メニュー
見学する
参加する
資料請求
採用情報

Movie

トップページ / 動画 / 初心者の方におすすめ / 残価設定型住宅ローンについて知ってほしいこと

残価設定型住宅ローンについて知ってほしいこと

最近、巷で高級車に乗っている若い子たちが増えたような気がして、みんなすごいなと思って聞いてみたら、いわゆる残クレを使って購入しているという話を耳にすることがあるんですね。

これと似たような仕組みが、住宅を購入する時の資金調達にもあって、それが残価設定型住宅ローンなんです。今日はそのことについて質問を受けたので、僕のわかる範囲で概要を説明させてもらえたらと思います。

僕自身、この残価設定型住宅ローンには前から注目していて、これからの人生にうまく使えないかなと考えていた時に、大垣先生がこういう本も出されていて、関連本の中では一番よくまとまっているんじゃないかなと思います。今日の話は本当に概要ですので、詳しいことはそういう本を見ていただけたらと思うんですが、僕が理解した範囲で端的に言うと、残価設定型住宅ローンというのは、数十年後の家の価値を明確にして、あらかじめ住宅ローン総額の中からその分を差し引き、残った分を分割して払っていく仕組みなんです。例えば20年後や30年後の価値をこれぐらいと置いておいて、その残価を除いた金額を返済していく、そういう住宅ローンですね。

なんでそんなものを薦める人がいるのかというと、大きく2つの面があると思うんです。1つは、普通なら5000万円借りないといけない住宅ローンでも、将来の残価が例えば2000万円あると見込めるなら、実質3000万円分を分割で返す形になるので、月々の支払いがかなり減るんですね。そうすると買いやすく感じるわけです。

もう1つは、最近は家を持っても、自分たちが住み終わった後どうしようという空き家の問題があるじゃないですか。だから将来、誰かが引き取ってくれることが明確になっていたら、非常に気が楽だということで選ぶ方もいるんじゃないかなと思います。

そうなると、一にも二にも残価の見方なんです。つまり、自分がこれから買う家の将来価値をどう見積もるかが勝負になります。返済の仕組みとしては、借入総額から将来の推定市場価格を残価として置いて、毎月の返済はその差額部分だけにする。だから月々の支払額が小さくなるんです。

魅力的だと感じる方もいると思いますが、20年後なら20年後にその期間がいったん終わります。その時に借り主が取れる選択肢を整理して、頭に持っておいた方がいいんですね。いわば出口戦略です。

選択肢は3つあると思います。1つ目が返却です。家を貸してくれた銀行や引受先に返して、残価とローン残高がほぼ相殺されて、ローン終了という形ですね。

2つ目が買取で、20年で手放すつもりだったけれど、住んでみたらいい家だし、いい街だし、このまま住み続けたいとなった場合です。その時は残価分を一括で支払う必要があるので、お金がたっぷり貯まっていれば払えばいいし、そうでなければ、その時点で新たに住宅ローンを組んで住み続けることになります。

3つ目が住み替えです。20年経ったからこの家を売って、その売却代金でローンを精算し、新しい家や駅前の小さなマンションに移る、そういう形です。ライフプランによっては、確かに機動的で都合がいいように見えるんです。

ただ、都合のいいことには必ず裏にリスクがあります。そのリスクが自分にとって許容できるものなのか、そこを見ないといけません。まず1つ目は、金利が高くつきやすいということです。返済計画は残価を除いた部分で組まれるんですが、金利そのものは残価も含めた総額に対して計算されることが多いので、月々の支払いが少なく見えても、総支払額で見ると結構かかっているということがあるんです。

2つ目は、維持管理に厳しい条件がつくことです。大手ハウスメーカーさんなどが残価設定型を薦める時は、「20年後に弊社がこの価格で買い取りますから大丈夫です」と説明すると思うんですけど、何でもいいから買い取りますなんて、そんな虫のいい話を金融機関や会社がするわけないんですね。だからその価値を保つために、メンテナンス義務が課されるのが一般的です。指定された会社の定期点検を受けて、そこが悪いですよと言われたら直してくださいとなる。その修理費も当然かかりますし、期間が長いほど修理が必要になる可能性も高まります。

また、自分たちでリフォームしたいと思っても、勝手なリフォームは基本的に禁止で、事前承認が必要になることが多いです。それを守らないと、最後に残価で精算する時に約束違反として扱われる可能性もあるので、ここは注意が必要です。

