コラムニスト えのきどいちろう さんが
元プロ野球選手 中西太さんと対談している記事に書いてあったお話。
入団時から「怪童」なる異名を持ち、
新人王を経て、いくつものタイトルを獲った中西さんが
「自信がなかった。それから夜中も走って、バットを振って、必死だった。」
「自信なんてのはね、やった結果からついてくるもんなんですよ。」
と言われていて驚いたといったことが書いてありました。
その対談後記でも
歌手の桑田佳祐さんが「夜中、時々不安で眠れなくて壁を叩くんだ。」と言われてた話や
落語家の故、立川談志師匠が、夜中寝てるときに不安になり、
起き出して、一度話をさらってみて、工夫を考えたところで少し安心して眠るといった話を
高座で話されていた話も紹介されていました。
確か、豪快そのものといったキャラに映った 歌手やしきたかじんさんも
ライブ前などは緊張で何度も吐くといったことも聞いたことがあります。
ありえないようなスター、名人は
もう不安とか無縁のようですが、そうではないんですよね。
どっちかっていうとほとんどの方が繊細で神経質だったりします。
(実際のところはわかりませんが、
そうした部分を全く感じさせないから長嶋茂雄さんや明石家さんまさんは
華やかなスター性を感じるのかもしれません。)
こういった方と方を並んで語るのは大変恐縮しますが、
私も全く同じです(笑)。
ありがたいことに、人前でお話させて頂く機会も多くあり、
それなりに場数は踏ませて頂きました。
お世辞でもお話を聴いて下さった方から
「よかったです。」なんてお言葉ももらえますが、
今でも人前で話す前はガチガチに緊張しています(苦笑)。
小心者なので・・・・。
私は天性でもなく、場数踏んだからだけで少しはできるようになっただけので
誤解なく聞いて頂きたいですが、
やっぱり何事も「やってみること」が大事なことと思っています。
天才なんてそんなにいないですから。
昔の古臭い考えかもしれませんが、
未熟なときや若いときに、チャレンジをいっぱいしておかないと
言い換えれば「量稽古」をしっかりやっておかないと
なかなか身につかないものと思います。
なりたい自分が何かは人それぞれですが、
人を引っ張っていく立場になりたいのなら
ここはなかなか手を抜いてはそうはなれないなと
40歳過ぎて、一層しみじみと感じるときがあります。
損得勘定でいったら無駄なことと思うことが多いでしょうけど、
やってみないとそれがそもそも無駄かどうかはわからないものですし、
実はその無駄を積み重ねたからその先に「答」や「ヒント」があって出逢えるものです。
本を読んだり、人に聞いただけではなかなか
分かっても、気づけないものです。
要はいくら「公式」を知っても数学は答がでますが、
他はなかなか答がでないものですから。
ここが「勉強」と「仕事」の違いなことに
腹の底から気づける瞬間は
やっぱり人から与えられるものでなく、
自分で気づき感じるものだと思います。
先述の中西さんは優しすぎる性格からか
監督業ではなかなか非情になりきれない分、成果はでませんでした。
しかし、コーチとしては10球団くらいに所属して高い評価を得られています。
(余談ですが、中西さんは後輩で、
はるかに自分より実績が「下」であったのに
監督としては自分より「上」と認め、故 仰木監督の下でコーチをされていました。
こうした姿勢に逆にプライドの高さを感じます。)
その中西さんがコーチするときにこう言われているそうです。
「今、何のために努力をしているのか?
その言葉を自分で解釈しなさい。
何事も一足飛びではいかないんだよ。」
本当、その通りと思います。
でも、こんな説教じみたことを言うあたりに
私もそれなりにええ歳の「おっさん」になってきたのかなと思うと
ちょっと笑ってしまいそうになる自分もいます。
若い頃、鬱陶しいと思ってた説教ジジイに今、私がなってるということですね(笑)。
でも、若い人にはチャレンジしてみること、
我々はそのチャレンジをし続けること、
いつの時代も私たちのテーマは「チャレンジ」なのでしょう。
ありふれた言葉ですが
「チャレンジ」する姿勢をもった会社であり、人生でありたいものです。