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4つの特徴
可変性
スケルトン・インフィル構造
意外に思われるかもしれませんが、家の寿命を決めるのは「間取り」です。
多くの事例を見てきて分かったのは、築30年程度のそう古くない家が壊される理由は、構造の痛みなどの問題ではありません。年齢や家族構成に変化が起こり、間取りが合わなくなったからというのが1番ということ。
問題は、多くの家には間取りの可変性がないということ。子育て中の暮らし方、巣立った後の暮らし方、年老いてからの暮らし方はそれぞれまったく違います。間取りは暮らし方に応じて変えていくべきもの。人生100年時代の家に求められるもっとも重要な性能だと考えます。
将来家を売却する時にも、家の間取りはプレーンなものが望ましい。プレーンなプランというのは、間仕切りの柔軟性があって、住む人がどんなライフサイクルで、どんな好みを持っていても、自由に変えながら暮らしていけるということ。
自分のこだわりを詰め込むのもいいことですが、誰かにバトンタッチする時に「これは〇〇さんスペシャルですね。私には合わない。」となって住み継いでくれなかったら、その家は極端な言い方をするとゴミになってしまう。
私たちは、構造躯体(スケルトン)と内装(インフィル)を分離するスケルトン・インフィル構造によって、間取りの可変性を確保します。
快適性
パッシブデザイン
太陽の恩恵を最大限に活用するパッシブ設計と、空気の自然な流れを利用する空調計画。これらもまた私たちの家づくりの基本的な性能の1つです。
パッシブ設計とは、5つの要素を基にした設計法。
まず1つ目が断熱・気密に関してしっかり留意されていること。2つ目が日射遮蔽。3つ目が自然風利用。4つ目が昼光利用。5つ目が日射熱の利用暖房(日射取得)です。
これらの要素は、敷地の方位・近隣の建物などの周辺環境により大きな制約を受けます。私たちは、まず土地から考える建物のボリューム確認と配置計画を綿密に考えます。
なので、「パッシブ設計」は、「敷地の方位の利用」という言葉で置き換えられることもできます。方位の利用を忘れてしまうと、夏場の日射遮蔽とか、自然風の利用とか、昼光利用とか、冬場の日射熱の利用を最大限にすることができません。
また日本において、空調機器を用いずに快適に暮らすことはコストがかかり過ぎます。バランスのとれた快適な暮らしのために、床下エアコンと小屋裏エアコンによる全館空調を基本とします。
夏場は小屋裏などなるべく高い位置でエアコン冷房を使う。そうすると冷やされた空気がどんどん下がって、上の階層を冷やすと、下の階層も冷えます。反対に冬場は、床下など下の階層を暖房すると、暖められた空気は上の階層に上がってくるので共に合理的で無駄がありません。
寒い冬の朝も素足で過ごせる、蒸し暑い夏もカラッと快適にできる。リビングも廊下もトイレも温度差のない快適な空間は、家族の健康を促進します。さらに光熱費も少なくて済み設備もシンプルなのでメンテナンスコストも抑えることができます。
情緒性
中間領域デザイン
家づくりはただ建物をつくることでは完了しません。暮らしの場=家庭の言葉が示すように、家づくりは建物+庭(外構)により成り立ちます。
家ばかりに注目して外構を後廻しにすると、現代の暮らしにおいてなくてはならない駐車場や駐輪場の最適な確保が出来ず、何かを我慢する暮らしなることがよくあります。
さらに、窓から見えたであろう風景といった家の外側とのつながりをデザインすることで、はじめて真に豊かな空間をつくり出すことができます。
そのポイントが「中間領域」を計画の最初に組み込むこと。「中間領域」とは家の外でもなく内でもなく、内外をあいまいに緩やかにつなぐ場所のこと。たとえばかつての日本家屋に必ず存在した縁側。そこで人々は庭の木々など自然の移り変わりを眺めたり、ふらりと訪れた客人をもてなしました。
暮らしが近代化する中で効率だけが重視され、草木を排除して家まわりをコンクリートやアルミ製品で固めてしまい、家はだんだんと内側に閉じていきました。
ちょっとノスタルジックな縁側や月見台、庇や壁面に囲まれたウッドデッキ。子供たちと成長を共にする庭の樹木。私たちは家と人と自然をつなぐ豊かな空間も、家の性能だと考えます。
機能性
立体的収納デザイン
「家は住むための機械である」
巨匠コルビュジェが、両親のための家を設計した時の言葉は、そのまま私たちの家づくりの指針です。
家は憩いの場であると共に家事という仕事の場でもあります。家事ができないと暮らしが維持できません。癒しや休息も家事が終わってこそ可能になります。
中でも重要なのが収納計画。家事がしやすくなるカギは適切な収納の配置にあります。
家事の担い手が最短の移動で、掃除、洗濯、炊事ができるように、物干しの場所や、サニタリーの器具の配置、クローゼットの棚の奥行きまで、収納を平面的だけでなく「立体的」に練ることを旨とします。
そのためにまず、家族一人ひとりの生活動線を分析することから始めます。
家が散らからない大きな要素は「衣類のコントロール」です。「脱ぐ・洗う・しまう・着る」について、家族全員の無理のない協力を引き出す工夫がなにより重要です。
家族固有の生活動線から導き出された適切な収納計画は、家事負担を大幅に減らし、時間と物の無駄を少なくすることを、私たちは多くの事例を通じて体感してきました。
動線から考える収納計画もまた、重要な家の性能なのです。
コルビジェの母は、100 歳になるまで適度に家事にたずさわり、自分の面倒を自分でみて充実した最晩年を過ごされました。そんな豊かな人生を可能にしたのは家の性能だと、私たちは信じています。
基本スペック
基礎
ベタ基礎+グリットポスト
構造材
“土台:檜 大引:米松(防蟻ホウ酸処理)
柱:杉集成材 梁:米松 大スパン部分EW”
屋根
ガルバリウム鋼板葺
外装材
塗り壁 DCP WALL
耐力壁
外周面 タイガーEXハイパー+間仕切耐力壁:筋違もしくはノボパン
断熱材
基礎断熱:カネライト立上60㎜ベース部分60㎜
壁:高性能グラスウール16K厚105㎜+付加断熱EPS25mm+可変透湿気密シート
屋根(下屋含む):セルロースファイバー 厚200㎜+可変透湿気密シート
気密試験:工事中+完成時
開口
玄関:金属製断熱フラッシュ(リクシルk2仕様)
窓:Low-E 樹脂サッシ(リクシル EW) 南面ペア 東・西・北面トリプル
南面 東・西面 2P以上開口アウターシェード
住設機器
夏期:小屋裏エアコン・冬期:床下エアコン
オール電化住宅
キッチンW2550 同時給排型レンジフード
造作洗面台 W750
UB1616 シャワー手元スイッチ付
給湯器:エコキュート370L(ソーラーチャージタイプ)
内装
居室:ハニカムスクリーン
建具:永大 ハイドア 床:無垢材
照明:ALL LED
24時間換気:第3種
スペック
UA値0.46以下 C値0.7以下 HEAT20G2グレード
許容応力度計算による耐震等級3 耐風等級2
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