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雨漏りしやすい5つの場所とその対策

今回は雨漏りを起こしやすい5つの場所とその対策について解説をします。

雨を防ぐということには2つの対策があると現代の建築では言われています。その1つが、昔からある雨仕舞という考えです。もう1つが比較的近年から主になってきた防水という考え方です。この2つを持って雨漏りを阻止するのが基本的な考え方になります。ただ多くの場合、それがごっちゃになったりとか、防水で何とかしようと偏重していくことが現場では多いと感じています。

そもそも雨漏りが起こるためには3つの条件がいると、耐久性の大家の石川先生が言われています。その1つが雨漏りが通り抜ける穴・隙間です。次に、隙間や穴の側に雨水があるということ。最後に、この穴を通して水が移動するための力が働くということです。例えば吹き降りの時に雨漏りしやすいのは、雨が染み込んだ時に吹くから
風で押されて入っていくためです。それから毛細管現象と言って、隙間には水が伝わっていくという性質もあります。これら3つが揃わなければ、雨漏りは起こさないと言われています。逆を言えば、この3つをどうにか阻止すれば、雨漏りの防止ができるということです。

昔からの家は、雨掛かりを減らす工夫がされています。その典型的なものが軒の出というやつです。雨が垂直に降ってくることはあまりないので、吹き降りした時に軒があると雨が掛かりにくくなります。実際にたった少し軒があるだけで、壁に掛かる水の量がずいぶん減ります。壁際のところなんかは、雨掛かりがあるがために芝生や草を植えたら枯れます。それぐらい雨水が掛からないです。

水が入っていかないとか、入りそうになってもどんどん水が切れていくような、そもそも掛からないような工夫をすることが雨仕舞と言われています。これはものすごく強力です。要は時間が経って経年的な変化を受けにくいです。軒がある限り雨が掛からないですから、水切りと言うこともあります。水を切るためにL型の金物みたいな物で水を切って、壁を伝わっていかない工夫をするのも雨仕舞の1つです。これは一番の基本です。

ひと昔前の家は、雨仕舞だけで雨漏りを防止していました。茅葺きの家ってありますよね。あれは茅を並べて層にして、上から水が入ったら斜めに切れていって、最後まで染み込まないようにしています。厳密に言うと穴はありますが、穴に力が働かないようにしていました。そういうのが雨仕舞ということになります。

そして防水。文字通り、水が絶対に通らないように隙間を全て塞ぐことです。これが防水の概念です。最近の家は軒ゼロの家が多いので、防水の概念で隙間を減らすということで作っているケースが多いです。でもなかなか難しいです。防水をする時は大抵、樹脂やコーキング、テープなどでやりますが、やはり寿命があります。それから施工にもムラがありますから、どこかで瑕疵が発生する可能性もあります。

こういう風に建物は雨仕舞いと防水の2つで作られています。雨漏りをする3つの条件を阻止するためだということを頭に置いておいてくださいね。

では次に、統計的なものですが雨漏りを一番する所はどこだと思いますか?それは窓周りです。雨漏りの原因の3割弱ぐらいは窓周りだと言われています。窓周りに関して一番大事なことは、窓の下側の先張り防水シートです。水は流れていくので、一番下に溜まりやすいです。そこを強烈に防水して入りにくくしておかないとダメです。あとは防水テープを貼る順番です。最初に先張りシートを貼って、両側に縦のテープを貼って、上に重なるように貼ると、一番上に付いた水が切れていきます。

そしてもう1つ多いのが、平部と言って壁も結構漏れます。ここはシートの貼り方で阻止するしかありません。そのシートの貼り方も一番下にシートを貼って上に重ねていきます。その心は雨仕舞ですね。上から上から水が切れていって、最後は下に落ちることをやれば、かなり防ぐことができます。

そして3つ目が窓とバルコニーとの取り合いです。ここが結構、漏れます。ポイントは防水をぐるっとやってから窓を乗せることです。これも雨仕舞ですね。もし染み込んでも切れていくようにする。防水をする所ですが、要は雨仕舞ということになります。それからもう1つ。軒ゼロの取り合いは漏れやすいです。経年変化で隙間ができてしまったら染み込んでいくので、それを阻止するために小さな雨仕舞を細かい作りでやっていくことが大事です。ハウゼコさんとか金物メーカーさんが細かい収まりを作っているので、コストは掛かりますが、そういうことをやらないと軒ゼロはとても危険です。

最後に貫通部です、建物は照明や電話線、水道管やクーラーのフレキ管を出したりします。それらの貫通部には壁の根本をテープや役モノで防水します。そしてテープは下から上へ上へと貼っていきます。そうすると水が上から来ても切れていきます。これも要は雨仕舞で逃げるということです。

これらはプロの領域なので、こういうことがあるよということだけ
お伝えして、みなさんに頭に置いておいてほしいことがあります。今は軒ゼロの建物がカッコいいからと好む人が多いですが、軒ゼロにするなら軒を出すコスト以上に軒ゼロの周りの水仕舞に関しては雨仕舞のコストを掛ける必要があるということです。予算重視でいくと、そこは防水で逃げるみたいなことをやりがちなので、注意してください。

屋根に勾配がついていればマシですが、キューブ状の家は屋根がフラットですから、余計に厳しくなります。キューブ状の建物は比較的コストを安く出してる会社さんが多いですが、コストが安い中でちゃんと雨仕舞を考えて安く出している会社さんと、雨仕舞はそこそこで防水で逃がして価格を抑えている会社の2者があるので、ここの見極めは現場に行ってどんな風になっているかの説明を受けられた方が安全だと思います。

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