先日、不動産コンサルタント 長嶋修さんの記事が
とても面白かったのでご紹介させて頂きます。
国交省が発表する
「木造住宅の寿命」は 27年か30年
「マンション(RC/鉄筋コンクリート造)」は 37年 としています。
ただ、この数字は
「実際に取り壊した建物の築年数」であったり
「建物の新築数を取り壊し数で除した数字」であったりしたものであって、
正確なものでもないようです。
「木造住宅の27年説」は「取り壊した住宅の平均築年数」
「木造住宅の30年説」は「現存する住宅数を新築数で割ったもの(サイクル年数)」
「マンションの37年説」は「建替をしたマンションの平均築年数」
もちろん築40年、50年の木造住宅も数多く、
同じくマンションも実際多い事実を踏まえても
なかなか現実を反映しているようには思えないものです。
例えば、コンクリートの劣化は
当初「アルカリ性」だったコンクリートが空気中の炭酸ガスを吸収して
年に0.5mmづつ中性化していくことで始まります。
鉄筋のかぶり厚というコンクリートの厚みは3cm。
60年でコンクリートの中性化が鉄筋にまで到達します。
ただ、中性化したら強度が弱まるものでなく、
空気や水が浸透しやすくなることで劣化していきますので、
事前に補修必要な箇所を鉄筋張替やフレッシュコンクリートの注入などをすることで
充分に利用は延長されていきます。
(補修によっては築80年のRC造の建物の寿命が
60年延び140年になるといったこともあるようです。凄いですね。)
「ノンメンテナンス」を謳う仕様も最近よく耳にしますが、
外壁の表面上の仕上げ?というかそういった部分だけを指していることも多く
実際はコーキングや屋根、バルコニーの防水などは
定期的な手入れが全くなくてもよいわけではありません。
どの程度かは差がありますが、
「定期的な手入れはきちんとされているか?」が安心して住み続けるキモのような気もします。
そして、我々は住宅の寿命は
「性能が悪くなったから」というより
「暮らし方が変わること」のほうが大きいと思っています。
家族の成長とともに間取りも成長しないといけません。
我々は、家の耐用年数で最も低いのが「間取り」と考えています。
子供さんが巣立っていった後、どうくらすのか?
趣味に没頭したり、夫婦での時間を楽しむことを優先されるかもしれません。
同居することになったから、
間取りの変更性を問われて、建替えという選択肢を選ばれることも多いでしょうね。
昔は定期的な点検や修繕を行う慣習がなかったので、
これからのようにその必要性を意識するだけで寿命は確実に伸びるそうです。
その上で、間取りも
「例えば、今は子ども部屋はつなげて広く、先で分けれたらいい。」という考えに
「子どもが巣立った後はどう使うの?」といった視点を入れるだけで
性能だけでなく、年齢や暮らし方も考慮した「家の寿命」が伸びていくと思っています。
地盤の対策もきちんとしていることや
昔に比べたらはるかに仕様もよくなった現在では
実際のところ、50~60年といった期間は安心して住んで頂けると思います。
ただそれには
①定期的な点検や修繕の実施(これはどんな工法、施工会社、仕様でも必要です。)
②最初から間取りも人生設計に基づいて考えておく。
この2点が大事ですね。
②についてはコツがありますので、気になる人はまたお声がけくださいね。
(ちなみに10月の見学会は17日18日に開催します(笑)。)