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ハザードマップはどこを気にするべきか?

今日は、家づくりのためにハザードマップを見る時のポイントについて解説します。

最近のお客様たちは本当にいろいろと勉強されていて、家づくりのためにハザードマップを見て土地の良し悪しや対策も考えられています。そういう中でも「ハザードマップって何?」という人もチラホラいらっしゃるので、マップの見方について解説していきたいと思います。

ハザードマップとはどんな物かと言うと、起こりうる災害を示す地図です。国交省・各地方の特定行政庁・自治体などが作っているので、ご存知の方も多いと思います。ハザードマップを見るには、何が書いてあるかをまず知ってもらわなければなりません。

ハザードマップは、6つのことについて解説されています。まずみなさんが一番気にされているのは洪水情報(想定最大規模)です。これまでの歴史における観測値で想定される、最大規模の被害について表されています。

ここで注意してほしいことがあります。1級河川・2級河川など大きな川の氾濫情報はみなさんも気にしますよね。でも意外と見落としがちなのが用水路です。私は姫路平野に住んでいますが、今は住宅地になっている所も昔はほとんど田んぼでした。売りに出された田んぼは少しずつ開発されていくので、家を建てている周りで田畑をやっている土地もあります。そのため、用水路は必ず残るのです。自然にできた川は、ある程度スムーズな流れになっていると思います。しかし用水路は田んぼや土地の境界線があるため、カクカクせざるを得ません。そういった所は、一気にたくさんの水が来た時に弱いので、用水路周辺も気にしてほしいと思います。

洪水に関しては、岡山の真備町みたいに大きな危険があると警告されるような所もありますが、0.5〜1mぐらいまでなら対策ができて長い期間安心です。しかしそれ以上になると、かなり高度な対策をしなければいけません。

次が土砂災害です。私は学生時代と社会人になった頃は、広島で仕事をしていました。斜面が削られてどんどん造成地ができていた頃です。それを見て、「こんな斜面に家を建てるんだな」と思った記憶があります。そういう場所で地すべりを起こす可能性があるのです。それから、上流部に砂防ダムなどがある場所は、門を越えるぐらいの土石流が来るような所もあります。こういう情報が書かれているのが土砂災害のマップです。

地すべりや土石流は、めったに起こることはないと思いますが、ここのところ温暖化の影響で集中豪雨がすごいですよね。100年に1回ぐらいのようなことが毎年のようにどこかであります。どこで何が起こるかわかりませんので、これもよく見ておいてください。

次は高潮です。高潮の想定最大規模と、津波の想定最大規模があります。高潮と津波も、0.5〜1mぐらいまでが1つの目安です。もしそれ以上になるとしたら、いっそ1階部分を車庫・ピロティにして2階・3階に住むみたいな感じで計画した方がいいこともあります。

家を建てること自体には関係ありませんが、道路防災情報というのも書いてあります。冠水予測と言って、道路がどういう風に浸かるかです。土石流の危険があるとか災害警報が出た時って、逃げなければいけませんよね。その時にどこが通行止めになるとか、水に浸かる可能性があるかということが確認できます。リスクを取ってそこに住むと決めた方や、「昔からここに住んでいるからここで建て替えをするんだ」という方は、特によく見て備えてもらえればと思います。

最後に地形分類です。地形というのは、長い歴史の中でいろんなことがあるんです。例えば東京に行くとよく思います、溜池山王という所はきっと大きい溜め池があったんだろうなと。六本木も都会ですごいなと思ったら、やたら坂ばかりだとか。そして坂がある所には、必ず盛土あるいは切土、それから地滑りが起きるということがあります。昔は氾濫がよくあった氾濫平野とか、土砂が積もり積もった地盤なんだみたいなことが、地形分類というマップで確認できます。

いつだったか、北海道のどこかで谷を埋めて造成した所が、液状化を起こして酷いことになったという報道がありました。これは、地形分類というハザードマップを見ておけば自ずと予想できたことです。普通はリスクがある土地については重要事項として説明がありますが、重要事項は意外といざ買う時にしか聞かないことが多いと思います。それまでに聞いてなかったら、災害リスクを防げないのです。そういう面でも、土地から探して家づくりをされる方は、あらかじめマップを見ておかれるといいのではないかと思います。

このようにハザードマップは使えますが、一方で、ハザードマップを気にしていたら家が建たないという実情もありますよね。大きい川に挟まれていたりすると、なおさら仕方がないこともあります。1級河川は、行政も防波堤とかで対策をしっかりするじゃないですか。だから意外と事故が少ないというケースもあります。そんなことを言っていたら土地がないという時は、ちゃんと治水がされているかという視点も最後の判断材料にしてもらえればと思います。

それで「大きい川は気にしたけど、小さい川は気にしていなかった」ということが起こり得ます。用水路レベルになると、ハザードマップも大事ですが近所の聞き取りが重要です。ご近所のお年寄りに「教えてください」と言ったら、多くの方がきっちり教えてくださると思います。「昔はどんなことがありました?」と聞くのも、安心して住むための小さな努力になるはずです。

そんなことを思いながら、ぜひハザードマップを活用してみてください。

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