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60歳になったらリフォームよりリノベをすすめる理由

今回は、家づくりを終えて新しい暮らしが始まり、長く住んでいくと、家が古くなっていくことは避けられないという話をしたいと思います。その中で、どういう風に家を維持し、生活を続けていくかという問題が起きます。その時に2つの選択肢、リフォームとリノベーションの違いについて、私が考えることについて解説していきたいと思います。

最近61歳になりましたので、周囲で定年退職みたいな声を聞くことが増えました。60歳前後の人たちが家を触る、暮らしを変えるというタイミングが2回あると考えています。

1つ目は子育てが始まる時で、このタイミングで新しい家に住みたいと思うことがあるでしょう。もう1つは、定年間近や定年後に、ずっと住んできた家を刷新しようとすることが多いと思います。多くの人がリフォームを希望するかもしれませんが、リフォームには大きく言えば3つの意味があると考えています。

まず1番は、設備の交換リフォームです。例えば、お風呂やキッチン、トイレ、給湯器などの設備を交換することがあります。これは必要なことで、給湯器などは交換しないと困ることもあります。もう1つは、通称「化粧直しリフォーム」と呼ばれるもので、壁紙の張り替えやカーテンの交換、外壁・屋根の補修などが含まれます。また、故障がある場合も修理が必要です。防水のやり替えも忘れずに行うことが重要です。

このようなリフォームは、建物を新築時の状態に近づけることを目指しています。設備の機能が戻ることもありますが、多くは新築時の機能に近づけるために行われます。60歳前後になった時に家を改装する場合、リフォームも良い選択肢ですが、最近ではリノベーションが良い選択かもしれません。リノベーションにはいくつかのアプローチがありますが、1番は古い家の耐震性が不足している場合です。地震が来た際に心配な家に対して、耐震補強を行うことが必要です。

2番目は、インフラの更新です。古い家では水道や電気、ガス設備が古くなっており、更新が必要かもしれません。これらのインフラを更新することは、家を維持するために大切な作業です。そして、3番目に間取りを変えることが挙げられます。

ちょっとそういう言い方したらよくないかもしれませんけど、20~30年前の家って、家事を合理的に行うことに関してはあまり考えられていない家が多いというのが僕の印象なんです。すごく苦しいやりくりやアクロバット的な家事が、主に奥さんが担い手として行われてきたり、寒い中で洗濯をしたり、使いにくいキッチンで頑張ったりとか、洗濯のために何度も2階に上がったり下に降りたり、あっち行ったりこっち行ったりしなければならなかったりします。

しかし、今ある現行の間取りをベースにして知恵を絞れば、これらの問題を解消することができることが結構あります。こういうことが、私がリノベーションと考える要点です。

そしてもう1つの大きな柱が、家の断熱性能と気密性能を高めることです。私は本当に思うんですが、日本人は辛抱強く忍耐強い人が多いので、寒さや暑さに耐えて何十年も暮らしてきた人が多いんです。しかし、最近の気温は昔と比べてかなり高く、夏は特に暑さが厳しい状況です。例えば、昔の暑い日が33℃だったとしたら、今の暑さは35~36℃で、地方によっては40℃近くまで上がることもあります。

また、寒さに関しても、ヒートショックという危険が存在します。全国でヒートショックで死ぬ確率が最も高い県は、意外なことに香川県と兵庫県です。これらの県はあまり寒いイメージがありませんが、断熱性能と気密性能が低いため、ヒートショックが起こりやすいのです。年を取れば取るほど、ヒートショックのリスクが高まる中で、断熱と気密性能を高めないと、生死に関わる事態が起こるかもしれません。

最後に、生死に関わることの1つとして、空調と給湯システムの刷新があります。たとえば、夏にはエアコンがないと熱中症になる可能性が高く、冬には暖房が不足して寒さに耐える必要があります。しかし、家の全体的な環境を整える概念が薄かったため、エアコン以外の暖房があまり一般的ではありませんでした。

