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築25年以上の家をリフォーム(リノベ)する時に考える前提

今回は、築25年以上経過しているお家をリフォーム・リノベーションする際の計画についてお話しします。まず、考えておかなければならない前提条件について、説明したいと思います。

家作りに関してのトピックは大きく言うと2つのジャンル・テーマがあって、その1つが家の構造です。地震・台風などの災害にどれだけ耐えられる家かということ、冬は暖かい・夏は涼しい、光熱費がかからず省エネ性が高いということ、つまり断熱がもう1つのテーマです。

僕が木造住宅の耐震性・強度を考えるようになる最も影響があった出来事は1995年の阪神・淡路大震災でした。僕は兵庫県の南部に暮らしていますので、一定の被災をしたわけです。そこから日本の木造住宅は大きく変わっていったなと思った経験があります。だから阪神・淡路大震災の時は木造住宅がたくさん倒壊したので、特に鉄骨・コンクリート構造の建物を建てている人たちから「木造なんかアカン」というキャンペーンがあった記憶があります。

僕が社会人になる前ぐらいに1987年に旧住宅金融公庫が高耐久住宅という概念を出しました。この時に公庫基準でいう高耐久の基準で家を建てたら、融資の額は100〜300万円と大きな額でもできますとか、返済期間を伸ばしてもいいですよとか、買い手にとってはすごく有利なものになった。そして高耐久住宅という概念が出てきて、それまではなんとなく経験と勘で作ってきた木造住宅というものを少し基準化していった。

でも吉として進まず、大きな地震で大きな経済的損失が起きたり、人が怪我をしたり亡くなったりして、「これではだめだな」と変わっていた感じです。そこから具体的な建物の基準が大きく変わりまして、1999年に品確法という法律ができて、建物の品質をきちんとしようという風になりました。この中で画期的なこととしては、10年保証の義務化が行われたことです。それまでは独自の努力義務で10年保証をしていた公務店さんやハウスメーカーさんはありましたけど、法律で絶対にそうするように言われたわけです。だから品確法でいう新たな建築基準法より上になるような厳しさを持つ法律がその頃にできて、同じころにJIO(日本住宅保障機構)という第三者の目で建物の品質がきちんとしているかどうかをチェックする検査機関ができたと記憶しています。

その後さらに翌年(2000年)には木造建物の使用規定が強化された。使用規定というのは木造構造計算の1つのルールみたいなものです。何が強化されたかというと、4つありまして、(1つ目は)壁量計算に関してちゃんと確認しなということです。建物の耐力壁・筋交いがちゃんと入っているかどうかを見る。これは前からあったけど、より明確になった。2つ目が四分割法と言いまして、簡単に言うと建物を4つ分けて耐力壁がどこかに偏ってもあまり意味がないので、満遍なく強いかどうかを見ようということ。それから3つ目はN値計算。建物の柱の頭と根元に対して地震が起きた時に、梁に抜かれようと力がかかるので、これに関して備えができているのか計算もせなアカンのです。4つ目は、少し驚かれるかもしれないんですけど、基礎の配筋に関して最低限のルール化がされました。それまではあまり明確じゃなかったんです。推奨・こういうふうにやった方がいいよというのはあるんですけど、法律ではっきりとしたのはこの辺りです。基礎の断面の寸法が最低限こうとか、配筋のピッチがこうとか、全部明記されていきました。

そして2009年には住宅の瑕疵担保履行法(が出された)。さっき品確法の時に言った10年保証義務化の保証をするために、中小工務店も多いから保険に入って、何があってもお客さんが10年守っていけるようにする建物は10年安全に建ってたらそれ以降もちゃんと持つ。アカンやつはもっと早くダメになるので、こういうことを強化する法律ができました。

