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家づくりで起こりがちな失敗(床下エアコン編)

床下エアコンの失敗を防ぐには、暖気を床下全体に行き渡らせることが大切です。設置場所に加え、ガラリの配置と開口面積、本体と床の隙間、音が気になる場合の空気の取り入れ方を、設計に応じて確認しましょう。

この動画の要点

  • 居室だけでなく、脱衣場やトイレの暖かさも考えて、エアコンの設置場所を決めます。
  • ガラリの配置と開口面積、基礎の空気の通り道を整え、暖気が床下に滞らないようにします。
  • 掃除のために必要な本体と床の隙間は、蓋などでしっかり塞ぎます。音が気になる場合は、空気を取り入れる位置も検討します。

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失敗を防ぐために確認したい5つのポイント

確認するところ 動画のポイント
設置場所 居室側か非居室側かを検討します。水回りへの暖気の届き方や、朝の生活の流れも考えます。
ガラリの配置と面積 暖気の出口をバランスよく配置し、開口面積を確保します。脱衣場やトイレのガラリも忘れないようにします。
床下の空気の通り道 間仕切り基礎で暖気が滞らないよう、構造の強度と外周の気密を確保しながら空気の経路を考えます。
本体と床の隙間 フィルター掃除のための隙間を開けたままにせず、蓋や埋木などでしっかり塞ぎます。
運転音と空気の取り入れ方 居室で音が気になる場合は、側面や廊下側などから空気を取り入れる方法を、設計に応じて検討します。

動画の詳しい内容

床下エアコンで失敗しがちな、現場のポイント

相変わらず冬は寒いですよね。この寒いシーズンになるとよくいただく質問として、床下エアコンを考えているんですけど、何かポイントはありますか、みたいなお話が本当に多いんです。今日はそのあたりのお話をしようと思ってまして、この前も最近知り合った工務店の技術者の方と話をしていたら、床下エアコンを今度やるんですけど初めてなので、どんなポイントがあるんですか、という話になったんです。そこで、こういうところで失敗しがちだから、ここは気にしといた方がいいかもしれませんね、みたいな話をしたら、えらく喜んでいただけたんですね。なので今日は少しマニアックな話になるかもしれませんけど、これから床下エアコンを考えられている方がいらっしゃったら、少しでもお役に立てたらと思って、そのあたりをお話ししていきたいと思います。いつものように僕の拙い板書を見てもらいながら聞いてもらえたらと思うんですけど、床下エアコンについては基本的な話は過去にいっぱいしてきているので、今日は大体概要を知っている方向けの、いわば応用編というか、現場の人間の目線の話だと思ってもらえたらありがたいです。

居室と水回りの暖かさから設置場所を考える

そもそも床下エアコンって、僕たちが最初に取り組み始めた頃は、どこに床下エアコンをつけたらいいんですか、という問題がありました。みんなリビングとかダイニングを暖かくしたいという気持ちが強いので、居室の下にエアコンを設置して、そこを一生懸命温める、ということをやっていた時期があったんです。ただ、そのときに一つ弊害として出てきたのが、居室はいいんですけど、非居室、いわゆるユーティリティとかトイレ、水回りの部分ですね、そういうところが寒くなりがちやったんです。基礎がわかる人なら想像つくと思うんですけど、そういう水回りって間仕切り壁が多くて、その下に基礎が立ち上がっていることが多いので、床下が細かく仕切られてしまって、暖気がうまく行かないんですね。慣れてないと特にそうで、サーキュレーションファンをつけて、なるべく暖気を送るように調整したり、そんなことをやってた時期もありました。そんな中でいろいろ試していくうちに、非居室側に床下エアコンをつけるパターンも増えてきました。例えば一階にファミリークローゼットとかデイリークローゼットをつくって、その一角にエアコンを置く、というケースですね。これが今は一番多いかもしれません。そうすると、水回りがだいたいその周辺に集まっているので、脱衣場やトイレがすごく暖かくなるんです。居室については、床下からダイレクトに暖気が行くようにしておけば、パッシブ設計での日射取得もありますし、結果的に十分暖かくなることが多いんですね。そう考えると、朝一番に床下エアコンを稼働させたとき、起きてすぐに着替えたり、顔を洗ったり、トイレに行ったりするわけですから、まず水回りが暖かい方が不快じゃないんです。そのあと居室に行って朝食を食べる頃には、日も昇ってきて室温も上がってくる。こういう流れを考えると、このパターンもなかなかいいんじゃないかなと思ったりします。なのでまず大事なのは、居室側にするのか非居室側にするのか、その方針をしっかり考えることですね。

ガラリの配置と開口面積を確保する

それともう一つ大事なのが、床下エアコンというのは、床下空間全体を一つの大きなチャンバーボックス、空調する空間として捉えて、そこ全体を温める、という考え方やということです。エアコンから吹き出た暖かい空気が隅々まで行き渡ることが目標になるので、エアコンをどこに置くかというのは、暖気のスタート地点をどこにするか、という意味になります。暖気が滞留せずに全体に回るためには、床のガラリ、暖気の出口がバランスよく配置されていないと偏りが出てしまいます。例えば一階が20坪前後なら、ガラリは10カ所くらいは欲しいですし、もっと言うと、ガラリの開口面積として600平方センチメートル以上は確保しておきたいところです。これが足りないと、エアコンが勢いよく風を出しても逃げ場がなくなって、床下の温度がすぐに上がりすぎてしまうこともあります。配置としては外周側を意識して、掃き出し窓の近くや、キッチンの足元などに出すのもいいですけど、忘れてはいけないのが脱衣場やトイレです。ここはむしろ一番暖かくないとアカン場所なので、必ずガラリを設けてほしいところですね。

