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無垢材と集成材はどちらが良いのか?

今回のテーマは
「無垢材」と「集成材」
どちらがいいの?です。

お客さんからよく
「どっちが強いんですか?」とか
「どっち選んだらいいんですか?」
という質問を
受けることがあるので
モリシタなりの
解説をしたいと思います。

無垢材を主に扱ってる人は
「集成材は
接着剤で貼り合わせてるから
接着剤の寿命が切れたら
バラバラになるし
信頼性がない」
と言います。

それに対して
強いか弱いか、
一つの標語として
「強度」があります。

無垢材と集成材を
比べると一般的には
集成材の方が基準強度が
高いです。

そういう意味では
集成材の方が
強いと言えると思います。

なので出来上がって
短期の強度という点では
絶対に集成材の方に
軍配があるかと思います。

ですが、
長期的なこと考えた時には
のりの剥離みたいなことで
無垢の方が堅いと思います。

無垢材にしても
集成材にしても
原木は丸太です。

丸太を製材して
取ったのが無垢材です。

なのでこれには
品質のムラが
必ずあります。

まっすぐな木もあれば
曲がってるのもあるし
年輪も一般的には
南の方が広くなって
北の方が小さくなります。

目が詰まってるところは
強度が出るけど
詰まってない方は
強度が出ないことに
なります。

だから木の扱いにも
結構技術がいりますね。

これをJASという
日本農林規格で
評価をします。

無垢材に関しては
強い無垢材もありますが、
強度がない無垢材も
あります。

集成材は、
丸太のいいとこ取りを
する感じです。

大体は奇数の枚数を
貼り合わせていきます。

これを「ラミナ」と
言いますが、「ラミナ」を
集成していくので
集成材と言います。

真ん中を中心に
バラバラとして、
圧縮して付けます。

その間に接着剤を入れて
貼り合わせをします。

簡単に言うと
無垢材は大きな木で
ないと思う寸法の材木が
取れません。

集成材は
小さい木でも
いいとこ取りなので
思う寸法の木が
取れます。

なのでコストに関しては
コントロールしやすい。

そして小さな木にすると
木の乾燥も非常にラクなので
狂いの少ない材木が
できやすいです。

いわゆる寸法の安定性に
関しても集成材の方に
軍配が上がるという
感じになると思います。

ここからは豆知識ですが、
集成材は2種類あります。

1つ目は同じ種類の
同じような材を重ねていく。
同等の等級で揃えるものです。

もう1つは、
一番外側を強いやつ
次は中ぐらいのやつ
あとは少し弱いやつ
という感じで異種の
等級を構成する
やり方があります。

一般的に柱は
均等のものがいいです。
垂直の荷重を受けたり
することが多いので。

集成材は
梁に使うものなんですね。

例えば広いリビングを
取りたいときに
鉄骨ならスパンが飛ぶので
すごく良いと言われます。

なぜスパンが取れるか
と言うと、H鋼という
鉄の発明があったからです。

これを木にも応用したのが
異等級の構成をした
集成材です。

これも木造の世界を変えた
大発明なんです。

鉄骨の発明を
木造に応用した
みたいな感じですね。

無垢ならこんな
構成にはなりません。

逆に言うと外の方が
弱いくらいなので、
ものすごく大きくて
高価な材料でないと
スパンは飛ばせません。

集成材なら
小さな断面でも
安いコストで大スパンを
飛ばせるのですごく
使い勝手が良いです。

なので容積当たりの
強度は集成材が上です。

価格も集成材の方が
安いですし、何より
均等な力が見込めるので
構造計算にも非常に
なじみが良いという
利点があります。

丈夫な家が欲しい人は、
材料だけではなくて
構造計算をして
成立するかどうかを
見ないと本当の事で
強いかどうかは
言えません。

なのでそういう形で
無垢材と集成材を
見るべきだと思います。

ただ集成材にも
大きな欠点はあります。

それは水に弱い、
ということです。

集成材を貼り合わせる
接着剤は大きく言うと
水に強い接着剤と
水に弱い接着剤が
あります。

強度が出たら良いと
水に弱い接着剤を使って、
それを外部に面している
ところに使ったら、
すぐにはどうもなりませんが、
長い年月の間に劣化して
接着剤が溶けて、
剥離する危険はあると
思います。

なので
集成材を使う時には
雨掛かりしないところで
使うのが鉄則です。

外部に使うなら、
できれば無垢材を
使われるのが
無難だと思います。

もしオーバーハングで
庇を延ばしたい時には
強度がいるので、
水に強い接着剤を使った
集成材かどうかを
調べてください。

そういう使い方なら
そんなに心配することは
ないと思います。

実際に
出雲ドームという
大きな木造の建物が
ありますが、あれは
大断面集成材で作った
ドームです。

昔は
東京ドームみたいに
バルーン材でしか
できなかったものが、
木でできるという
わけです。

あれは耐用年数
100年ぐらいを
にらんだ建物ですから。

そういう意味でいうと、
一般的な木造の建物で
100年持つ集成材は
特別なものではなく、
ただ大きいだけなので
そんなに耐久性も
心配しなくて
いいと思います。

要は使う場所は
吟味していただいて、
人が触るようなところで
木の肌ざわりが良いものを
使いたいのであれば、
僕は無垢が良いと思います。

集成材がダメだという
わけではなくて、
無垢の方がより良い、
という感じです。

そういう形で
無垢材と集成材を
比べていただいて、
コストの問題も
大きいですので、
適材適所で使う
というのが答えだと
僕は思います。

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