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【窓の可変断熱】ハニカムスクリーンでもっと快適に暮らす!

今回は、窓の可変断熱ができるハニカムスクリーンについてご紹介します。

窓の断熱を調整できる部材があることを知っていますか?あまりピンと来ていない方や、知らない方もいらっしゃるので、今日はそのことについて紹介していきたいと思います。

それは何かと言うと、ハニカムスクリーンというものです。ハニカムスクリーンとか、ハニカムブラインドとか、言い方は会社や個人によって多少異なります。これによって窓の可変断熱ができます。

ハニカムスクリーンは、蜂の巣のような六角形の空気層で作られたスクリーン、ブラインドです。実物を見ていただくと、アコーディオンのように伸縮する構造がわかります。六角形の空気層が伸びたり縮んだりすることで、畳むとコンパクトになります。また、ものによっては、大小の六角形が合わさって二重になっているようなデザインもあります。

ハニカムスクリーンの特徴は、空気層があるので断熱性能をある程度作ることができる点です。空気層がなぜ断熱性になるのか疑問に思う方もいらっしゃると思うので説明します。

「熱伝導率」という、熱の伝わりやすさを表す尺度があります。例えば、ガラスの熱伝導率は0.55~0.75W/m・Kとなっており、数値が大きいほど断熱性は低くなります。和紙などの紙の熱伝導率は約0.06W/m・Kです。ガラスと比較すると、いかにガラスが熱を通しにくいかがわかります。

また、ガラスにはダブルガラスやペアガラスというものがあります。これは、ガラスとガラスの間に乾燥した空気やアルゴンガスが封入されているものです。アルゴンガスの熱伝導率は0.0164W/m・Kで、非常に低いですから、ダブル・トリプルガラスの性能が向上するのもわかりますよね。さらに高性能なものだと、クリプトンガスを使ったものもあります。

一方で、空気の熱伝導率は0.0241W/m・Kです。アルゴンガスほどではないものの、紙と比べても半分~3分の1で、ガラスと比べても優れた断熱性能を持っています。

熱伝導率だけでなく、断熱材の厚みから見ても、ハニカムスクリーンの厚みはペアガラスやトリプルガラスよりも大きいです。つまり熱抵抗値で考えても、とても優秀な断熱材だと言うことです。

これを上げ下げすることで、断熱性能を調節できるということです。すべて閉じれば断熱性能が向上し、すべて開ければ元の窓の状態に戻ります。この可変性が、ハニカムスクリーンの大きなメリット・付加価値なのです。

ハニカムスクリーンを使うと、冬場だけでなく夏場にも快適に暮らせます。ハニカムスクリーンには、うっすら光を通す採光タイプと、光を通さない遮光タイプがあります。

例えば遮光タイプは、寝室などでうっすらと朝日が入って目が覚めてしまうことを防ぐことができます。家庭用プロジェクターで大画面の迫力がある映画を見たい人にも向いていたり、応用がきく窓のアクセサリーということになります。

ハニカムスクリーンを勧める理由は、パッシブ設計において、窓の性能や熱収支が重要であるからです。窓は、トリプルガラスにした方が性能が良いですが、日射取得で冬の光を効果的に取り込む際には、ダブルガラス窓の方が熱収支がいい場合があるんです。

ダブルガラスでは熱を損失しますが、太陽光からのプラスがあるんです。プラスとマイナスの熱収支で言うと、プラスの方が少しお得なことが、計算上わかっています。このため、ダブルガラスを南の窓に持ってくることが多いのです。

しかし、太陽が陰ると、ダブルガラス窓はトリプルガラス窓に比べて熱損失が大きくなります。そこでハニカムスクリーンを使うと、断熱性能を上げることができます。断熱性能が可変になるんです。日が昇っている時はしっかり太陽光を取り込んで、日が落ちたらハニカムスクリーンを下ろす。こうすることで、弱点をカバーできるんです。これを知ってもらいたいのです。

ハニカムスクリーンは新築時だけでなく、既存の建物の開口部のアクセサリーとしても効果的です。これを取り入れることで、非常にプラスになる点があるので、知ってもらいたかったんです。

ハニカムスクリーンを使う時のポイントの2つ目が、取り付け方です。

大抵窓には枠みたいなものが入っていて、少し奥行きがあります。ハニカムスクリーンは、このスペースにスポッときれいに入るんです。このようにハニカムスクリーンの上側を付ける方法を「天付」と言います。また、例えばカーテンがそうですが、窓の枠の中ではなく外側に付ける方法があります。それと同じ方式で「壁付」という方法があります。それぞれにメリット・デメリットがあります。

天付は、窓のフレームや枠の中にハニカムスクリーンがすっぽり入るので、すっきりと見えます。また、隙間も最小限に抑えられるので、断熱性能も比較的担保しやすいです。

一方、例えば窓の取っ手が大きい場合や、レバー型など窓の枠に結構出ている場合は、壁付でないと付けられません。取っ手とハニカムスクリーンが干渉してしまうからです。ただし、窓にぴったりと取り付けられないため、少しサイズが大きくなることがあります。

