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片付く家の各論(サニタリー編)

今日は、片付く家の各論、その中でも一番のポイントであるサニタリーの考え方について解説をしていきたいと思います。

私の師匠に、家の整理整頓アドバイザーである草間雅子さんという方がいらっしゃいます。彼女に何年か前に会った時、一番最初に言われたのが「今建っている新築の家の最大の弱点は、サニタリーの収納量が全然取れてないこと」ということだったのです。その時はピンと来なかったのですが、詳しく彼女の経験を聞いていくと「なるほどな」と思うことがありました。これは家づくりにとって大事なことなので、改めて総ざらいで解説をしていきたいと思います。

サニタリーという言葉の定義は、浴室・洗面所・トイレとか、広い解釈ではキッチンも含めて、生活の衛生のために使う設備を持つスペースのことを言います。似た言葉にユーティリティという言葉がありますが、聞いたことはあるでしょうか。これは多目的な利用をする家事室のことを言います。

ユーティリティとは、キッチン・浴室に連続して料理・洗濯などが同時並行でできて、効率的にやれるようなスペースを総称して言います。洗濯機・アイロン・ミシン・食器を置いたり、はたまた食料を置いたりすることも含めてのスペースです。

今日私がフォーカスしたいのは、一般的に日本語で言うと洗面脱衣場または洗濯室と言われているスペースになります。洗面脱衣場・洗濯場を作る時、よくあるダメな提案というかスタンダードな提案があります。大体新築を建てられると、1坪タイプ・1616タイプという浴室のユニットを求められることが多いです。そこには当然脱衣場が必要ですが、決まったように洗濯機・洗面台が置かれるという、1坪型のサニタリーが設計されることがとても多いのです。ハウスメーカーさんのプラン集を見たら、こういう形が相変わらず多いと思います。

草間さんは、これが決定的にダメだとおっしゃるのです。何がダメかというのは、洗面ユニットも若干収納が付いていますが、根本的にこの設計では収納量が少なすぎるということをおっしゃっています。

暮らしているうちに、サニタリーには多様な物を置きたくなりますよね。洗濯機を置くから洗濯用の備品、脱いだ衣服を入れるカゴがあります。服を脱いだりするとホコリや体毛が落ちるので、バケツ・雑巾など掃除用品も置きたい。お風呂の隣ですから、バスルーム用品。洗面ユニットでお化粧をする人も多いので、コスメ・化粧品ですね。似たもので、ヘアケア用品・育毛剤も置きたい。

このように、どんどん増えていくんです。子どもも大きくなったら増えていきます。薬を置いておく人もいますよね。いわゆる殺虫剤・防虫剤みたいな薬品系を置くこともあります。さらに、オーラルケア用品。昔は歯ブラシ1本で済んでいたのが、電動歯ブラシで充電する所が必要になったりします。ジェット水で歯茎を洗って舌の苔を取るみたいな、歳を取ったらそんな物が欲しくなるのです。

人によってはティッシュとかのストックを置く人もいらっしゃいますよね。何と言っても、意外と見落としているけど脱衣場にあったら便利な物が、下着・ルームウェア・パジャマをしっかりと収められる引き出しや棚みたいなものです。これで9つです。

これらの9個のカテゴリーのアイテムを、わんさか置きたいのです。果たして置く所があるでしょうか。ないですよね。だからみんなニトリさんとかに行って、隙間家具を買ったりして、工夫して隙間という隙間に全部入れるけど、絶対にオーバーフローします。それらがどうなるかというと、隣接した廊下に行きます。廊下に3段ボックスを置いたら邪魔ですよね。汚れる元じゃないですか。だからと言ってリビングに置くと、余計に興ざめするから、こういう造りでは本当にダメなんです。

ではどうしたらいいのかと言うと、最近私がよく推している発想としては、洗濯・脱衣スペースと洗面スペースを分離することです。あえて一緒にする必要はないなと。約1間半の間口を作るぐらい贅沢にやると、引き出しとかカゴも置きながら洗濯機を置けます。さらに予洗いができるSK、いわゆる洗濯用流し(ドロップシンク)を作ったりして、棚にもいろんな物が備蓄できたりタオルが置けたりすると、非常にスッキリ片付くのです。

ここに9つのカテゴライズした物が全て収まるから、他が散らかりません。洗面を分離することで、コスメやオーラルケア用品も分離できるから、本当にゴチャゴチャにならないです。全部1ヵ所に集まってくるから、ここだけ朝10分でササッと掃除機をかけたり、クイックルワイパーみたいなやつでキュキュッと磨いたりしたら、美しさが保てます。実際に家事をされる奥様も、実感されているようです。

そうすると、洗面所は近くに置いてもいいですし、最近はウィズコロナで手洗いしてから家に入るというのがいい意味で習慣化していますよね。玄関付近に置くのも、大きな費用をプラスしなくてもできるという利点があります。

これはスペースを取るので必ずしも勧められないのですが、例えば洗濯機置場と脱衣場を分けて、廊下的なスペースが長くなった所にうまく南面と東面の窓が取れると、乾きのいい内干しスペースを設けることもできます。

サニタリーをうまく計画すれば、家がよく片付くし手間が掛からない。家事って同時進行が多いですよね。料理を作っているだけの料理男子みたいな人もいますけど、家事をする時は大体、料理をしながら子どもの面倒を見ながらお風呂を入れたり、洗濯したりすることがあります。特に共働きで仕事を持っておられる女性は、こういうことをすごく頑張ってこなされているじゃないですか。ということは、本当の家事の時短とか軽減というのは、サニタリーの作り方にかかっているのです。

最近はこういうことを勉強されてわかっている人も多いです。でも、相変わらず家族の中で家事をやられる方だけが悩んで、あとの人はそれに対してあまり関心がないことも、打ち合わせの現場では多かったりします。家族の幸せのために、こういうことを気にしていただけたらいいのではないでしょうか。ぜひ参考にしてみてください。

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