「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負け無し。」
野村克也監督が好んで言われるこの言葉。
「どうして勝ったかの理由がわからない勝ちはあるけれど、
どうして負けたかの理由わからない負けはない。負けには必ず理由がある。」というもの。
これは成長の原点と思っています。
「敗因」を中途半端なプライドが邪魔することなく
真摯に受け止めれる人間にしか成長はないわけで、
そうじゃなく「不思議の成長」を運よくできても、誰にも教えられないから
先で結局、困ってしまいます。
たまたま立ち読みした週刊誌に
元阪急の上田監督の話が載っていて
たった一つのミスが大きく変えた裏話が書いてありました。
1971年の巨人7連覇をかけた対阪急との日本シリーズ。
下馬評では「阪急絶対有利」で始まった1勝1敗の第3戦。
巨人を0-1で抑えて、迎えた9回裏に
阪急山田投手が巨人王選手に逆転サヨナラ3ランを打たれ
流れが変り巨人が制した日本シリーズでの有名な試合。
プロ野球の歴史上で
江夏の21球、阪神バックスクリーン3連発などとともに
名場面ベスト10には確実に入るこの試合の大きな伏線。
「不思議の負け無し」を地で行く話が書いてあったのです。
これは王選手との駆け引きでなく、
実はその前の長嶋茂雄選手との打席に大きなミスがあったと書いてありました。
1番柴田選手が四球で出塁、2番柳田選手が倒れて
2死1塁だった場面で打者、長嶋選手。
このような場面では長嶋選手は三遊間に引っ張るより、
逆らわずセンター前に打ち返してゴロで抜ける安打が多いデータがありました。
そこで遊撃手の阪本選手を2塁寄りにいくように指示したのに
うまく伝わっていなかったことがおきました。
当時の後楽園球場のベンチはグランドより低く、
ベンチは選手から見えにくい構造でした。
結果、長嶋選手はデータどおり、
投手横を抜けるセンター前にゴロを打ち
阪本選手が飛びついたけど、グラブをかすめてセンター前へ。
もし指示がきちんと伝わっていて、
2塁寄りに守備位置を変えていたら
ここでアウトになり試合は終わっていたのです。
きちんと準備もして、確認もしていた。
でも、本番でうまく引き継げず失敗をした。
悔しいけど、このたった一つの油断、ミスですべての流れが変わってしまう怖さ。
日常でも大なり小なりありますよね。
準備も大切です。
でも、それをきちんと伝えること。
確認をとること。
ここを徹底しないとなかなか物事はうまくいきません。
大変ですけど、ここをきちんとやれることが
コミュニケーションの原点と思います。
仕事はもちろんですけど、
プライベートでも大事にしていきたい。
そんなことをふと思わせてくれたそんな記事でした。
私たちもスタッフ同士はもちろんのこと、
工事に携わる協力業者のみなさん、もちろんお施主様とも
コミュニケーションの大切さを踏まえてやっていきたいと思います。
追伸
私はプロ野球が好きですが、実際の試合より
こうした裏のドラマが大好きです。
ちなみに、阪急は76年の日本シリーズで山田投手は
王選手のバットをへし折る快投で巨人を倒し、日本シリーズを制するのです。
こういったドラマにいろんな刺激を受けますね。
今年のペナントレースにもたくさんのドラマがあってほしいと願っています。