このような条件によって、ハニカムスクリーンをどのように選ぶかも重要です。

最後に、3つ目の重要なポイントは、ハニカムスクリーンの操作方法です。操作方法にはいくつかのタイプがあります。

1つ目が電動タイプです。これは便利です。ボタン一つで簡単に上げ下げができます。しかし、工事費用が掛かったり、制御盤も必要になります。また、後付けするのは難しいので新築時に取り付けるのが望ましいです。

2つ目が手動タイプです。一番よく使われるポピュラーなタイプです。手動タイプは4つのタイプにわかれます。今これを聞いて「ハニカムスクリーンちょっとええやん」と思っている人は、これをぜひ知ってほしいです。

1つ目に、コードレスタイプがあります。ブラインドと同じような操作するための紐がなく、両側にレールが付いているタイプです。レールを滑らせて上げたり下げたりできるタイプです。価格はやや高めですが、ぶら下がるものがないので見た目がすっきりしています。

2つ目が、コードタイプです。一般的なブラインドのように、紐を引くことで上げ下げするタイプです。操作が速くて簡単なのが特徴です。

3つ目が、上下コードタイプです。両側に2本の紐があり、窓の上側と下側をそれぞれ開けることができるタイプです。普通は上げるか下げるかだけだと思いますが、これは途中で止めることができるのです。窓の上側を開けたり、下側を開けたりすることができます。

この素晴らしさを教えてくれたのが、僕の朋友の小暮さんです。「なるほど、だから価値があるのか」と、とても勉強になりました。

最後に、ループコードタイプです。紐がループ状になっており、これを引いて回して閉めたり開けたりするタイプです。欠点は、ワンタッチで開くことはできない点です。井戸のつるべみたいに引くので、手間がかかります。しかし、例えば吹き抜けの高い窓や人が手が届かない位置の窓に便利です。ループを長くして操作できるんです。

吹き抜けのあるお家でスクリーンを閉めたい時は、1階に降りて、1階を閉めて、次に2階という感じじゃないですか。2階に上がる手間がかかります。しかし、ループが長ければガラガラと引いて一気に閉められます。ただ、ループをうまく下ろせない場合には、うるさく感じたり、これが気になって仕方ないという人もいます。

このようなタイプがあることを知ってもらうと、ハニカムスクリーンの持つ力を最大限に活用できるんじゃないかなと思います。

最後に、上下コードタイプを今回おすすめしたかった理由をご説明します。

大きい窓は南側に付いていることが多いと思うのですが、道路と窓の離隔距離が近い場合、通行人の視線が気になる問題がありますよね。しかし、カーテンとかスクリーンを閉めてしまうと、せっかくの日当たりが台無しになってしまいます。

ここで、上下コードタイプのハニカムスクリーンを使うと、上だけ開けたり、下だけ開けたり、あるいは上下両方を開けることができます。特に、上から降り注ぐ光はすごく明るく感じます。これを使えば、スクリーンを半分ほど閉めても、通行人の視線をカットしながら室内に光を取り込むことが可能になります。

私たちがお手伝いするお客様も、共働きの方々が多いです。せっかく南側に大きい窓を作っても、日中家を出る時にはスクリーンを閉めてしまう方がいらっしゃいます。

日中に日射取得をすると、家が一定の断熱性能であれば、室内が熱を蓄えてくれます。つまり、帰ってきてから暖房を付けても、その暖房費を削減できます。しかし、カーテンやスクリーンを閉めてしまうと、せっかく日射取得をしっかり考えた窓であっても効果が半減してしまいます。

少し上下を開けて家を出るのであれば、抵抗がない方も多いです。また、2階でも向かいの家の窓からの視線が気になるようなら、これを付けたらいいと思います。

人間の視線は、特定の高さに集中することが一般的です。そのため、全ての窓に目隠しを設置する必要はありません。人間の視線が集中するであろう部分だけにスクリーンを下ろせば、プライバシーを守りつつ、適度な日射取得を行うことができます。この方法であれば、日射取得も叶うし、それによって家の蓄熱も促進され、冬場はより快適になります。

もう1つ、これはなかなかマニアックな話ですが、夏にエアコンをかけて除湿をする場合、最近のエアコンは優秀になりすぎて、温度が一定になったら除湿を止めてしまうケースがあるんです。温度は低くなっても湿度がまだ低くなっていない時、それでもエアコンを働かせたいという場合に、裏技で少しだけ太陽の熱を入れるということがあります。

家全体で再熱除湿型のエアコンに近い働きをさせるようなイメージです。実験でやってみると、光を入れると暑いのか思っていましたが、温度は上がっても快適になるということがわかります。そこを意識してもらえるといいのかなと思います。

ハニカムスクリーンは多くのポテンシャルを持っています。既築の方やリフォーム・リノベーションを検討している方にも知っておいてほしいアイテムです。窓の改修の補助金が流行っている現在、窓だけでなくハニカムスクリーンも含めて考えてもらうと、より満足度が上がると思います。ぜひ参考にしてみてください。

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