そして3つ目が、土地の所有権や扱いが微妙なケースがあるということです。そもそもこの仕組みは家の価値に着目しているので、借地だったり、スキームによっては土地が自分の資産として残らない可能性があったり、売却に制限がかかったりする場合もあります。だから一口で言うと、家を建てて資産を持つというより、超長期の賃貸に近いイメージなんです。

さらに、残価設定期間を過ぎた後には住んでいる人も年を取っていますから、老後に住む場所がなくなるリスクもある。特に大事なのは建てる場所で、例えば姫路市でも駅前周辺なら大きく下がりにくいかもしれませんが、郊外で空き家が増えていくような場所だと、土地価格が将来下落することだってあるんです。その差額をユーザー側が負担しないといけない可能性があるので、ここは本当に気をつけておかないといけないと思います。

じゃあ残価設定型住宅ローンは絶対にダメなのかというと、そんなこともないと思うんです。向いている人、向いていない人が分かれるんですね。

向いているのは、住宅は資産というより消費だと割り切れる人です。あるいは、ライフステージの変化が激しくて、今は自然豊かな場所で子育てしたいけれど、子どもが独立したらすぐ住み替えたい、都市部に戻りたい、そういうことをあらかじめ想定している人ですね。月々の返済を抑えて、その分のキャッシュフローを運用や別の目的に回したい高所得の方にも合うかもしれません。さらに、スマホを買い替えるように、家も常に最新の性能や間取りの家に住みたいという人にも向いていると思います。

逆に向いていないのは、家は終の住みかで、ローンを完済した後は居住費を極力抑えて暮らしたいと考える人です。DIYで自分で触りたい人も、現状回復や指定メンテナンスが前提になるなら相性が悪いでしょうし、家を資産として子どもに残したい人にも効率がいいとは言いにくいです。

だから利用する時は、まず総支払利息がどうなるか、通常の35年ローンと、残価設定型に加えて住み続ける場合の再ローンまで含めて比較すること。それから20年後、30年後に売却すると仮定した時の純資産がどうなるか、土地の下落リスクも含めて見ること。さらに、ハウスメーカーのスキームを使うなら、メンテナンスコストがどれぐらい強制されるのか、この3つの比較軸で見てほしいんです。

特にハウスメーカーさんのスキームで大事なのが、工法の問題です。大手ハウスメーカーさんは、特殊工法とか独自工法とかを魅力として打ち出しますが、これはクローズド工法であることが多いんですね。つまり、そのメーカーで仕事をした人しかよくわからない、そのメーカー専用の建材でないと直せない、一般流通で手に入りにくい、そういうことがあるんです。

一方で、在来木造や2×4のようなオープン工法は、広く建築業界で共有されている技術です。クローズド工法の家を買うと、メンテナンスもそのクローズド工法でやるしかなくなりやすい。そうすると、指定された点検、指定された工法、指定された修理で品質を担保してくださいとなって、メーカーに囲い込まれるような形になります。高いですねと言っても、他で相見積もりが取りにくい。そこまで含めて買っているわけなので、理解しておかないと、後でこんなにかかるんですかとなりやすいんです。

だから最後に、残価設定型をやってみたい方には3つ聞いておいてほしいんです。1つ目は、残価保証の条件から外れるのは具体的にどういうケースか、約款ではなく、読み合わせでもいいから丁寧に説明してもらうこと。

2つ目は、20年後や35年後に住み続ける場合、再ローンは本当に可能なのか、その時の金利や審査条件はどうなるのかを今のうちに確認すること。

3つ目は、会社が倒産したり、事業撤退したりした時に、自分の返却権はどう担保されるのかということです。大手だから安心と思いすぎず、その時にどうなるかを聞いておくのは、すごく誠実で大事な質問だと思います。

今後、一般の工務店さんでもこういう仕組みが気軽に使えるようになれば、実家じまいの問題なんかにも役立つ可能性がある、価値のあるスキームだと僕は思っています。ただ、現時点では注意点も多いので、その方向を頭に置きながら検討していただけたらと思います。

家づくりのことなら、なんでもお気軽にご相談ください
お電話でのお問い合わせ
受付時間 9:00〜18:00 【水曜定休】