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小屋裏エアコン冷房をオススメする理由

夏になってきましたので、今日は冷房についてお話をします。冷房というのは、もちろんエアコンを使うのですが、やり方が色々あります。ちょうど昨年の夏頃に何件かのお客様をお手伝いして、その方々からひと夏住んでみての感想をお聞きしてみました。その結果、これから家を建てる方にむけて、冷房のやり方、エアコンの使い方について覚えていただくとすごくいいなあと思うことが、いくつかありましたので、ぜひ聞いてください。で、おすすめの冷房ですが、ズバリ小屋裏エアコンによる冷房になります。

いつものようにスケッチを見てください、僕も20何年前に家を建てて、今も住んでますけど、家の構造的に小屋裏エアコンを使っての冷房ができないんですね。でも、一方でこれから新築される方でしたら、小屋裏エアコンを使う冷房はすごくおすすめです。

概要をご説明します。2階建ての家として、屋根裏の空間にエアコンを置いてグーンと冷やします。1階部分に大きなファンを1個、あとは2階の各居室とか廊下にむけて小さなファンを設置して、よく冷えた冷気をそれぞれの部屋に供給していきます。これを小屋裏エアコンによる冷房、という風に呼んでいます。これに関してはメリットがすごくあります。どういうことかと言うと、6月の終わりから9月20日ぐらいまでの夏期の間、24時間ずっと、どの部屋も冷房が効いていることです。これは最大のメリットです。イメージで言うと高級なシティホテルのような感じ。シティホテルにいくと、玄関入ってロビーも廊下も部屋も全部温度が一定で、すごい爽やかですよね。家全体が、ああいう感じがになります。

もう1つのメリットが冷房費。全部の部屋を空調なんかしたら、べらぼうに電気代かかるんじゃないの?って思われる方が多いんですが、一般的な断熱性能の家で一般的なエアコンの使い方するよりかは、冷房費が安く抑えられます。僕たちの試算では1軒の家で1ヶ月4,000〜5,000円ぐらいに納まっているケースが多いですね。

もう1つのメリットがエアコンのリプレイス(交換)。普通の家は、2階にメインの寝室と子ども部屋とで2つあったり、1階にはLDK、それから和室がある間取りもありますよね。そうすると合計5台ぐらいのエアコンを付けることになります。一方で、この小屋裏エアコンは1台のエアコンで全館冷房します。エアコンも機械なので、一定の期間使い続けると壊れてしまいます。耐用年数は10年と言われています。(実際12〜13年ぐらいです)。そうするとリプレイス(交換)っていう問題が出てきます。全館空調の家は台数が1台なので、5台ある家よりも交換などのコストが安いに決まってますよね。

もう1つのメリットが、体にやさしいということ。これは住んだみなさんがおっしゃることで、普通、暑い日はエアコン強めにかけますよね。そうすると冷たい風がビューっと来る。僕みたいな皮下脂肪の多い人間は暑がりなのでブンブン風来る方がいいんですけど、一方で僕の妻のようにすごく細い人は風が当たるとイヤがります。小屋裏エアコンだと、冷風が体に直接当たらないけど涼しい、ということが実現できます。

そしてもう1つ、家の外観デザインでノイズにならない、ということがあります。エアコンというのは、フレキ管と言ってドレーンなどを外に出して室外機とつなげる必要があります。なのでせっかく凝りに凝った外観作っても、それがノイズになるんですね。 (エアコンの)台数が少ないほうがスッキリしますから、これもメリットになります。

ここまで小屋裏エアコンのメリットを挙げてきて「そんなにすごくいいエアコンならやる!」
と思った方に、デメリットが1つあるということもお伝えしておきます。それは、作り手側に経験値がいるということです。実際に設計して施工して、現実に冷房した段階で、ホンマに冷えるかという検証するとこれが結構難しい。僕たちも初期は結構苦戦しました。見よう見まねでやるにはハードルが高い、という面があります。作り手側に確かな理論とチューニングが必要になりますから、経験値が必要です。なので誰もが気軽にやれるものではないというのが、デメリットということになると思います。

でもデメリットは、これくらいなので、経験がある住宅会社さんなら、メリットばかりになるはずです。なので、暑い夏を快適に過ごしたいという方は、ぜひ小屋裏エアコンというやり方がある事を知っておいて欲しいです。

24時間冷房は何がいいかというと、ずーっと冷やすことによって家全体が冷えていくので、壁とか床とか天井とかの家の表面温度がずーっと下がってきて、一定で保たれます。なのであまり室温を下げなくても結構快適に過ごせるんですね。冷輻射というやつです。この話は計画の段階でお客様にお話するのですが、みなさん半信半疑です。でも1年住んでみると、みなさん「あぁ。あのとき社長が言っていたことはこういうことなんや」と実感されています。住んだ人のみが実感する、得をするという部分になりますが、これも知っといていただけたらと思います。

この素晴らしい小屋裏エアコン冷房ですが、実は前提条件というのがあります。先程ただ単にこのシステムを真似してもうまくいかない、という話をしましたよね。ここに関わる内容で、冷房を効かせるためのポイントがあります。

このポイントですが、6地域で建てることを想定して話をしていきます。寒さが厳しい地域とか、沖縄のように兵庫より温暖なところは、また条件が違いますので注意してください。
6地域の場合、昔で言うQ値は1.9以下、今で言うUa値は0.75以下にはなってないと、小屋裏エアコンは稼働しません。部屋が冷えません。

HEAT20という指標の捉え方で言うと、概ねG1グレードぐらいです。なのでG1グレードになってないと難しいです。断熱性能については、これを指標にしてください。もう1つが気密性能。C値という測定をした結果、C値=1を切っていないと、やはり小屋裏エアコンは難しいです。エアコンが効かないですね。真似したのにエアコンが効かない!という結果にならないように、まず前提を抑えてください。

加えて注意をしてほしいのが、屋根の断熱。小屋裏にエアコンを設置して冷やしますから、屋根断熱をしっかりしてないとアカンです。屋根断熱は、よく10cmぐらいで考える人が多いんですが、それはやめてください。グラスウール換算で最低でも18cm。概ね20cmぐらいは絶対にキープしてください。それ以上大きいのは、大丈夫です。これが前提です。

そしてもう1つ絶対忘れてはいけない前提があります。それは日よけをしっかりすることです。難しい言い方で「日射遮蔽(にっしゃしゃへい)」と言います。僕はね、大手ハウスメーカーのパワービルダーさんで全館空調やってる家を見ると、すごく残念だなと思います。高性能を謳ってる会社さんがやっているのを見ると、良いように見えますが、僕からすると太陽の光をあまりに軽く見てると思います。。シェードでも庇(ひさし)でも、よしずでも、すだれでも何でもいいんですが、特に南面と夕方の西日の日よけをしっかりしておかないと、Q値=1.9を切るような性能が満たされていても小屋裏エアコンはうまく行きません。

逆に言うと、性能あまり追いかけるより、今言ったような性能ぐらいで抑えておいて、日射遮蔽を完璧にやった方が、絶対に絶対に費用対効果は高いです。小屋裏エアコンを勉強したい、やってみたいという方は、今言ったことを参考にしていただければと思います。

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