「母ちゃん、これ父ちゃんの匂いがするね。」
来月で4歳になる長女 智美が
最近、奥さんによく言うそうです。
「ともちゃん、何から父ちゃんの匂いがするの?」
「これ!」
そういって彼女が差し出したのは
いつも私が枕がわりに使っているクッションでした。
「どれどれ」と私も匂ってみましたが
それはもう「おっさんの匂い」がしました(笑)。
男、森下泰成40歳。
加齢臭なのでしょうか・・・・。
すっかり「おっさんの匂い」を醸し出すお年頃になったようです。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
「とも、父ちゃんの匂い、嫌い?」
「ううん、好き!」
果たして、いつまでそんな気遣いをしてくれるのでしょうか?
優しい娘です。
でも、その「おっさんの匂い」を嗅いでたら
ずいぶん、昔を思い出しました。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・父さんの匂いや!」
私は父を18歳で亡くしました。
もう22年も前のことです。
実家に行けば仏壇に線香あげたり、
お墓参りに行ったりとしていますが、
さすがに日常で亡き父を思い出すことも少なくなってきました。
でも、娘に指摘され自覚したその匂いは
亡き父を思い出した、そんななつかしい匂いでした。
40歳という年齢を実感させられやや凹んだ感もありましたが、
まんざら悪くもないもんかな?と思いました。
父さん、なんとか俺も「父ちゃん業」してます。
また、親子4人でお墓参り行くので待っててください。
父を思い出し、息子の気持ちになったとある冬の1日の出来事でした。