利息に対してのみの控除にするよ、ということになったらローン控除額は一気に10年で130万円減ります。256万円―130万円=126万円分の差が出るわけです。

なので、今家づくりをされている方でも来年になってしまったら、住宅ローン控除の仕組みがガラッと変わってしまう可能性がかなり高いです。

これは決定された内容ではありませんが、今まで国が取ってきた進め方をみると、現実になる可能性がとても高いです。

去年の暮れに、この報道があったとき、僕たちはファイナンシャルプランナーの先生や金利研究してる人たちから注意喚起がありました。でもコロナのことやウッドショックのことで僕もすっかり飛んでたんです。でも、これは大きな要因ですよね。

結果として、住宅ローン控除の当初の延長幅での還付とすまい給付金を合わせて、ローン控除の1%額の見直しを合算すると200万円以上のインパクトになってしまいます。

そうするとウッドショックで材料費が200万円上がっても、家づくりを進めれば国から200万円もらえる。でも来年に住宅ローン控除の仕組みが変わったりすれば、もらえなくなるということです。

それからもう1つ、家づくりの現場に身を置いてる者として思うのは、やはり、まだまだ暮れにかけては木材の値段がまだ上がりそうです。来年の春ぐらいには少し落ち着くかなと感じることもあります。でも1坪あたり5万円位上がったものが、元に戻るかというと、そうはならないと思っています。

木材業界は、これまで値段を抑えられてきたので、今回のウッドショックを機にある程度のところまで適正な利益に戻したいというお気持ちが強いはずなんです。

そこまで値段が戻らないこともありえますので、「待ってみる」という中期戦略が正しいのかどうかはケースバイケースなんですね。

なのでここは信頼できる相談相手、きちんとしたプロの方に「私たちの場合はウッドショックをどう乗り越えるべきですか?」というのを話して、シミュレーションしていただくのがいいと考えています。

小難しい話になりますが、シミュレーションして分かることがあるはずなので、やってみて損はないと思います。ぜひ検討してみてください。

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