住まいの終活を考えるシリーズ③ 「実家じまい・空き家対策の3つの出口戦略」
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今回も「住まいの終活を考える」シリーズです。
▼住まいの終活を考えるシリーズ① 「実家じまいがうまくいかないケースと対策」
https://www.m-athome.co.jp/movie/shukatsu_case_taisaku/
▼住まいの終活を考えるシリーズ② 「実家じまいで失敗しない今からできる3つの整理」
https://www.m-athome.co.jp/movie/shukatsu_shippai_seiri/
3番目のテーマとして「実家じまい・空き家対策の出口」についてお話ししたいと思います。実はこの出口、3つあるんです。この3つの出口戦略について、今日は解説していきたいと思います。いつものように、私の板書を見ていただきながら、お話を聞いていただけたらうれしいです。
まず、出口の1つ目は「建物・不動産を手放す」という方法です。簡単に言えば、土地や建物を、そのままの状態、ありのままで売ってしまうというやり方ですね。ただし、かなり古くて崩れかけているような場合は、現状のままでは売れませんから、そういう時は一度解体して更地にしてから、土地として売るという方法もあります。逆に、しっかりした家であれば、ちょっとリノベーションやリフォームをして、付加価値をつけて売るというやり方も考えられます。
また、売るというより「譲る」という形もあります。たとえば、過疎地にご実家の古い家があって、売りに出したとしても、なかなか買ってくれる人がいないような土地柄の場合もありますよね。そういった時には、近くに利用したいという方がいらっしゃれば、「家がボロボロになって、草もボーボーで忍びないから、もうあなたに譲るよ」といった形で、売るというよりは差し上げるような感覚で手放すこともできます。そうすることで、心の荷をひとつ降ろせるという側面もあると思います。これが、手放す方法の大きなバリエーションですね。
次に、2つ目の出口は「活用する」という方法です。活用といっても、基本的には「貸す」という形が多いです。つまり借家として人に貸すということですね。その場合、「借地権みたいなものがついて、長く貸すことになるんじゃないか」と心配される方もいらっしゃると思いますが、最近は「定期借家」といって、あらかじめ貸す期間を決めておく方法もあります。それから「条件付き借家」といって、たとえば「母屋は全部借りていいけど、蔵は触らないでね」といった形で、何かしらの条件を付けて貸すというやり方もあります。
最近おもしろいなと思うのは、ただ貸すだけじゃなくて、古い家をDIYして住みたいという若い人たちが増えているんです。「好きなように色を塗ってもいいし、改造してもらっても大丈夫ですよ」と言うと、その分、家賃を安くしてあげられますし、借りる側もメリットがありますよね。貸す側としても、自分たちで直して貸すよりは、そういったDIY型の賃貸という形で提供することで、結果的にうまくいくケースもあります。
このように「そのまま貸す」「ちょっと手を入れて貸す」など、貸すにしてもいろんな方向性があるんですね。場合によっては、いっそのこと更地にして、空き地として駐車場などに貸すというやり方もあります。これが2つ目の「活用する」という出口です。
そして、3つ目の出口は「自己使用する」という方法です。これは、自分たちで使うという意味ですね。たとえば、おじいちゃん・おばあちゃんの家にお孫さんがそのまま住むというケースもありますし、子ども世代がちょっと手直しをして住むとか、あるいはしっかりリノベーションしてから住むという方法もあります。
また、住むだけじゃなくて、たとえば更地にして、商売をしている方であれば資材置き場にするとか、事業用の駐車場として使うとか、そういった自分たちの用途で使う方法もあります。こういった使い方が「自己使用」という出口になります。
この3つの出口、つまり「手放す」「活用する」「自己使用する」のうち、どれかを選ぶことが「出口戦略」なんですね。難しいことではないんですが、この3つ以外にそうそう選択肢はないということを、ひとつ知っておいていただけたらと思います。
とはいえ、「森下さん、そうは言っても、ちょっとまだ考えがまとまらなくて…」「相続人との話し合いもあるし、すぐには結論を出せないんです」という方もいらっしゃると思うんです。そういう場合は、「管理・維持・保全」という選択肢になります。
なぜかというと、空き家を放置しておくと、どんどん荒れていって価値がなくなってしまったり、近隣に迷惑をかける可能性もありますよね。ですので、そういう時は「空き家管理」をする必要があります。自分たちで管理してもいいですし、業者さんにお願いしてもいいんですけど、どちらにしても時間やお金をかけない限りは難しいんです。棚上げするのであれば、それなりに時間とお金を投入する覚悟が必要だということを、ぜひ知っておいていただけたらと思います。
そして、実際に「活用する」「手放す」という選択をする際に、多くの方が不動産業者さんに相談されると思います。それももちろん間違いではありません。ただ、もうひとつの選択肢として、私たちのように工務店としての経験があり、建物に対して築年数以上に「目が利く」というか、「この家はこうしたら活用できるな」といった提案ができるような、知識や視点を持っている人たちに相談してみるというのも、とても良い選択だと思うんです。
もちろん、「公務店」といっても、新築しかやらないところや、パワービルダーさんのように名前だけが公務店で実際には建物の細かいことが分からない方もいらっしゃるので、リフォームやリノベーションも含めて分かる「目が利く公務店さん」に一緒に見てもらうのが、私はすごくいいと思っています。
というのも、これは別に私が手前味噌で売り込みをしたいというわけではなくて、「土地」だけじゃなくて「家」の可能性もちゃんと確認した上で、出口をどう選ぶかということが、すごく大事だと思うんです。だからこそ、こういう形での相談もお勧めしたいなと思っています。よかったら、参考にしてもらえたらうれしいです。
こんな感じで、家づくりや暮らしにまつわることを、いつもこのチャンネルでは解説しているんですが、よかったら「モリシタ・アット・ホーム」のチャンネル登録もしてみてください。
そして今回は、ちょっとPRがありまして、私森下は、「モリシタ・アット・ホーム」の社長を山下社長にバトンタッチさせていただいて、次の活動の1つとして「住まいの終活」を地域の方々に向けて、より深くお伝えしていく取り組みを始めようと思っています。
実家じまいや住まいの終活といったテーマは、これからますます多くの方にとって悩ましいものになってくると思うんですね。そういったテーマに特化した情報を発信するYouTubeチャンネルも、新たに立ち上げました。
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このチャンネルを長らくご覧いただいて、「このおじさん、ちょっと面白いな」とか、「参考になるな」と感じてくださった方がいらっしゃれば、ぜひこれからの人生のテーマとして「住まいの終活」「家じまい」周辺のことに関心がある方は、そちらのチャンネルの方でも、もう少しコアな情報を提供していきたいと思っていますので、「実家じまいチャンネル」の方も、よかったらチャンネル登録をしてみてください。