2025年末:冬本番間近! 古い家のための寒さ対策
こんにちは、モリシタ・アット・ホームの森下です。もうずいぶん寒くなってきましたね。僕も年を重ねてきて、最近はこの寒さが骨身に染みるようになってきました。そんな季節ですから、今日は「家をあたたかくする」という話をしたいと思います。特にその中でも「古い家」に焦点を当てて、寒さ対策についてお話ししていきたいと思います。おそらくこの動画をご覧いただく頃には、年末が近づいていて、街ではジングルベルが流れている頃でしょう。クリスマスやお正月を前に、家族で集まる機会も多い時期だと思います。そこで僕は今回、「古い家に住む年長者の方々のための寒さ対策」をテーマに、できれば若いお孫ちゃんたちと一緒に楽しく取り組めたらええなぁという思いでお話をしていきます。
寒さ対策には大きく分けて、DIY(日曜大工的な断熱強化)と、プロに頼む断熱リフォームの二つがあります。もちろん僕はプロですので、後者の話もよくしますが、年長者の方々とお話していると、「お金がもったいないから大丈夫、我慢するわ」という方が本当に多いんです。でもね、それが僕はすごく悲しいんです。長年働いて、家庭を守ってこられた方々には、やっぱり歳晩は快適に、豊かに過ごしてほしい。だから今日は、お金をかけなくてもできる“あったかい家づくり”の話をしたいんです。
まずはDIYでできる断熱強化です。日本の家が寒い最大の原因は「窓」です。昔ながらのシングルガラスや木製建具の窓、あるいはアルミサッシに単板ガラスの窓。どちらも冷気が入りやすく、めちゃくちゃ寒いですよね。プロの断熱改修では二重窓をおすすめしますが、費用がかかるのでためらう方も多い。そこで僕がこの数年おすすめしているのが「プラダン(プラスチック段ボール)を使った二重窓」です。新聞やテレビでも取り上げてもらいましたが、「うちは広縁があって窓が大きすぎてできへん」という声も多くありました。そんな時に便利なのが、最近話題の“配線カバーを使った簡易フィックス”という方法です。
配線カバー、いわゆるモールですね。LANケーブルや電源コードを保護するアレです。裏に両面テープが付いていて、パカッと開いてコードを入れて閉じるだけの簡単なもの。これを窓の四周に貼って、そこにビニールシートをピンと張ってはめ込むと、立派な簡易二重窓になります。大きな窓でも簡単にできるし、取り外しもできます。プラダンよりも軽くて加工が楽なので、高齢の方やお孫さんとの作業にも向いてます。
古い家に行くと、寒さ対策として厚いカーテンを閉めっぱなしにしているお母さんも多いんです。「寒いから閉めとんや」と言われるんですけど、それではせっかく南向きの広縁なのに、太陽の光が入らなくて部屋が暗くなってしまう。日中カーテンを開けて日差しを取り入れたほうが、部屋は自然にあたたかくなるんです。だからこそ、窓の断熱をしてカーテンを開けられる状態を作るのが大事なんです。
次に、「隙間をなくそう作戦」です。例えばおばあちゃんの寝室が寒いというなら、その部屋を“温室”にしてしまうんです。どうやるかというと、マスカーテープという、塗装用の薄い養生シート付きテープを使います。安価で軽く、天井まで一気に貼れるので、壁や窓をぐるっと覆ってしまうんです。冬場は窓をあまり開けませんから、室内をシートで囲うようにして空気の層を作ると、驚くほど温かくなります。ストーブのような燃焼系は使えませんが、エアコンやセラミックヒーターなら安全に使えます。
それともう一つ。畳の部屋で寝ておられる方は、ぜひこの年末の大掃除のタイミングで畳を一度めくってみてください。その下に「エサフォーム」という薄い断熱シートを敷くんです。発泡ポリエチレンの素材で、安くて軽くて扱いやすい。床板の隙間から冷気が上がるのを防ぐことができます。ジョイント部分は養生テープで留めて、畳を戻せばOK。部屋の隅は特に隙間風が入りやすいので、しっかり目張りをするとさらに効果的です。
次は「非居室の暖房」です。特に洗面脱衣所やトイレ、廊下などに暖房機がない家が多いんです。服を脱ぐ場所が一番寒いのは本当に危険で、ヒートショックの原因になります。センサー付きの小型セラミックヒーターを設置してほしいですね。最近はネット通販で安価に買えますので、ここは若いお孫ちゃんたちの出番です。「ばあちゃん、これであったかくなるで」と言って買ってあげてください。
4つ目は「エアコンのタイマー設定」です。うちの母もそうなんですが、「もったいないから」と言って朝いちばんの寒さに耐えるんです。でも、朝方の冷え込みは血圧を上げて倒れる危険もあるんです。僕は母の部屋のエアコンを朝4時にタイマーセットしています。30分もあれば部屋は十分あたたまる。起きたときに暖かいというだけで、身体の負担は大きく減ります。
こういう工夫を息子がすると、「そんなせんでええ」と言うのに、孫がやると「ありがとうなぁ」って言うんですよね。ちょっと悔しいけど(笑)、そういう心理もわかります。だからこそ、年末年始に若い世代が大掃除を手伝うついでに、こうしたDIY断熱を一緒にやってもらえたらと思います。ほんの半日でも、家の温度は5℃ぐらい変わります。外が5℃でも、室内が10℃あるのと15℃あるのとでは全然違います。
その上で、もし可能ならプロによる本格的な断熱改修にもつなげていってほしいです。特に「気流止め」が大切で、床下からの冷気を遮ることで、煙突効果(下から冷たい空気が入り、上から抜ける現象)を防ぎます。DIYではテープでの目張りでもいいですが、プロなら壁内や床下に断熱材を入れて、よりしっかりと対策できます。
そして、タイル風呂のお家は要注意。タイルは冷たく、冬は危険です。もし古くなっているなら、この機会にユニットバス化を検討してもらいたいです。玄関も同じで、引き違い戸の古い玄関は冷気が入りやすいので、廊下との間に建具を一枚設けて“風除室”を作るだけでもかなり違います。
また、非居室に暖房器具を置くための電源も大事です。延長コードでは危険なので、できれば電気工事士の資格を持つプロに頼んで、専用コンセントを設置してもらいましょう。
最後に、古い家で寒さを我慢しているシニアの皆さんに伝えたいです。どうか「もったいない」と我慢せず、自分のためにお金を使ってください。僕は母にも言っています。「僕らに使わんでええから、自分をあたためるために使い」と。寒さは人生の質を下げます。実際、僕の親戚のおばちゃんも寒い家で暮らしていて、今は病院に入っているんですが、病院で初めて“寒くない幸せ”を感じているようでした。だからこそ、家にいるときからその快適さを味わってほしい。
もうすぐ冬本番です。古い家にお住まいの方、どうか「シートを貼るなんて」と思わずに、一度やってみてください。きっとその違いに驚きます。年末年始をあたたかく過ごして、心までほっこりしてもらえたら嬉しいです。お孫さんたちも、ぜひおじいちゃんおばあちゃんの家に行って手伝ってあげてくださいね。寒さから体調を崩すことがないように、そして笑顔で冬を越せるように。心から願っています。
いつも家づくりや暮らし方の話をしていますが、今日はちょっと熱くなってしまいました。それでも本当に大切なことだと思っています。ぜひ参考にしてみてください。よかったらチャンネル登録をしてみてください。


