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60年保証には落とし穴がある

今日のテーマは
60年保証についてです。

先日お客様から
60年保証ができる会社と
契約した方がいいですか?
と言う質問を受けました。

長い期間
保証してくれる方が、
安心ですよね。

でも、この「60年保証」は
僕からすると
お客様の不安に
つけ込んでいる部分も
あると思っています。

それはなぜか?
ということを
説明していきます。

60年保証は、
引き渡しから始まって、
10年、20年、30年
40年、50年、60年と
長きに渡って
保証するよ、
ということです。

「保証するんですよ」
と聞いて安心される方
多いと思います。

でもね、実はこれ
実際の内容と
みなさんが思っている
イメージとは
ちょっと違うんです。

昔から住宅には
「10年保証」という
言葉があります。

この10年保証の延長で
60年保証を
捉えてはいけません。

確かに、
10年保証は無料です。
何かあった時は
無料で何でも
やってくれます。

なぜそうかと言うと、
法律の縛りがあるんです。

「品確法」という
住宅の品質を良くする
促進法みたいな法律が
あるんですね。

工務店さんとか
ハウスメーカーさんとか、
家を建てる
事業者の人には
「瑕疵(かし)担保責任」
というものがあります。

家に瑕疵などの
問題が出た時は、
10年間は
絶対責任を持って
対応しないと
いけませんよ、
という内容です。

品確法は義務なので、
当然、無料なんです。

10年保証って、
昔は大きい会社が
「ウチは大企業で
すごい余裕があって
安心やから
10年保証
できるんでっせ」
みたいな感じで、
説明してました。

でも、品確法によって
今は小さな会社でも
守らなければいけません。

「瑕疵担保責任」を
しっかり実現するために
また法律があって、
「瑕疵担保履行法」
と言うものがあります。

全ての業者は、
供託金(きょうたくきん)
と言って
保証金のようなものを
積んでいるか、
大きな保険会社の
保険に入っています。

もし仮に赤字になって、
お客様の対応ができない
ということが
起こらないように
保険を掛けておいたり、
供託金を
大きい財団みたいなとこに
プールしておきます。

もしものときは、
そうしたところから
補填してもらいます。

供託金に関しては
一棟あたり
2000万円位と
結構高額なんです。
中堅の会社でも
負担が大きいですね。

この供託金は
大手の会社が
活用しています。

千棟とか1万棟とか
数が多いので、
一棟当たり
10万円位で
収まりますので。

小さい会社は
保険会社に入ります。
住宅あんしん保証さんとか
ハウスプラスさんとか。

ちなみに
保険を持ってる
会社さんというのは、
たいてい
再保険と言って、
大きい保険会社が
後ろについています。

極端に言ったら、
日本で一番優良な会社の
トヨタさんより
格付けが上のような
保険会社さんが
いるってことです。

なので、もしもの時は
どんなに小さな
会社であっても
逃げ隠れせず、
消費者の権利を守る
制度になってます。

お客様からすると
すごい安心ですよね。

ただ、
誤解のないように
言いますが、
10年保証は
何でもかんでも
保証するわけでは
ありません。

保証してくれるのは
構造・防水です。

構造は基礎と躯体とか。
余程のことがなければ
壊れませんが、
壊れたら
ちゃんと直しますよ、
ということです。

防水は、
雨漏りのことです。

今、
挙げたことについては
保証しますよ、
ということなんです。

だから、
クロスがよじれたとか、
ちょっとした傷とかは
無料でないこともあります。
会社さんによって
いろいろラインがあります。

例えば、
1年2年とか
5年7年とかで刻んで、
部位によって
無料対応するとこと
有償対応するとこを
10年の期間で
分けていくのが
実際の保証の中身に
なっています。

