ガレージがあることの有用性を考える
今日は、あるお客様から「ガレージってどうなんですか?あれはやっぱりいいものなんですかね?」という質問をいただきまして、それに絡めて少しお話をしたことがありました。その内容を小ネタとして、今日は解説していきたいと思います。いつものように僕の板書を見ていただきながら、お付き合いください。
まず、そもそもガレージとは何かというと、建築的な定義で言えば「屋根があって、三方に壁がある」ものを指します。つまり、コの字型に壁があって、車を止めるような空間ですね。入口は開いていてもいいし、シャッターを付けて閉めることができてもいい。つまり、三方が壁で囲まれていて屋根がある空間、それがガレージなんです。
今回ご相談いただいたお客様が言われていたのは、単なる外構の一部としてのガレージではなく、いわゆる「インナーガレージ」や「ビルトインガレージ」と呼ばれる、建物と一体化したタイプのものだったと思います。では、その有用性とは何か。これはもう想像がつくと思いますが、まず一番の理由は、車を守るということですよね。車を雨風や紫外線から守れるし、鳥のフンや塩害といった外的要因からも防げます。最近では、雹(ひょう)の被害も多くなってきています。僕の地元・姫路でも、数年前に大きな雹が降って、車がボコボコになったという話をよく聞きました。そういう自然被害を防げるという点は大きなメリットです。
さらに、シャッター付きのガレージであれば、盗難対策にもなります。特にランドクルーザーのように人気のある車種は盗まれやすいですからね。あと、雪国では車が雪に埋まることもない。もちろん車庫の前の雪かきは必要ですが、車そのものの雪かきをしなくていいというのは大きいと思います。朝から雪をどけて出勤して、帰ってまた雪かきして駐車する……そういう負担が軽減されます。
それから、うちの妻もよく言うんですけど、「車から降りて、濡れずにそのまま家に入れるのが最高」だと。買い物帰りに荷物を抱えていて、雨に濡れるのは本当に嫌ですからね。そういう日常の快適さも、ガレージの魅力のひとつなんです。
ただ、僕自身は車マニアではないので、車を守るというよりも「多用途のスペース」としてガレージを活用することに興味があります。現場仕事も長くやってきたので、家にもいろんな道具があります。丸ノコ、電動ドライバー、ブロワーなど、DIYの道具ですね。本当はもっと揃えたいんですけど、置きすぎると怒られます(笑)。それに自転車の整備道具や、軽いアウトドア用品なんかも置けると便利なんですよね。
僕の理想で言えば、ガレージの一角に木工スペースを作りたいんです。プレーナーやテーブル丸ノコを置いて、古い家を解体した時に出てきた棚板なんかを削って再利用する。トチノキやケヤキの板を磨いて生き返らせた時のあの喜びといったら、たまらないんです。そんなことをしていたら一生退屈しないだろうなと思います。
それから、ワークアウトスペースにするのも面白いですよね。エアロバイクを置いてテレビを見ながら運動したり、腹筋台を置いたり。僕の友人に映画を見ながら腹筋をする人がいるんですけど、まあ変態的です(笑)。でも、そういう趣味の空間としてもガレージは活用できる。サンドバッグを吊るしたり、鏡を貼ったりしてトレーニングルームにするのもいいと思います。
つまりガレージというのは、決して「車のためだけの場所」ではないんです。収納・趣味・作業など、多用途のスペースとしての価値がある。旦那さんがどうしてもインナーガレージを作りたいというなら、「そのうちの3分の1は私のスペースにしてね」と奥さんが言うのもアリかなと思います。
それに、これは不動産的な視点でもメリットがあります。インナーガレージ付きの住宅は、売却時にアピールポイントになるんです。ある情報では、ガレージがあることで住宅価格が5〜20%上がるという話もあります。デザイン的にも外観にメリハリが出て、家の印象を引き締める効果もあります。ただし、もちろんデメリットもあります。
まず、スペースが広いと物置化しやすい。湿度や温度の管理も必要ですし、コンクリート床の水勾配が悪いと水が溜まることもあります。排気ガスの匂いがリビングに入ることもあるし、構造的にも2台分の大空間を作ると耐震性の確保が難しくなります。シャッターは台風時に煽られないように補強も必要ですし、そういった点では少しコストもかかります。
でも、それらを踏まえた上でも、ガレージは「家の価値を高める要素のひとつ」だと思うんです。単に趣味で終わらせるのではなく、長く住み継げる“価値ある空間”として作ると面白い。1代で終わらせるんじゃなく、次の世代にも「いい家だな」と思ってもらえるような、普遍性のあるガレージ。それを目指すのが理想かなと思います。
最後に少しPRになりますが、うちの山下社長が今、新しいモデルハウスを建設中です。なんと“離れにビルトインされたガレージ”のある家なんです。最初は「そんな趣味性の高い家を建てていいの?」と思ったんですが、これがなかなか面白い。ガレージを単なる屋内スペースとしてではなく、街とのつながりをデザインとして表現しているんです。オープンは2026年1月の予定。今、山下さんが重箱の隅をつつくように細部までこだわって建設しています。ガレージや離れに興味のある方は、ぜひ見に来てください。


