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「メイクはどこでしますか?」パウダースペースを考える。

今日はちょっと、モリシタ的には珍しいテーマかもしれないんですけど、お客様からよくいただくご質問についてお話ししていこうと思います。

「お化粧はどこでするのがいいですかね?」とか、「メイク道具ってどういうところに収納したらいいですか?」みたいなご相談ですね。おじさんの私が語るのもなんですけど(笑)、これまでいろんなお客様とお話ししてきた中で見えてきた考え方や事例を、僕なりに解説していけたらなと思います。例によって、僕の板書を見てもらいながら、ゆるっと聞いていただければと思います。

ちょっと昔を振り返ると、僕は昭和生まれの人間なので、昭和の終わりから平成の初期、平成10年くらいまでは、寝室に化粧台、いわゆるドレッサーを置くのが主流だったと思うんです。また、僕は平成2年頃に結婚してるんですけど、当時は「嫁入り道具」という言葉もまだ普通に使われていて、鏡台やドレッサーは女の子なら必ず持たせてもらうような時代でした。そういった背景がある世代の方たちも今は多くいらっしゃるわけですが、じゃあ今どうなの?というと、時代とともに変わってきたなと感じます。

結婚や同棲などで同居を始めた当初はドレッサーを使っていたけど、子どもが生まれたタイミングから使わなくなった、という人がけっこう多いんですね。「今も寝室にドレッサーはあるけど、もう物置になってるんです…」という声もよく聞きます。じゃあ、なんで使わなくなったの?と聞くと、いろんな理由があるとは思うんですが、あるお客様が言ってたのが「パートナーが寝てる時にメイクするのはちょっと気が引ける」ってことでした。これ、僕も「なんでなん?」って思ったんですけど、確かにメイクってドライヤー使ったり、美容器具でカシャカシャ音がしたり、スチームが出たりと、けっこう音が出るんですよね。僕も昔「うるさいなぁ、もう…」なんてつい言ってしまって、妻が「ほんなら、もういいわ…」となったこともありました。そういうちょっとしたやりとりがきっかけで、だんだん使わなくなるっていうこともあるみたいです。

それともうひとつ、「2階の寝室よりも、1階の洗面スペースの方がやりやすい」という意見もあります。お肌のケアを丁寧にされる方が多いですし、朝晩しっかり洗顔される方も多い。それに髪の毛もセットしようと思ったら、ちょっと濡らしたりもできるし、洗面スペースの方が合理的っていう考え方もあるんですよね。

ただ一方で、「洗面スペースでのメイクって、なんか落ち着かないんですよね」っていう声もあるんです。理由を聞くと、「立ったままでのメイクはちょっと苦手で…」ということでした。これ、僕もなんとなく分かるんですよ。男性って、そもそもメイクしませんし、せいぜい朝の支度も5分、10分かからないくらいですけど、女性の場合はもっと時間がかかりますよね。立ちっぱなしで、人の出入りも多い洗面所では、なかなか落ち着いてできないというのも、よく分かります。

そうなると、洗面スペースじゃなくてリビング空間に向かう人もいらっしゃるんです。例えば、リビングテーブルに鏡を置いて、メイクボックスを持ってきてお化粧される方。ボックスの形も、カゴタイプの人もいれば、カバンみたいなタイプの人もいると思います。で、テレビでニュースが流れていて、時報も入るじゃないですか。そうすると、「あと5分で出なあかんわ」とか、そういう時間の目安にもなるし、座ってゆっくりできるので快適なんですよね。

それと、基礎化粧品を使ったお手入れとか、クレンジングとかパックとか、そういうのもリラックスしながらできる。やっつけ仕事じゃなくて、自分を癒す時間にしたいという方も多くて、そういう面でもリビングでのメイクやスキンケアって、実はとても相性がいいみたいです。

こういう流れから考えると、いま「パウダースペース」っていう空間が注目されてきてるんですよね。ただ、現代の家づくりのトレンドとしては、家はなるべくコンパクトに、という考えが主流になってきています。昔は夫婦の寝室も7〜8畳くらいが普通だったのが、今では6畳とか4.5畳とか、寝具を置いたらそれで終わり、というくらいのスペースが主流になってきています。そうなると、ドレッサーを置く場所がない、ということも増えてきますよね。