リノベーションは、リフォームに対して、新築時よりも性能を向上させることを指します。これを60代になって考えると、居住スペースに対する投資は最後になることが多いです。ですので、ぜひリノベーションを検討していただきたいと思います。

今回、この話をしたかったのは、最近の僕の体験がありまして、最近よくシニアの方からご相談を受けることがあって、家をなんとかしたいという願いがあります。もちろん、建て替えの相談もあれば、リノベーションの相談もあり、リフォームの相談もあります。

何人かのシニアの方と話している中で、最近立て続けに80代の方とお話しすることがあって、直近の2~3組の方を思い出しても、84歳・87歳・86歳とか、僕から言うと、僕の父親・母親の世代なんですけど、びっくりするぐらいお元気です。何より、その方々は女性じゃなくて男性ですけど、84歳・87歳の男性は、こんなこと言ったら怒られるかもしれないですけど、死ぬ気が全くない感じです。本当に、その歳になるとそういう気分になるのかと思ったら、全然(なっていない)んです。

この先輩たちは何年生きようと思っているんだろうと思う感じ。思うのは、60代ぐらいで、この先あと何年住めるかわからないから、と言って節約志向というか、消極的に思う人がいるんですけど、いやいや、今の日本の人って80代でもめちゃめちゃ元気だし、生活に対する良い意味での意欲や欲がすごくあるんです。

正直、同級生は定年退職で引退みたいな人が多くて、意気消沈して、「俺もそろそろなんだけど」って感じなんですね。あんな人たちから見たら、まだまだ僕は小僧・子どもだなと、何を言っているんだ、もっと頑張れとすごく思いました。何を言いたいかというと、よく競馬に例えて「人生第4コーナー」とか、「1番最後のコーナー」というんですけど、60代って第4コーナーじゃないかなと思うんです。そこから20年・30年の人生が最後に始まっていく、深まっていくっていう状況においては、リフォームでいいんですか?という感覚なんです。確かに綺麗になりますし、便利になりますけど、綺麗になる・便利になるぐらいのレベルなんです。根本的な生活の質がそんなに変わるわけではないんです。

私は思うんです、60歳まですごく一生懸命生きてきて、子どもさんも育てられて、自分が仕事で携わった部下の方も育成されたりとか、いろいろご苦労されてきての60代じゃないですか。そうしたら、変な遠慮とかじゃなくて、ご自分たちのために、ご自分の生活の質を高めることに投資をされるべきじゃないかなと思うんです。何より、リノベの3番で言いましたけど、間取りを変えるっていうところに、本当に思うんですけど、死ぬまで家事するんです。

私みたいな昭和のお父さんでも、家事を全然しないというわけにはいかないんです。奥さんが体調悪くなったら介護っていうよりは、自分の洗濯や食事ぐらいは絶対にしなければなりません。その時に、こんなにやりにくい場所でやっていたのかと思うのは、良くないですよ。1番はお金を使うことに対する消極性っていうのは、子どもに迷惑をかけないようにしたいという親心があるなと、自分も思うので、あると思うんですけど、1番子どもに迷惑をかけないのは、死ぬ直前までピンピンとしていて、自分のことをちゃんと自分で世話できて、自分の面倒を見れて、生ききることじゃないかなと思うんです。

まさに、さっきご紹介した諸先輩は、そういう気概に溢れている。そう思うと、もしリフォームを僕が言うような新築時に戻すリフォームで、一定の資本投下を考える方だったら、ちょっと待てよと、生活の質を上げるという要素を吟味しておく必要はないかなと、すごく思って欲しいなと思うんです。工務店のオヤジが仕事欲しさに言っているのではないですからね。本当に頑張ってこられた方に、最後に質の高い暮らしを得てほしい。それが本当に大事なことじゃないかなと感じたんです。60歳の男が何をワーワー言ってるんだと諸先輩が見たら笑われるかもしれませんけれど、でもそんな感じで、ぜひみなさんもリフォーム・リノベーションを眺めていただいたらどうでしょうか。きっと質が上がることで、よかったなと思ってもらえることが絶対にあると僕は確信してるので、今日は長々喋らせていただきました。

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