基礎の強度と床下の空気の通り道を両立する

そのためには、床下で暖気がちゃんと回るように、間仕切り部分に陣通口をできるだけ多く設けたり、地中梁を使って強度を確保しながら空気が滞留しないようにすることがとても重要です。このあたりは過去の動画でも何度も解説しているので、わかる方も多いと思います。ただ、どうしても間仕切り基礎が必要な場合もあります。その場合、外周は気密をしっかり確保する必要がありますけど、間仕切りのところは基礎を20センチほど下げて、基礎パッキンを入れられるようにしておく、というやり方もあります。基礎パッキンの隙間は2センチほどですけど、暖かい空気は上に上がるので、床面との間で空気が融通しやすくなって、空気だまりができにくくなるんです。スリーブを入れて貫通させる方法もありますが、基礎パッキンの方が施工的には簡単で、気密処理の手間も少ないので、これは一つおすすめできる方法かなと思います。とにかく、ガラリの配置と開口面積、ここが一番失敗しがちなので、ぜひ注意してもらいたいポイントです。

本体と床の隙間を開けたままにしない

もう一つ、エアコン本体まわりの話です。床下エアコンは、だいたい幅1メートル、高さ60センチくらいの開口を取って設置することが多いんですけど、当然フィルター掃除のために蓋を開けられないといけないので、床との間に一定の隙間が必要になります。ただ、ここを開けっぱなしにしているケースがたまにあるんですね。これは必ず蓋、もしくは埋木のようなもので塞いでほしいところです。木でもいいですし、スタイロフォームのような加工しやすい材料でも構いません。できるだけピッタリ、1ミリ2ミリの隙間もないくらいが理想です。極端に言えばテープで塞いでもいいくらいなんですけど、掃除のたびに剥がすのが面倒なので、現実的ではないかもしれませんね。ただ、ここをきっちり塞ぐことがとても重要やということは、ぜひ覚えておいてほしいです。せっかく作り手がきちんとしていても、使う人が邪魔やからと外してしまっているケースもあって、それでは性能をロスしてしまいます。

隙間を塞ぎ、ガラリから暖気が出る状態をつくる

なぜそこまで重要かというと、エアコンは上から空気を吸って温め、下に吐き出す仕組みになっています。この上部をピタッと塞ぐことで、床下全体がチャンバーボックスのようになって、内部に圧力がかかるんですね。その圧力があるからこそ、ガラリからスムーズに暖気が吹き出して、空気が引っ張られて、淀みなく全体に回るようになります。これが床下エアコンで一番大事なポイントと言ってもいいくらいです。知っている人には当たり前の話なんですけど、知らないと、えっ、そんなこと、という反応になることもあるので、ぜひ注意してもらえたらと思います。

音が気になる場合はリターンの位置を考える

最後に音の話です。居室側に床下エアコンを設置した場合、人によっては運転開始時の音が気になることがあります。床下エアコンは位置が低いので、ソファに座っていると耳が近くなってしまうんですね。そういう場合は、正面のガラリを塞いで、側面や廊下側からリターンを取る、という方法があります。廊下は人があまり長くいる場所ではないですし、温度も低めなので、そこから空気を吸って温めて供給することで、音の問題も解消しつつ効率も上がる、というケースがあります。間仕切りの裏側から吸うなど、いろんなバリエーションが考えられるので、そこは設計に応じて検討してもらえたらいいかなと思います。

動画の内容をQ&Aで確認

ガラリはリビングにあれば十分ですか?

リビングだけでなく、床下全体に暖気が回るように、出口をバランスよく配置することが大切です。特に脱衣場やトイレも暖かくしたい場所なので、ガラリを忘れずに設けます。配置だけでなく開口面積も確保し、床下の空気の通り道とあわせて考えましょう。

本体と床の隙間は、なぜ塞ぐ必要がありますか?

フィルター掃除のために必要な隙間でも、開けたままにすると性能をロスしてしまいます。蓋や埋木などでしっかり塞ぎ、床下全体に圧力がかかって、ガラリから暖気がスムーズに出る状態をつくることが大切です。使い始めた後も、邪魔だからと蓋を外したままにしないようにしましょう。

床下エアコンの音が気になる場合は、どう考えればよいですか?

居室側に設置すると、ソファに座ったときなどに耳がエアコンに近くなり、運転開始時の音が気になることがあります。その場合、正面ではなく側面や廊下側から空気を取り入れる方法があります。間仕切りの裏側から取り入れる方法も含め、設計に応じて検討します。

姫路で新築・リフォームをご検討の方へ

床下エアコンの設置や、住まい全体の暖房計画が気になる方は、モリシタ・アット・ホームへご相談ください。

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この動画の解説者

森下誉樹(取締役会長/一級建築士)

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