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トップページ / 動画 / 初心者の方におすすめ / Q&A:狭い土地で吹き抜けが取れない時はスケルトン階段はどうでしょう?

Q&A:狭い土地で吹き抜けが取れない時はスケルトン階段はどうでしょう?

コメント欄にご質問をいただきましたので、その内容をネタというか肴にしながら、お答えしていきたいと思います。今回のご質問は、「狭い土地で家を計画しているけれど、吹き抜けを取りたい。ただ、吹き抜けを作ると床面積が減ってしまって十分な部屋が確保できないので、その代わりにスケルトン階段を使うのはどうでしょうか」という内容でした。今回は、そのご質問について私が感じたことや、気を付けていただきたいポイントを解説していきます。いつものように板書を見ていただきながら、狭い家で吹き抜け代わりにスケルトン階段を使うとどんなイメージになるのか、簡単なパースも描いてみました。話だけでは分かりにくいと思いますので、絵も見ながら私のうだうだした話を聞いていただけたらと思います。

まず結論から言うと、おっしゃる通りスケルトン階段は悪い案ではありません。むしろ狭い土地では非常に有効な方法だと思います。ただし、吹き抜けの代わりとして活用するのであれば、「スケルトン階段にしたからそれで終わり」ではなく、階段の上部や横の壁面、あるいは下側にどう窓を設けるかまで含めて考えることがとても大切です。つまり、光をどうコントロールするか、空気の流れをどう作るかということですね。ですから、スケルトン階段そのものだけではなく、窓の配置や階段の位置、さらに狭い家でスケルトン階段を吹き抜け代わりにすると、その横は多くの場合リビングになりますので、そのリビングの空調計画まで含めて設計することがとても大事なんじゃないかなと思います。視覚的な広がりだけではなく、快適性まで含めて考えていただきたいということです。

改めてメリットをまとめると、まず床面積を大きく減らさずに縦方向の抜けを作れることです。そして階段そのものがインテリアになります。私の描いた絵が格好いいかどうかは別として、階段自体が空間のアクセントになるんですね。単なる移動手段ではなくなります。また、狭小住宅ではどうしても家の中心に階段が来ることが多いので、それを逆手に取って、家の中心に光の塔や風の道を作るような考え方もできます。さらに私が今回お伝えしたいのは、家族の気配が行き交う場所になるということです。帰宅したり、2階へ上がったり降りたりするたびに自然と家族の存在を感じられる場所になるので、そういう意味でも魅力があると思います。

一方でデメリットもあります。音や匂いが抜けやすくなりますし、冷暖房のロスも発生しやすくなります。それから、シースルーのスケルトン階段だと、人によっては気分的に怖さを感じることがあります。さらに、上からほこりが落ちてくることもあるかもしれません。このあたりはデメリットとして理解しておいていただきたいですね。

そこで、今回は一つのモデルケースとして描いてみました。縦格子で階段を支え、踏み板だけで構成するスケルトン階段です。普通の階段には蹴込み板といって段の垂直面にも板がありますが、それをなくすことでスケルトンになります。さらに両側を壁ではなく格子にすることで、より抜け感が生まれます。例えば階段の上に窓を設けると、そこから光が落ちてきますし、太陽が動くにつれて格子の隙間から差し込む光も動いていきます。まるで日時計のように光と影が変化していくんですね。私は「幾何学的な影」なんて格好よく書いていますが、こうした光の演出も楽しめます。

さらに地窓も効果的です。階段の下側はどうしても暗くなりがちですが、地窓を設けることで明るさが確保できますし、例えば坪庭のようなスペースを設けて、室内から緑を楽しめるようにすることもできます。旅館や商業施設などではよく見かける手法ですが、住宅でも十分活用できます。そして空気も階段を通じて自由に流れていきます。

ですから、繰り返しになりますが、一番大事なのは階段上部に窓を設けることです。これがないと十分に明るくなりません。最近は「南側に隣家があって暗い」という相談もよく受けますが、それでも階段の一番上の窓であれば光が取れるケースが意外と多いんです。2階建てなら上部採光が期待できますし、最悪の場合は天窓という方法もあります。そうすれば方角に関係なく光を取り込むことができます。

それから、AIが描いたイメージで「こんなんやりすぎやろ」と思ったものもありましたが、階段周りに観葉植物をたくさん置くような演出もできます。あるいは本棚やベンチ、スタディカウンター、飾り棚などを設けるのもいいですね。そうすると家族の気配が自然と集まる場所になります。本棚があれば、「お父さんが読んでいた本だから読んでみようかな」とか、「これ面白かった?」なんて会話も生まれます。子どもが成長すると、だんだん家族の会話が減ってくることもありますよね。小さい頃はよく話してくれていた娘さんが、ある年頃になると全然しゃべってくれなくなって、お父さんとしてはちょっと寂しい、そんな経験もあると思います。でも、こういう場所があることで自然とコミュニケーションが生まれることもあるんじゃないかなと思います。特に狭い家で面積が取りにくいほど、この効果は大きいと感じます。

ちなみに、うちの山下社長が最近お手伝いした姫路城の近くの3階建て住宅も、スケルトン階段を採用したプランでした。外から見るより中に入った方が倍ぐらい魅力を感じる、とても素敵な内部空間になっています。こういったことも実際に実現できます。

向いているのは、階段の上部や側面に窓を設けられる間取りを考えているご家族です。LDKに開放感が欲しい方なら、階段室まで一体の空間として取り込めるので、より広がりを感じられます。また、家族の気配を感じる暮らしが好きな方にも向いています。私自身、小さな子どもがペタペタと階段を降りてきたり、娘が上がっていく音を聞いて幸せだなと思うタイプの父親なので、そういう方にはおすすめですね。さらに、高気密・高断熱住宅で空調計画がしっかりしている家なら、先ほどデメリットとして挙げたことが逆にメリットにもなります。例えば2階の冷房を1階にも利用したり、1階の暖房を2階へ回したりといったこともできます。

逆に慎重に考えた方がいいのは、音や匂いに敏感な方です。「生活音が気になる」という方にはあまり向かないかもしれません。また、小さなお子さんや小型犬などのペットがいる場合は、シースルー階段では安全面に十分注意が必要です。さらに、部屋ごとに冷暖房をきっちり分けたいという考え方の方にも、あまり向いていないと思います。

最後にもう一度お伝えすると、スケルトン階段を吹き抜けの代わりとして活用する場合は、夏の日射対策を必ず考えてください。明るくなる反面、夏の直射日光が入りすぎる窓だと暑くなってしまいますので、外付けシェードなども合わせて計画していただきたいですね。そして最上部に開閉できる窓を設ければ、暖かい空気は自然と上へ上がっていくので、排熱にも有利になります。また、足元の寒さが気になる場合は、この絵では分かりにくいのですが、1段目をルンバ基地にして、2段目以降を収納ボックスのようにし、その中へ床下エアコンを仕込むという方法も面白いと思います。そうすると家全体が暖まり、この階段室を大きな空調ダクトのように活用して暖気を上へ送ることもできます。

こうした工夫を取り入れていただければ、吹き抜けの代わりとしてのスケルトン階段はかなり有効な選択肢になると思いますので、ぜひ家づくりに取り入れていただけたらと思います。

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