そうしたら、世の中の木造の建物が丈夫になって、例のプレカットという工場で刻んでいく技術の確立もそうですけど、そういうことも前提にやって、基礎がベタ基礎と言って、地盤と接する面積が広い方が有利なんです。だから冬に雪の上を歩く時にはスキー板・がんじきを履いたりしたら体は沈まないじゃないですか。面積が広かったら、重たいものでも沈んでいかない。家も一緒なんです。ベースが広い方が接地面が増える、そんな単純じゃないけど、ざっくりそういう風に見てもいいですよね。

それからさっき言った引き抜きのように、強い力が外れて、基礎と建物の土台が外れて柱が抜けてしまうことがないように、ホールダウン金物が世の中に一気に広がったのが2000年の使用規定の強化以降、2002・3年ぐらいに現場レベルでは一気にそれがスタンダードになって、それ以降は「この家はベタ基礎じゃないんですか、ホールダウンがないなんてありえないでしょ」と言われて、ホンマに現場の職人さんも、これは家が丈夫になっていいみたいな感じで、大工さん・基礎屋さんが腹の底から思ったのが2000年から2~3年経った頃だったとここですごく変わったなと思いますね。

同時にそのことと合わせて、今度は断熱の方です。断熱の方では僕が知る限りですけど、1992年の阪神大震災から3年ぐらい前に平成4年基準ができました。僕らの6地域でもUA値換算で154W/㎡・kの家には採定しよう、今の感覚では少し断熱入れようという感じです。そういうのがありました。

品確保ができた平成11年 1999年には平成11年基準という昔から見るとかなり意欲的な次世代省エネ基準に相当するわけですけど、今の平成25年基準のベースになるものがここで生まれました。ここで、次世代省エネ住宅にしようということで目足の効いたハウスメーカー・コンデはこれは一早く取り組まなアカンとやられたようなことで、ちょっと断熱性能が上がった。この時にはいつも言う機密の基準も一定ありまして、義務化されるといいなと思いました。それから2003年には例のシックハウス症候群ということに対して、24時間換気が義務化されました。

世の中の高気密・断熱化が進んでいく中で言うと、前だったら結構隙間があったからほっといても換気されていたけど、気密がよくなったら計画的に換気しないといけないということで、シックハウス(症候群という問題)もあって、余計にうまく法律が乗ってきた感じです。

その後2009年の住宅瑕疵担保履行法ができた時に、HEAT20という会議体が設立されました。これは2020年を見据えて住宅の高断熱化という技術を諮問する委員会です。有名な坂本先生たちを筆頭に、日本の有識者の人たちが現場の人も含めてよくしようという働きができて、これが国の法律よりリードしていく形で始まり、ようやく高気密・高断熱住宅の家にしようということになりました。その後2013年(平成25年)には今の現行の基準である平成25年基準が6地域ならUA値0.87以上にしようというのができました。こういう大きな法律の流れがあって、現場もそんな感じだったということになるんです。

僕がこれを長々と語りたかったのは、築25年を超える建物はどういう家なのかということを客観視したかったからなんです。25年前の建物って1998年に建てられたものだから、この1つエポックになった2000年より2年前に建てられたわけです。そして阪神・淡路大震災の少し後だから、世の中は構造に対して関心があっていろいろやっていこうという感じだったけど、ちょっとグレーな時代感であったのかなという予想はできると思います。なので築25年の建物は、それより古いものも含めて、構造に関しては現行の耐震等級1級を切っていることがほとんどだと思います。だから今、耐震等級3の家が当たり前なんて新築(住宅)では言っているのに、耐震等級1さえいっていないわけなので、このままではまずいということになります。

それから断熱に関しては、1999年に平成11年基準ができたわけなんで、それ以前の建物は断熱に関しても脆弱で、極端に言うと無断熱に近い家も多い。こういうことを前提に置いておいてもらいたいんです。もちろん予算のことがあるから、そんなこと言ってられないという方もいらっしゃるかもしれませんけど、やっぱり見たくない現実というのも頭に置いておいてほしいんです。