10年保証でも
そんな感じなので、
60年保証にも
免責事項があります。
無料ではない内容が
決まっているという
ことですね。

さらにですね、
大抵は
10年保証が終わる頃に
どうします?
期間延ばしますか?
と聞かれます。

その時に
60年間
保証してほしいので、
まずは20年延ばします、
と契約したら、
有償の工事が発生します。

10年経ったタイミングで
1回検査をしますよね。

家は10年経ったら
何らかの不具合が
あります。
コーキングが
ちょっと消えてるとか、
色が剥げたとか、
防水の塗膜を塗るとか。
そういう内容です。

これ修理は有償です。
それをやったら
保証を20年延ばす、
ということになってます。

また20年延ばすときも
同じです。
基本は
こういう構造です。

会社によっては、
もう5年。
15年のタイミングで
またチェックが入る
ケースもあります。

大手ハウスメーカーさんは
基本的に、
金額が高めですよね。

高いけど
「60年保証ですから
安心ですよ」
と言う説明を
されていると思います。

でも、高いけど
「60年間無料ですよ」
と言うなら、
納得できるかも
しれませんが、
有償工事が必要となると、
最初に思っていたことと
内容が違いますよね。

イニシャルコストも
ランニングコストも
高くなりますから。

なので、
60年保証というのは
そういう仕組みに
なっているというのを
知ってほしいんです。

60年保証を
売りにしている
会社さんはというのは、
その多くが、
大手の
ハウスメーカーさんです。

いわゆる
プレハブ住宅を
扱うことが多くて、
彼らの工法は
クローズド工法です。

クローズド工法って何?
という方のために
解説をしますね。

僕たち町の工務店は、
在来木造住宅と言って
オープン工法です。

オープン工法というのは
誰もが知ってる工法です。

モリシタが
手掛けた家であっても、
全然違う
工務店さんが見たら
すぐ分かる。
すぐに手が入れられる、
そういうものが
オープン工法です。

クローズド工法は
特殊な工法です。
工業化住宅は
クローズド工法で
あることが
とっても多いと思います。

一番典型的なのは防水。
防水は、
各社で独特の方法が
取られていて、
やり変えようと思っても
その会社じゃないと
できないということが
多いです。

なので大手さんは
「高いですけど安心です」
「60年安心です」
と言いますが、
有償工事で
保証を少しずつ
延ばしていきます。

「どうせ手を入れな
アカンのやから
修理するわ」
となったとき、
彼らは
クローズド工法での
リフォームの
見積もりを
持ってきます。

ということは、
相見積もりが
できなくなります。
工法が違うから
単純に高い・安いの
比較ができないです。

モリシタは
オープン工法なので、
同じオープン工法の
工務店さんに
見積もりを
出してもらえば
比較ができますし、
そういうことも踏まえて
ウチでは妥当な金額を
出すようにしています。

でもクローズド工法は
違います。
比較して
高いと伝えても
「全然物が違うんで」
と言われます。

だから
60年保証を
強くアピールするのが
オープン工法の
住宅会社なら、
まだフェアだと
思うんですけど。

クローズド工法の
住宅会社なら、
お客様に
そこまでちゃんと
説明しないと
いけないんじゃ
ないかなと
思いますね。

僕の親戚にもね、
「こんな見積もりが出て、
400万なんだけど
やっぱり
これ位掛かるの?」
と聞かれました。

修理の内容自体は、
モリシタでした場合
150万円から250万円で
済むものなんですね。

でも、その親戚の家は
クローズド工法の
家なので
比較ができないんです。

なので
「よく見たら、これは
クローズド工法やから
この会社でないと
ダメなんちゃうん?」
と正直に伝えたら
すごいショックを
受けたみたいでした。

クローズド工法だと、
こういうことが
実際に起こります。

なので「60年保証」に
目を奪われるのではなく、
その会社の免責事項、
特に60年間での
免責事項を
確認してください。

これはできる・できない
というのが
会社によって
事細かく
決められています。

目端の効いた
営業の方とか
コンサルの人なら
免責事項に
注意してください
と言えます。

でも、その内容が
オープン工法か
クローズド工法か
というのは、
結構見落としがちです。

なので
免責事項はここまで
確認してください。

僕は最近、
常々思うんですが
最近の家は
すごく品質が
上がっています。

ぶっちゃけね、
余程変な職人さんとか
住宅会社に
当たらない限りは、
30年
手を入れなくても
大丈夫だと思います。

30年以上
経過した家は
少し手を入れる
必要があります。

でも、その時も
すごくお金を掛ける
必要はありません。

ある程度掛ければ、
60年は普通に持つ、
という感覚があります。

それ位、日本の家は
みんな勉強して
品質を上げてきました。

でも、結露については
気になることがあります。

家の寿命を
一番揺るがすのは
結露です。

結露は
人の体にも良くないし、
家の構造にとっても
良くないです。

でも、60年保証に
結露に対する
担保があるかと言うと、
しっかり担保しているのは
今の所どこにもない
という印象です。

だからですね、
これから家を建てる人は
「60年保証」という
ネーミングに
踊らされずに、
お金を掛けるべきところと
施工のポイントを
しっかり
抑えてほしいんです。

住宅会社を決めるときも
60年保証より、
お金と施工のポイントを
しっかり伝える
会社のほうが
僕は信頼感があります。

例えば、
結露についても
「僕たちは
こう考えてます」と
言う会社ですね。

蛇足になりますが、
瑕疵担保保険に
関しては、
家の基礎とか、
屋根などの躯体に対する
保証になります。

シビアなこと言うと、
基礎の下の
地盤は入りません。

でも基礎の
大きなトラブルは、
地盤の不等沈下とか
地盤絡みのトラブルから
発生することが
多いんですよね。

そうなってくると
「保険に入ってるから安心」
ではなく、
その保険と地盤保証とが
どんな感じに
組み合わさっているかを
確認してください。

それで
「お宅はどんな風に
考えていますか?」
と聞くのが
真の安心に
つながると思います。

オープン工法・
クローズド工法の
有無に関してと、
免責事項が何か、
そして地盤保証は
どんな風に
考えているのか
という事の方が、
60年保証より
優先順位が高いです。

これらを
気にしていただいて
家づくりに
取り組んで
いただければと
思います。

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