元プロ野球監督で野球解説者だった
西本幸雄さんが亡くなられたニュースを先日見ました。
プロ野球界の重鎮がまた一人亡くなられましたね。
選手としては二流でも
指導者として大成された方は人間的に厳しさと優しさが入り混じっていて
人間くさい人が多いので大好きです。
根本陸夫さんとか仰木彬さんとかみたいな
「一流」ではなく「超二流」といった人は魅力あります。
鉄拳制裁も辞さない昭和を感じさせる熱さが
この時代にいいかどうかはさておき、
ここまで「父親」といった匂いを感じさせる方も
今となっては珍しいのではないでしょうか?
熱く厳しく強く接する姿勢に当時は衝突した後の名選手達も
誰もが最後は「親父さん」と慕っていたところにブレない不変の存在感があったのでしょう。
選手としては二流。
野手出身のため投手に関しては技術的にどうこういえるかはあるでしょうが、
コーチならいざ知れず、監督に大事なものはトップに大事なものは
技術でなくて覚悟と信念であることだと教えてくれた一人だと思います。
3球団を優勝させた数少ない一人(ほかは三原監督ただ一人)。
しかも阪急と近鉄は弱小のお荷物集団、
今で言うなら「ベイスターズ」を率いて優勝させたものですから
素晴らしいものがあると思います。
8回制覇しても日本シリーズでは1回も勝てなかったことに
悲運の名将とも言われますが、
西本監督はそのことを否定的に思われていたようです。
「選手が頑張ってくれたおかげで8度も日本シリーズに出場できたのだから、
私は幸せ者だ。私が良い選手に恵まれた幸運な凡将だったのだ。」と語っている。
この辺にも魅力があると思います。
様々なエピソードに欠かない人ですが、
私が一番好きなのは、近鉄が優勝する直前に足踏み、負けが込んできたときに
近鉄の主力だった梨田さんたちが、
同じパリーグの阪急の主力だった山田久志さんや福本豊さん達に呼び出され、
「お前ら何をやっとるんや!西本の親父さんに恥をかかすな!」と一喝した話です。
勝負の世界でもここだけは別だったのでしょう。
引退するとき近鉄の選手からも阪急の選手からも胴上げしてもらったエピソードも大好きです。
こういう人間臭い生き方って
今の時代にはあわないかもしれません。
そもそもそこまで踏み込まれることに嫌悪感を持つ人も多いでしょう。
でも、いつの時代も人間関係はこういうものが大事なものだと
歳を重ねていくことに胸に沁みて思います。
私はプロ野球が好きですが、
試合より選手よりこういった裏のドラマが大好きです。
数少ない名監督がいなくなってきて寂しい気もしますが、
改めて新しい名監督が出てきて、面白い野球界にして欲しいです。
西本監督。
安らかにお休みください。
心からご冥福をお祈りします。