ここを味わい尽くしてから、僕はリフォーム・リノベはやってほしくないなという気持ちを強く持っています。なので、そういうことを知ってもらった上で、築25年以上の家のリフォーム・リノベをやる時には、まず、お家の壁量をチェックしてください。耐力壁の数がバランスよくあるかを確認してください。

昔の住宅は、少し批判もあるかもしれませんけど、お施主さんの方でもこの壁をちょっと取ってよと言ってきて、待った方がいいけどなと大工さんが言ってももういらないから何とかしてみたいな結構無茶なことを言われた方もいらっしゃったのではと思うんです。それから、古い家の壁料(計算)をするために床下に潜ってチェックする時に、筋交いがちゃんと入っているかを見たりするんですが、土台側と梁側に筋交いがきっちり固定されてないとアカンのですけど、昔は僕も思い当たることがあって、中学・高校生ぐらいの頃に僕の爺ちゃんの弟子だった棟梁の仕事の手元のバイトをさせられた時に、筋交いの釘を打っといてくれとか言われて、ごつい五寸釘をバンバンと打ってましたけど、あれは打っているだけという感じです。大きい力がかかったらスポンと抜けてしまうから、筋交いが入ってても金物みたいに粘り強く緊結されていないんです。だからチェックして金物で今からでも補強するとか、あるいは構造面材・構造合板でもいいし、他のしなやかな素材でもいいので、そういうのを張って面として強化することを絶対にしてほしいです。

予算については、様々な要因が影響しますが、ひとつだけ強調したいことがあります。それは、窓の強化です。これについては、本当に命にかかわることだと思います。シングルガラスの窓の家に住んでいると、寒い季節には大変なことになる可能性があるんです。ですから、窓の改修や二重窓への交換、樹脂窓への取り替えなど、窓の強化をお願いしたいと思います。

家をリフォームする際、外観だけを美しくするだけでは不十分だと感じることがあります。窓の強化が完了したら、次は気流の防止です。土台と壁の下に隙間があると、風がそこから侵入しようとします。したがって、これらの隙間を埋める必要があります。また、壁と天井の接合部分も風が漏れやすい箇所ですので、気流を遮断する対策が必要です。窓の強化や気密性・断熱性の向上だけでなく、換気も考慮してください。特に2003年以前に建てられた家には、24時間換気システムが備わっていない可能性が高いです。そのため、新たに設置することが必要です。

窓の強化を行った後、断熱性や気密性を強化することで、隙間風が入りにくくなります。しかし、気密性が向上した分、換気も重要です。エアコンを使用している場合は、まだましですが、高齢の方々は石油ファンヒーターなどの内燃式の暖房器具を好むことがあります。しかし、これらの暖房器具を不適切に使用すると、一酸化炭素中毒の危険があります。そのため、換気も怠らないように心がけてください。

これらの問題について、できるだけ早く対策を打つことが大切です。予算の制約があるかもしれませんが、高齢者の方々は今や長寿命を享受しています。築25年以上前の家をリノベーションする場合、その家で何年も過ごす可能性が高いです。人生は長いものですし、安全で快適な住環境を整えることは非常に重要です。リフォームやリノベーションを検討する際には、建物の構造や断熱性に詳しい専門家、たとえばホームインスペクターに相談することをおすすめします。換気、断熱、気密などについての専門知識を持った専門家と協力し、安心して過ごせる住環境を整えるプロジェクトを進めていただきたいです。

ホームインスペクターの中には、専門的な知識を持たない人もいれば、現場経験豊富で技術的な知識を持つ人もいます。相談する際には、その方の専門知識について確認し、適切なアドバイスを受けることが重要です。そして、リフォームやリノベーションのプロジェクトを共同で進めることで、安心して人生の最後の30年を過ごしていただきたいと思います。最近、この問題に非常に熱心に取り組んでいるため、少し長くなりましたが、これらのポイントを頭に置いて、リフォームやリノベーションの検討をしていただければ幸いです。家づくりに関する解説などをいつも提供していますので、興味があればチャンネル登録もお願いします。

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