さらに最近は、1階に身支度をまとめたいという方が多いです。そうすると、洗面スペースを中心に、パウダースペースや着替えスペースも含めた「身支度空間」としてゾーニングされていくんですね。朝は服に着替えて出かけ、帰ってきたら部屋着に着替える、そういう一連の流れの中で、メイクも含めた身支度を一体として考えるようになってきています。これは洗濯や片付け、家事動線にも関わってくる話で、共働きがスタンダードな今、より合理的に暮らしたいというニーズが高まってるんだと思います。

そういう背景の中で、僕なりの提案としては、「洗面スペースのすぐ隣にパウダースペースを設けたらどうでしょうか?」ということなんです。洗面台だけで全部を済ませようとすると、特に家族が増えた場合に混雑してしまいますよね。「ちょっとお母さんがゆっくりメイクできない…」なんてことも起こります。そういうとき、洗面スペースの隣に独立したパウダースペースがあると、すごく便利やと思うんです。

具体的には、幅が570mmくらい、奥行きが550mmくらいのカウンターを用意して、奥には棚を設けます。棚の形は、一面棚でもいいし、カウンターの正面と横の両方から使えるように二面使いにしてもいいですね。そうすることで収納性も高まりますし、使い勝手がすごく良くなります。

それとポイントになるのが、座れる椅子、いわゆる「スツール」です。これがあるだけで、ぐっと快適になります。メイクに使うアイロンやカール用の道具、ドライヤーも置いておきたいですよね。今はイオンドライヤーが主流で、僕も昔は「そんなに違うんかいな」と思ってたんですけど、最近は髪が寂しくなってきたこともあって(笑)、やさしく乾かす大切さがわかるようになりました。

それから、ティッシュとか綿棒とか、オーラルケア用品もあると嬉しいですよね。電動歯ブラシも最近すごく性能が良くなっていて、40代後半くらいからは歯の大切さをしみじみ感じるようになると思うので、そういうものも収納できるスペースがあるといいです。

さらに、正面には回転する鏡、いわゆる拡大鏡があると便利です。ホテルなんかでよく見かける丸いやつですね。あれ、長いこと「なんでこんなん要るんやろ」と思ってたんですけど、女性にとってはアイメイクや細かいチェックにすごく役立つみたいです。なので、回転鏡を設置するのもいいし、手元鏡を置いてもいいです。

また、化粧品って本当にたくさんありますよね。うちの娘や妻の棚を見るたびに「すごい数やな…」って思います。でも、最近は男性でも育毛剤やスカルプケアのアイテムを使ったりする人も増えてきてるので、家族で共用できるように棚を段で分けたり、上の方にはストックを置けるようにすると便利です。60cm弱の小さなスペースでも、工夫次第でかなり使える空間になります。

この話はパウダースペースだけなんですが、家族構成は時間とともに変化していきますよね。たとえば、2人暮らしだったのが家族が増えていくという場合もあるので、洗面台をダブルシンクにするという考え方もあります。ただ、ダブルシンクにした人に話を聞くと、「結局、1つしか使ってへんわ」っていう人も多い。でも実際には、水栓が2つあると、隣で水を使いたい人がスムーズに使えるので、混雑はやっぱり緩和されるんですよね。

また、大きめのシンクを使うと、洗面だけでなく、ウールの押し洗いなんかにも使えるようになります。昔ながらの洗面器も便利ですよね。洗面台の横に置いておいて、必要な時だけ出して使えるようにするのもおすすめです。

最後に、ホテルなんかで引き出しを開けたら、ドライヤーとかアイロンがきれいに収納されてる体験、あれ、気持ちいいですよね。コードが絡まることもないし、サッと取り出してパッとしまえる。そういう引き出しを造作で付けてもらうのも、暮らしの中ではとても便利やと思います。ちょっとコストはかかるかもしれませんけど、長い目で見るとそれだけの価値はあると思います。

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